鎮花祭
劇場公開日:1960年11月1日
解説
丹羽文雄の週刊誌連載小説の映画化。「喧嘩太郎」の松浦健郎が脚色し、「熱い砂」の瑞穂春海が監督した。撮影は「女妖」の中川芳久。
1960年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年11月1日
ストーリー
XYKテレビのディレクター古田は朝比奈公仁子をタレントとして売り出そうと懸命だった。その情熱は彼女のためだけというより、彼自身の欲望のためもあった。独身でアパート暮しという言葉を信じ、公仁子は古田の部屋で演技の指導を受け、二人が結ばれたのも間もなくのことだった。戸狩陽子は田舎で父の勧める縁談を嫌って家出、朝比奈家に同居していた。公仁子には長い捕虜生活から帰った兄正方がいた。朝比奈家の希望で陽子と正方は結婚することになった。結婚式場で陽子は弟浩の紹介で銀座六愛の青年重役鯉淵一重を知った。鯉淵は陽子をひそかに愛していた。熱海の夜、正方と陽子の結びつきは、陽子の肉体的欠陥で最悪の事体をひきおこした--。正方は公仁子のテレビ出演から古田の存在を怪しみ、何かを企んだ。夫婦生活の破綻と長い捕虜生活は、正方の性格を兇暴にし、陽子を虐待した。公仁子は陽子に別居をすすめた。正方はあるキャバレーで絹子という女供を知った。彼女は古田の妻だった。正方は家を空け、工場の離れに泊った。工場長の万座夫婦は娘晴江を彼に接近させた。正方の追求がきびしくなり、陽子は鯉淵を訪ねて店で使ってくれと頼んだ。陽子は鯉淵の求愛も拒否せねばならなかった。正方は妹の復讐に絹子を犯した。陽子は朝比奈家に戻った。妊娠した晴江は正妻にしてくれといったが正方は拒否した。正方は公仁子の眼前で古田に本妻がいることを暴いた。兄の行為のすべてを知って激怒した。正方はすべてがイヤになった。陽子の離婚にも同意した。陽子は鯉淵の店で働くことになった。二人の結ばれる日はそう遠いことではないだろう。