「真面目が一番」アメリカン・ヒストリーX 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
真面目が一番
人は誰しも偏見や差別的な考えを多かれ少なかれ持っているものだろう。しかしそういった考えに傾倒する余り、同じ思想の者で集会を開いたり、他者を攻撃したりするのは、自分の人生にマイナスの影響しかもたらさない。主人公のデレクが仲間のセスを負け犬と呼んだように、こういった活動に時間を費やしても、成長もしないし普通の人間は離れていくしで、無駄でしか無い。デレクは服役の経験を通じてそれに気づくことができた。デレクがネオナチ集団からの脱会を表明した途端に、メンバー達が手のひら返しをするのも、所詮その程度の繋がりでしかなかったのを表している。
ストーリーは続きが気になる展開で面白いが、デレクが服役によって過激思想から抜け出せた理由が、いまいち弱いような気がする。店を襲ったり、黒人を酷い殺し方をしたりしていたのに、そんな簡単に転向するものなのか、やや疑問だった。
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