劇場公開日 1953年11月3日

「今にも十分通じるストーリー」東京物語 fukui42さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今にも十分通じるストーリー

2021年4月6日
iPhoneアプリから投稿

一言「地味だけど、最後心に沁みる」。

小津安二郎監督作品、初めてです。
デジタルリマスタリング版を見たので、画像も綺麗で新鮮でした。

正直シンプルな内容で、人によっては「単調でつまらん」かもしれません。
これは私のように地方在住、東京へ行くなんて一大事!。
な方には、時代は違えども両輪の気持ちがわかるかと。

東京に住む子供たちのところへ行ったけれど。
子供たちもすでに親になっていて、家庭がある。
そういつまでも相手はしていられない。

両親の会話の奥には「もう子供たちは、大きくなった。それでいい」。
2人のおっとりとした会話の中に、そういう意味合いもあったのかな。

最後に笠智衆さん演じる父親の言葉が、良かったなあ。
それまでは「そうじゃのお〜」なんて、のんびり口調だったのに。
原節子さん演じる義娘にかけた言葉に、ジーンとホロリ。
ちゃんと義両親は、未亡人になった義娘のことをしっかり見てたんだなあって。

東京から尾道へ帰る「鉄道乗り場」のようなシーンなど、時代を感じさせる箇所が。
どこか懐かしい描写でした。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「そうか、もうみんな帰るかい」

ゆき@おうちの中の人