丹下左膳 濡れ燕一刀流

劇場公開日:

解説

林不忘の原作を、松村昌治と直居欽哉が脚色し、「赤穂浪士(1961)」の松田定次が監督したおなじみの時代劇。撮影も「赤穂浪士(1961)」の川崎新太郎。

1961年製作/84分/日本
原題または英題:The Sword Flies Like a Swallow
配給:東映
劇場公開日:1961年5月3日

ストーリー

女房気取りの櫛巻お藤、息子気取りのチョビ安に囲まれて、鼓の与吉などと賭場通いを続ける丹下左膳は或る日、盲の娘お光をやくざの手から救った。お光は作爺と呼ばれる彫刻師作阿弥に育てられていた。お光の目が百両あれば治せるという話を聞いて左膳は百両集めにひたむきになった。その頃、日光東照宮御修築奉行が伊賀の柳生対馬守に決まった。幕府隠密総取締の愚楽老人や大岡越前守らが柳生家に名宝こけ猿の壷ありとみて善意から推薦したのだったが、実際の柳生家は裕福でなくしかも対馬守の清廉な性質のため、収賄好きの老中本多淡路守に嫌われ腹心の別所信濃守を副奉行として対馬守を苛め始めた。対馬守の弟で伊賀の暴れん坊源三郎は、司馬道場の娘萩乃と婚約していたが兄の身を心配していた。その萩乃に師範代の峰丹波が邪恋を抱いていた。淡路守と信濃守は黄金の神馬を作ると称して対馬守に金策を命じ、その実木馬を作って対馬守に詰腹を切らせようとした。これには源三郎の動きが邪魔であった。峰丹波では源三郎を倒せないと知って彼らは左膳を百両で殺し屋として雇った。日光へ発った源三郎を追って、左膳は百両を医師道庵に託して発った。日光へ着いた左膳は与吉の手引きで源三郎と対決した。その時丹波が萩乃を縛り短刀をつきつけて現われた。源三郎は刀を捨てた。仲間の汚いやり方に左膳は丹波を倒し萩乃を救った。左膳と源三郎は手を握りあった。一方、お光の目の手術は成功したが、神馬を彫らせるため淡路守はお光と作阿弥を日光に拉致し、お光を人質として作阿弥に神馬を作らせた。完成した後、証拠イン滅を計って二人を殺そうとしたが、お光が対馬守の隠し子であると聞いて殺害を延期した。大岡越前守、愚楽老人の秘かな努力で十万両の金策ができた。対馬守が日光に到着する日、信濃守はお光をおとりに対馬守殺害を企んだ。与吉からこの総てを知った源三郎と左膳は、信濃守の罠の中におどり込んだ。その修羅場へ、奉行大岡越前守も役人を従えてのりこんで来た。左膳と源三郎の剣に、悪人は次々と倒されていった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5大友柳太朗版丹下左膳5作4本目

2024年1月23日
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鑑賞方法:VOD

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監督は『七つの顔』『十三の眼』『赤穂浪士 天の巻 地の巻』『鳳城の花嫁』『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』『水戸黄門 天下の副将軍』『新吾十番勝負第三部』の松田定次
脚本は『柳生旅ごよみ 女難一刀流』『野狐笛 花吹雪一番纏』『危うし!快傑黒頭巾』の松村昌治
脚本は他に『遠山の金さん さくら判官』『向う見ずの喧嘩笠』『四谷怪談 お岩の亡霊』『めくらのお市 みだれ笠』『座頭市御用旅』の直居欽哉

あらすじ
日光東照宮御修築奉行が伊賀の柳生対馬守に決まった
本来は倒幕を防ぐために裕福な藩の財政を弱体化させるためのものであり貧乏小藩には荷が重すぎる事業であった
家宝の在り処を記した苔猿の壺をあてにしたものの何も手掛かりはなかった

柳生藩反主流派は対馬守失脚ならびに殺害を狙っていた

盲目の町娘お光の目が見えるように奔走する丹下左膳

対馬守の弟源三郎は司馬道場の娘と婚約していたが老中の企みで兄の身を心配し祝言を延長していた

豪快な丹下左膳
凛々しい柳生源三郎
直接対決はハラハラしちゃう
結局一蓮托生
大いに笑い合う左膳源三郎

サプライズ
お光は対馬守の娘

今回ちょび安が松島トモ子から男の子役に変更された
可愛くもなければ美形でもない
かといって個性的なブサイクじゃない
演技力に光るものがあるわけでもない
それでもわりと子役として75本以上に出演するほど活躍した
性格が良く現場のスタッフや大人の俳優たちに受けたんだろう
のちのシンガーソングライター美樹克彦である

配役
片目隻腕の剣豪の丹下左膳に大友柳太朗
対馬守の弟で司馬道場の娘萩乃と婚約した伊賀の暴れん坊こと柳生源三郎に大川橋蔵
幕府隠密の蒲生泰軒に大河内伝次郎
清廉潔白な柳生藩藩主の柳生対馬守に山形勳
大岡越前守に黒川弥太郎
道場の娘で源三郎の許嫁の萩乃に丘さとみ
盲目の娘で甘酒屋のお光に桜町弘子
左膳の女房的存在のお藤に長谷川裕見子
お藤の子分的存在だが本田淡路守側とも繋がっている小悪党の鼓の与吉に多々良純
左膳とお藤の息子的存在のチョビ安に目方誠
柳生対馬守の爺の高大之進に杉狂児
小石川療養所の医師の林道庵に左ト全
幕府隠密取締の愚楽老人に高松錦之助
道場に住む源三郎のお目付家来の谷大八に大里健太郎
料亭桔梗の女将を務めるお滝に赤木春恵
お光の妹的存在のお美代に児玉ひろみ
賭場のヤクザで左膳と何度かいざこざを起こす般若の政吉に小田部通麿
賭場のヤクザで左膳と何度かいざこざを起こす赤鬼の清吉に上代悠司
お光と暮らす作爺こと彫刻師の作阿弥に佐々木孝丸
将軍吉宗に那須伸太朗
職人たちの待遇を憂う寺社奉行の田丸主水正に水野浩
賄賂好きな柳生藩老中の本田淡路守に柳永二郎
淡路守腹心の副奉行・別所信濃守に平幹二朗
淡路守腹心の将監・石川右近に香川良介
司馬道場師範代の峰丹波に戸上城太郎

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