「素人でも分かる映画」タンポポ shinさんの映画レビュー(感想・評価)
素人でも分かる映画
「ラーメンを食べるのはそのど素人なのよ。素人に分かんない味のラーメン作ってどうすんの?」
「ラーメン」を「映画」に置き換えてみると伊丹監督の信条が垣間見える。評論家の解説が必要な映画などつまらない、とでも言いたいのではないか。
おそらくこの映画を見終わって多くの人がラーメンを食べたくなるかもしれない。ラーメンでなくともオムライスかもしれないし、チャーハンかもしれない。そしてそれらを食すとき、この映画のワンシーンを思い浮かべながらいつもより美味しく楽しく食べられるのではないだろうか。
映画の楽しみ方は人それぞれだ。小難しい考察が必要な映画を楽しむ人もいれば、事実に基づいたドキュメンタリーが好きな人だっている。
映画はエンターテイメント、つまり娯楽だ。見終わったあと、「あー面白かった」とか「楽しかったー」とある種の非日常体験が出来るのが映画の良さであると思う。
この映画を見終わったあと、評論家の解説なんて読もうと思わない。ただラーメンが食べたくなる。
「映画を見るのはド素人なのよ。素人に分かんない映画作ってどうすんの?」
伊丹十三氏の心の声が聞こえてきそうだ。
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