地球防衛軍
劇場公開日:1957年12月28日
解説
「ゴジラ(1954)」「空の大怪獣 ラドン」に続いて製作された空想科学映画である。製作スタッフの中心も、前二作と変らない。丘見丈二郎の原作を香山滋が潤色、更に「遥かなる男」の木村武(1)が脚色し、「別れの茶摘み歌 お姉さんと呼んだ人」の本多猪四郎が監督した。撮影は「新しい背広」の小泉一が担当した。ほかに東宝特技班が参加している。主演は「遥かなる男」の平田昭彦、「脱獄囚」の河内桃子、「続々大番 (怒涛篇)」の白川由美、それに佐原健二などで、ほかに志村喬、村上冬樹らが助演している。色彩はイーストマンカラー。Perspecta Stereophonic Sound。
1957年製作/88分/日本
原題または英題:The Mysterians!
配給:東宝
劇場公開日:1957年12月28日
ストーリー
富士山のふもと、西湖のほとりの森で奇怪な山火事が起り更に山崩れが続発し、一集落が全滅した。調査団が調べていると、地中から怪獣モゲラが現れ、怪光線を発し、襲いかかった。発電所をたたきつぶし、街へむかって突進してきた。街の手前の橋に爆薬が装てんされ、モゲラは爆破された。それは特殊合金製の電波ロボットであることを調査に加わった譲治は発見した。天文台の安達博士は山崩れのとき姿を消した亮一のレポートで、五千年前、原水爆により自らの遊星を破滅させたミステリアンの侵入を知った。再び調査団が富士へ赴いた時、湖の中から球型のドームが浮び上り、博士ら五人を、内部に招じ入れ、このドームを中心に半径三キロの土地と江津子、広子ら五人の女性の引渡しを要求した。事件の対策本部は防衛庁に移され、結局この侵略を防ぐため自衛行動に移ることになった。科学研究のためドームにとどまっていた亮一は、人類の科学よりはるかに進歩したミステリアンを相手に戦争を始めるのは無謀だと譲治に伝えてきた。が、自衛隊は攻撃を始めた。ロケット砲も戦車砲もドームには効果がなかった。ドームから緑の怪光線が発射されると、ロケット砲も戦車もたちまち溶けた。空飛ぶ円盤も空に飛び、ジェット機を叩き落した。自衛隊は全滅に瀕し、全世界の科学を集めて抵抗することになった。熱線攻撃が計画され、電子砲を備えた航空艇アルファ号が攻撃したが、ドームはビクともしない。広子、江津子たちは警戒の裏をかいて拉し去られた。地球軍は新兵器マーカライトファープを完成した。ドームの怪光線に匹敵する熱線を放射でき、敵の光線を反射することができた。譲治はモゲラの出現した谷間がドームとつながっていると考え、広子らを救出しようと谷間へ赴いた。マーカライトは攻撃を開始し、ドームの外壁を真赤に変色させた。ドームは報復に湖水の水をあふれさせ、マーカライトや市街を水底に沈めた。その時、譲治はドームの機関室に忍びこみ、機関を破壊したが、彼は捕えられ、江津子らの室へ連れて行かれる。ミステリアンの野望に絶望した亮一は譲治たちを逃がしてやり、機関室のスイッチを入れた。ドームは大爆発を起し、空飛ぶ円盤は逃げ去って行った。