年ごろ(1968・日本)

劇場公開日:

解説

小寺朝の原案を、「春らんまん」の松木ひろしが脚色し、これが監督第一作の出目昌伸が監督した青春もの。撮影は「さらばモスクワ愚連隊」の福沢康道。

1968年製作/84分/日本
原題または英題:The Green Years
配給:東宝
劇場公開日:1968年7月13日

ストーリー

大学受験を一年後にひかえた陽子は、春休みのスキー場でブルーコメッツと知りあったが、兄大介の恋人幸子が派手な男と親しくしているのを見て悩んだ。間もなく、陽子はアメリカで絵を描いていた姉夫婦を羽田に迎えに行った時、大介と幸子の間を割って入った男が、小倉というパイロットであることを知った。高校生らしく潔癖な陽子は、恋は清く真剣でなければならないと考え、小倉に直接談判すべくアパートを訪ねた。だが、陽子は小倉に、幸子とは今後交際しない、との約束はとりつけたものの、小倉の落ち着きのあるスマートな態度にすっかり心を奪われてしまった。新学期が始まって、兄の友人竹山とデートした陽子は、竹山が小倉に比べて子供っぽいのに物足りなく、羽田空港まで竹山をつきあわせて、そのまま小倉とのデートに切りかえてしまったのだ。小倉の操縦するセスナに乗り、空に舞い上っての豪快なデートに、陽子はすっかり堪能してしまった。この時から陽子は自分を小倉に応しい女にしようと努めるようになった。姉秀子の服を無断で借用したり、いかにもレディ然とした態度を装ったり、果ては初めてアルコールを口にして酔ってしまったり……。一方、家の方では、そんな陽子を心配していた。しかしある日、陽子はふと冷静になった。小倉とのデートの中に、何か満足できない自分に気づいたのだ。大人になるまでにはもっと他にしなければならないはず、そう考えた陽子の心から、小倉の姿も消えていった。小倉は、大人になりかけている陽子の年代が、しばしば憧れる素敵なオジさまであったのだが……。

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