長靴をはいた猫(1969)
劇場公開日:1969年3月18日
解説
フランスのルイ十四世時代に活躍したシャルル・ペローの原作を「アンデルセン物語」の井上ひさしと山元護久が共同で脚本を執筆し、コンビを組んだ矢吹公郎が演出した長編カラー漫画。昭和三十三年の「白蛇伝」から教えて第十五作目。
1969年製作/80分/日本
原題または英題:Puss'n Boots
配給:東映
劇場公開日:1969年3月18日
ストーリー
何百年も昔のこと、ある国に、心の優しい少年ピエールと長靴をはいた勇気のある猫ペロが住んでいた。ピエールは、お金持の家に育ったが、父が死ぬと、遺産目あての欲張りの兄たちに追いだされ、ペロはネズミを助けたことから仲間はずれにされてしまった。彼らは、、ある雨の日に同じ農家に雨やどりしたことから仲良しになり、旅をすることになった。野山を越え、川や湖を渡って辿りついたお城で、ピエールは素晴らしい貼紙を見て喜んだ。それには、この世で一番お金持ちで、武勇にすぐれた若者をローザ姫のお婿さんにする、と書いてあった。ところが、世界各国からは、王子や騎士たちが続々とつめかけ、手段を尽して姫の機嫌をとり結び、魔王ルシファも魔力を駆使して婿になろうとはかった。だが、ローザに申し出を断られると城を廃虚にし、王をブタにかえてしまい、満月の晩に姫を迎えに来ると言い残して去って行った。広間に忍びこみ、一部始終を見聞ききしたペロは、魔王を退治すれば、ピエールがお婿さんになるのだと悟った。そんな折ペロは迷子になった子ネズミを助けた。これを恩にきたネズミたちは、ペロの家来になって活躍し、ピエールは、姫に会うことが出来たのだった。満月の晩、ピエールは身分を打明け、姫はこの汚れを如らぬりりしい若者に心を奪われたが、ぴったり定刻に現われた魔王に連れさられてしまった。ピエールはペロやネズミの家来を連れて魔王の城にやって来た。魔王は姫との婚礼の宴にご機嫌。ペロのお世辞に乗って、いろいろな動物に化けて見せるのだった。だが、魔王はピエールたちが魔法のペンダントを狙っていることを知り、彼らを穴ぐらに、閉じこめてしまった。やがて、魔王の后になることを条件にみんなの命乞いをした姫が、一瞬の隙をついてペンダントを手に入れ穴ぐらに投げ込んだ。ピエールは、城の塔に逃げペンダントを高くかかげた。その時、山陰から朝日が昇り、追いかけて来た魔王は城とともに飛び散ってしまった。こうして、平和に戻ったお城でピエールと姫は結ばれ、ペロとともに幸福な日々を送るのだった。