チ・ン・ピ・ラ(1984)

劇場公開日:

解説

渋谷を舞台に、自由気ままな二人のチンピラの生き方を描く。脚本は、昨年他界した「竜二」の金子正次と同作の川島透の共同執筆。監督は川島透、撮影も同作の川越道彦がそれぞれ担当。

1984年製作/102分/日本
原題または英題:Chinpira
配給:東宝
劇場公開日:1984年11月17日

ストーリー

藤川洋一と梅沢道夫は、競馬のノミ屋で生活しているチンピラである。彼らは時折、小遣い稼ぎに仲間と組み、ライブハウスのアトラクンョンとして、“銃殺”寸劇を見せていた。洋一は、道夫と共に暴走族にからまれているところを助けた長崎裕子と、道夫は美也という女と、それぞれよろしくやっている。毎日が勝手気まま、自由人の生活であった。ある夜、二人がいつも通り、“銃殺”寸劇をやろうとライブハウスを訪れたところ、仲間の太と木村が、伊藤会の組員を巻きこみ逆鱗に触れてしまっていた。そして、殴る蹴るの暴行を加えられているが、親分格にあたる大谷の口ききで助けられた。大谷に、呼び出された洋一は、本物のやくざにならないかと誘われる。本来ならば、兄費分の道夫が順番であるが、大谷は洋一の方が器が大きいと判断したのだ。洋一は組入りのための研修として、大谷と共に挨拶まわりを始めた。道夫は、洋一を恨みこそしなかったが、複雑な心境であった。洋一の留守中、裕子がシャブに手を出してしまった。そのシャブは、洋一が大谷から一時的に預かったものだった。これがきっかけで、洋一はやくざになるのを断念した。しかし、裕子は、洋一の思いやりを裏切るように彼のもとから去って行った。酒をあおる洋一に、さらに悪い知らせが入った。道夫がノミ屋の大損で追いつめられ、預けた例のシャブを横流しし、大谷を刺してしまったのだ。組員達は道夫を捕えるために動き出した。デパートの屋上で、洋一は道夫を発見した。「死ぬのが怖い」とおびえる道夫。彼を絶対に死なせまいと決心した洋一は、車を手配し、親しい仲間と連絡を取った。閉店を待った二人は、エレベーターで地上に降りた。が、ドアが開いたとたん、目の前で銃口が火を吹いた。鮮血にまみれた洋一は、ぐったりと動かなくなった道夫を抱え、ヨロヨロと車の中に倒れ込んだ。車は品川埠頭まで走り、停止した。彼らの死の知らせを受けたやくざ達は、姿を消した。誰もいなくなった後、身をもたげる二人。銃を撃ったのは太で、お得意の“銃殺”寸劇だったのだ。二人は船に乗って日本を後にし、彼らの笑い声がこだました。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

4.0バブルイケイケの当時を懐かしみたくて。

2024年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

泣ける

笑える

楽しい

雑誌には、わたせせいぞうが描くシティポップなスーツ姿の男が爽やかに笑い。
ブラウン管では、吉川晃司がスーツ姿でサンクス×4♪モニカ♪と軽快に歌い。
そんな。そんな白いスーツがトレンドだった1980年代半ば。
ギャルたちは「え~っ、うっそぉ~」と甘ったるい声で軽薄に笑い。
地元の田舎街でさえネオン街は眠ることを知らず。
“たけちゃんマン”は、ナハナハ笑い。
まさに日本が一番元気のあったイケイケの時代。
それを懐かしみたくてチョイスした一品です。
マジ懐かしい。思い出すと胸がきゅ~っ…となります。さあバブルへGo!

予告編のコピーは「ファッショナブル青春ギリギリシネマ」です。
青春を過ぎてもオジサンになりきれないチンピラふたりのお話。白いスーツ姿の柴田恭兵と、ジョニー大倉が大変ファッショナブルで印象的した。
冒頭と、開始30分にも再び訪れる“銃殺ごっこが”まさかの伏線とか。このエピソードが効いていた痛快なラストでした。
お話で強烈に印象に残っている台詞あるんですよ。川地民夫演ずるヤクザ幹部がメロン食べながら言う
「道夫じゃねぇだろ!道夫はおまえの兄貴分じゃねぇのか!梅沢の兄貴とか、道夫さんとか呼び方があるだろうが!ケジメだよ、ケジメ。あン?」
ご覧になられた方になら、わかっていただけますよね、これ(笑)

そんなことよりも物語中盤、血塗れのズタボロに〆られた切ないカットでの「ヤクザがプロで…俺たちゃアマチュアなのかね…やっぱり…チンピラのプロってのは…ムリなのかねぇ(泣)」が、物語中で一番撮りたかったシーンだったと思うの。
普通のオジサンにも、ましてやヤクザにもなりきれなかった、情けない野良犬みたいなチンピラふたりの苦悩と悲哀。
そんなチンピラがカマす一世一代の大芝居!どんでん返しの“笑撃”ラストが大変爽やかだったです。
かなり泣かせに来てたラストだと思ったのに。涙を返せ!

そんなジョニー大倉さん、62歳でお亡くなりになられたのですね。早いよ!
一方の柴田恭兵。御年72歳。この春に『帰ってきたあぶない刑事』で舘ひろしとW主演。
お元気だなぁ。スタイリッシュな容姿は今だ健在。私としては、能勢慶子とW主演だったTVドラマ『赤い嵐』が、秒で思い出されます。「ここはどこ?私は誰?」→「しのぶっちゃん!」(またごめんなさい・笑)
「いいとも青年隊」の久保田敦篤も、もう64歳。時の経つのって早いよ。
私もスーツ着て“ディスコ”で踊ってた青春時代に戻りたいよ。「何とな~くクリスタ~ル♪」

功罪の“罪”も言われているバブルだけれど、もう一度巻き戻しでリターン!と思わずにはいられないです。
PINKによる主題歌「PRIVATE STORY」の詞が、いかにもバブルチックで良き歌です。
あんな奇跡的な時代って、もう来ないのかねぇ…(泣)

コメントする (0件)
共感した! 1件)
野球十兵衛、

4.0ジョニー大倉

2024年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
kazu565

5.0柴田恭兵初主演映画

2023年6月26日
PCから投稿

柴田恭兵は実は超遅咲き。初主演映画の時点で33歳。1986年OAの刑事ドラマ『あぶない刑事』の時点で35歳。なんやかんやで柴田恭兵の名前が世間に知れ渡りヒットメーカーの仲間入りを果たした頃には既に40歳のアラフォー。脇役の俳優さんとして目立ってはいたが柴田恭兵主演という看板を出すような売り方をするオファーはなかった(あぶない刑事が初めて)。

要はカッコよすぎて妬み嫉みで誰も使いたがらなかった。ガラスの仮面の北島マヤが「舞台あらし」として演劇界から干されたの似た感じと言えば分かりやすいかもしれない。令和の現代なら可能性を秘めた俳優さんとして売れたろうが昭和の演劇界は柴田恭兵を評価するには未熟過ぎた。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
HILO

4.0珠玉の『大どんでん返し』

2023年2月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

珠玉の秀作時代劇でした。
若き高木沙耶と石田えりの異常な程の可愛さは存在感ありました。
凄く良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
tuna

他のユーザーは「チ・ン・ピ・ラ(1984)」以外にこんな作品をCheck-inしています。