TATTOO<刺青>あり

劇場公開日:

解説

30歳になるまで男になろうと背伸びし続けた男が銀行に篭城し、射殺されるまでの破滅の軌跡を描く。脚本は「セーラー服鑑別所」の西岡琢也、監督は「女教師を剥ぐ」をはじめ多くのピンク映画を手がけて来た高橋伴明、撮影は長田勇市がそれぞれ担当。

1982年製作/107分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1982年6月5日

ストーリー

検死官が運ばれた死体を調べ、“体の特徴 刺青あり”と報告した。竹田明夫の死体だった。15歳の時、遊興費欲しさに強盗殺人事件を引き起こした明夫は保護監察処分取り消しになった20歳の時“30歳になるまでにドデカイ事をやったる!”と誓った。それまでの生活を一変させるためにパーマをかけ、胸にボタンの刺青を入れキャバレーのボーイになった。同じ店で働くナンバ・ワンのホステスの三千代を強引にくどき、同棲生活を始める。しかし三千代は明夫の性格についていけなくなり、別の男・鳴海のもとへ逃げてしまう。三千代を連れもとそうとするが、鳴海の気魄に負け、雨の降る中を帰って行った。明夫にはなぜ三千代が逃げたのか分からず、また四国の田舎町でひっそり暮らす母親のためにも男をあげなければならないと思った。ボーイから転進した雇われ店長もやめ、贈答品会社とは名ばかりの取り立て屋をはじめ、再会した幼なじみのタクシー運転手・島田を相棒に銀行襲撃計画を考える。参考になりそうな本を読みあさり、クレー銃の練習を始めた。尻込みする島田に車の用意をさせ、30歳を過ぎようとする昭和54年1月26日、大阪市内の銀行に銃声とともに入っていった。篭城する明夫を説得する母親、そして……。深夜の列車から白い骨箱をかかえ駅に降りた母親は、明夫のかぶっていた帽子を頭にのせ、人のいなくなったベンチに座っていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5梅川事件

2023年4月6日
iPhoneアプリから投稿
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大阪ぶたまん

3.5マザコン

2022年5月28日
Androidアプリから投稿

昭和のかおり

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karasu

4.0正直なところ、宇崎竜童という俳優は主演ではあまり輝かないのです脇役でこそ光り輝く人であったということです

2022年5月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

見応えがありました
大いに満足しました

1982年公開
宇崎竜童は本作前年の1981年「駅 STATION」で日本アカデミー賞助演男優賞を受賞したばかり、本作で満を持しての初主演です

しかし正直なところ、宇崎竜童という俳優は主演ではあまり輝かないのです
脇役でこそ光り輝く人であったということです

関根恵子は美しく、演技力も高く良い仕事ぶりです
「うち、男をあかんようにする女なんかな」
「うち、ほんまもんの男が好きや」
この二つの台詞は心に残ります

高橋伴明監督と彼女は、本作が縁で結婚するのはご存知の通り

特に圧倒的なのは母親役の渡辺美佐子の存在感です

三菱銀行北畠支店人質事件は1979年1月26日に実際に起きた事件

その犯人の梅川昭美が主人公ですが、事件そのものは描かれません
突入寸前のシーンと篭城中のほんのワンカット程度です
主人公の名前は竹田明夫となっています

冒頭は警察に撃たれ警察病院に運び込まれ、医師から竹田にはタトゥーがあるというシーンからはじまります
最後は母親か、遺骨箱の上に、竹田が変装用にとっさに使った帽子を乗せて夜の地方鉄道の駅に降り立つところで終わります

では事件がクライマックスでなければ、何かそうなのかというと、鳴海清の登場です

竹田が鳴海と暮らしている三千代を訪ねて、竹田と鳴海の二人が会話するシーンこそがクライマックスだと思います

劇中でも鳴海と名乗ります
但し下の名前は、劇中の新聞では清でなく、不詳として某となっています

彼は1978年7月11日京都三条のクラブベラミで起きた山口組組長田岡一雄銃撃事件の犯人がモデルです
彼もまた実在の男です
銃撃事件の2ヵ月後六甲山中に壮絶なリンチの末に腐乱死体となって発見されます

山路和弘が演じますが強烈な印象を残します

そして鳴海が交際していた16歳の愛人の美容学校の少女が、鳴海の死後に三菱銀行人質事件の梅川の愛人になっていたという世にも不思議な実話をモチーフにしていることです

但し、関根恵子が演じる三千代は27歳くらいに設定され、竹田と鳴海はオーバーラップして交際していることになっています

16歳の少女は、麻雀屋で知り合う少女に置き換えられているようです

袋ラーメンを食べようとする三千代を「栄養が無い!」と食べるなと殴るシーンは、人質事件の時に犯人が警察の差し入れたカップラーメンを「栄養がない」とサンドイッチを追加で差し入れさせた実話からの由来

また冒頭の医師が、竹田を診て「タトゥーあり」というのは、警察が鳴海の腐乱死体の刺青を赤外線で読み取って本人と特定した実話からの由来だと思います

助監督に若き日の周防正行の名前があるのが目を引きました

主題歌は、宇崎竜童「ハッシャバイ・シーガル」
素晴らしい楽曲で本編にマッチしています

ただし映画の中での音響がよくなく、あまりクリアーに聞こえないのは大変残念
でも当時の映画はみんなこんな音響だったのも確か

40年昔の大阪
少しも変わっていないところと、様変わりしているところもあります
そこも見所です
音響もまたしかりなのでしょう

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あき240

3.5梅川事件

2022年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

昔から梅川事件には興味があり、この映画も観たかったがレンタルはなく、VODに入ったため鑑賞。実際の事件は凄惨で身の毛もよだつ程だが、この映画ではグロシーンは無し。
しかし、このようなモンスターがいかに出来たのかは良く表現されていた(フィクションは多いのだろうが)。
高橋伴明監督であったのは知っていたが、エンドロールでプロデューサーが井筒一幸、監督助手に周防正幸、そして出演者に大杉漣さんの名前があったのはびっくりした。

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hanataro2
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