太陽の王子 ホルスの大冒険のレビュー・感想・評価
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時代を考えると、すごいの一言
宮崎駿が製作を手掛けた作品。
ルパン三世 カリオストロの城(1979)を世に出した10年も前にこの作品は作られています。
完成までに3年を費やし、アニメーションとしてはそれまでの常識をはるかに超える費用がかかった為、質の高い作品をつくりながらも公開当時は振るわずに東映でも評価されなかった。
今では再評価され、東映の製作した長編アニメ映画の最高傑作の1つに数えられている。
社会主義国の行く末をアニメーションに投影しているように思える。
社会主義国の行く末をアニメーションに投影しているように思える。
悪魔が独裁者なのか、資本家なのかはわからないが。
高畑勲先生と宮崎駿先生の当時のイデオロギーならそんな事も考えたのかなぁなんて思った。
僕はちょうど、五年生だったので、東映まんがまつりで見たと思うが、ヒルダだけは覚えているが、後は覚えていない。今見ても、あまり面白くない。
後のジブリのもととなるような場面やアクションや出来事は何一つないように思える。もっとも、あまり、ジブリも見ていないから、確かではない。
残ったと言えば、ファンタジーな部分かなぁ。出鱈目な話でも、稼げると学習したようだ。兎に角、一世代前のソ連映画の様だ。
【1968年公開で、この作品レベルの高さに驚いた、人間の持つ善性と、悪性を見事に描いた作品。画のトーンもどこかで見た様な、と思ったら・・。】
■年代的に観れる筈がないのに、この作品は幼き頃に観た、確かな記憶がある。
TVで再放送したとしか思えない・・。
何故ならば、この作品は単なる勧善懲悪の話ではなく、悪魔グルンワルドの妹、ヒルダがその心の中に、善性と悪性を兼ね備えているという斬新な設定や、ホルスを助ける岩男のモーグや、氷の悪魔グルンワルド達、登場人物のキャラが立っていたからであろう。
氷のマンモスや、透明な氷の空飛ぶ狼の鮮やかな動きなども、良く覚えている。
又、画のトーンも後年楽しみに観ていた、「未来少年コナン」と、久方振りに鑑賞すると似ているなあ・・、と思ったら、若き高畑勲さんと、宮崎駿さんが、重要な役割を担っていた事を資料により知った。ビックリである。
<そう考えると、今更ながらに、日本のアニメを牽引して来た高畑勲さんと、宮崎駿さんの凄さが改めて実感できる作品である。>
■子供たちが小さい頃、”もう、勘弁してください・・”と言う程、一緒に観た(観させられた・・。我が家には、宮崎アニメが全て揃っている。)宮崎さんと高畑さんの名作アニメのレビューを、少しづつ挙げて行こうかなあ・・。>
つなぎだらけ
ストーリー:悪魔は世界を牛耳り、妹、弟と称して見込みのある少年少女を手下に取り入れようとするが、少年は飽くまで世界平和のために戦う。
目を見張る空中浮揚感や化け物退治のアクション感はたまにある。
アニメとして評価できるのはそこだけ。
アニメとしてそれ以外の場面は、ちょっとひどい。これは大作家の作品だからと言って我慢する必要はない。駄作と言っていいレベル。
話の展開としても、話のための話が続き、だりい。
勇気と勇敢と説教臭さを継続するためむりくりくっ付けたようなイベントが続きさすがにキツい。
世界を征服した悪魔といいつつ1つの村しか出てこないので、肩透かし感はんばない。
子供向けの映画ではない。かと言って大人の鑑賞に耐えるレベルの映画でもない。
今週の気付いた事:駆け出しの頃は誰にでもある。
ヒルダに命を吹き込んだ市原悦子さん。稀代の名優の技。
未来に残したいアニメと聞かれたら、
『ガンバの冒険(TV版)』『宝島』『未来少年コナン』と、この映画。
初見は小学生。4年生だったか。
TVアニメやディズニーでは、基本的に勧善懲悪か王子に助けられる無力なプリンセス。
そんな中で出会ったこの映画。
スピード感あふれる風の狼との攻防。カジキマグロとの闘い。ラストの攻防。モーグとマンモス。胸が躍った。
あんな結婚式を夢見た。
でもそれだけではなく、策謀、陥れ、裏切。
葛藤、迷い…。
ヒーローの活躍もあるけれど、ヒロインの喜び・悲しみ、そして決断。
澄み渡るような楽曲、踊りだしたくなる楽曲。
なんていう映画なんだ。画面にくぎ付けになった。
再見。
大胆な動き。静止画としても美しい水彩画のような背景。そこにデフォルメされたキャラクターのバランス。なんて見事なんだ。生活苦にあえいでいた頃の暗い色調から、魚の遡上に合わせて色彩から変わるところなんか、その変化に合わせて心が躍る。
ヒルダやグルンワルド達を、寒色の青・紫・白・銀にまとめ、ホルスや村人を太陽のオレンジを基本としたアースカラーでまとめているところも見事。村長たちは彩度が暗かったりするところもツボ。
そんな画面に見惚れているが、その絵に命を吹き込む声。平氏、東野氏、小原さん…。
その中でも出色は市原さん。幼く見えるこけしのようなヒルダの顔(注:森康二氏のデザインのファンです)。だが、市原さんの声が入ると、少女のような、とてつもなく年上のような。魅惑的に人を誘い、どこか冷たく突き放す。高貴な姫でもあり、村娘でもあり。孤高の存在でもあり、でも寂しげな…。勿論、絵のヒルダの表情も多彩に変わる。歌声も、どこまでも澄み切って、村人ではないけれど、手を止めて聞き入りたくなる。歌っている歌詞はとんでもないのだが…。よくぞ、ここまで声質が似た方を見つけたもんだ。
アイヌユーカラを基にした劇『チキサニの太陽』を基にした物語。アイヌの話ではヒットしないという、会社の判断で、漠然と北の国の話としたとのこと(『東映動画 長編アニメ大全集 上巻』より)。この話の素朴さ・人間賛歌はそこから来ているのか。良質な児童文学さながらの物語。
「世界を救う」的な中二病的な話が蔓延している今としたら、スケールは小さいのかもしれないが、自分の村=全世界的な認識の子どもの頃。そうでなくとも、今自分が生活している村を救えなくては世界なんか救えない。
「悪魔が力で村を潰すんじゃなくて、人々の心を操り破滅に誘う」というのも、物語の世界では温故知新だが、大抵のTVアニメや映画では、怪獣がやってきて潰すのが定番だったから、斬新な発想だった。
確かに、話のつなぎが唐突に見える部分はある。
静止画でも美しいが、アニメーションとして見たい場面もある。
特に、迷いの森は短すぎて、展開が安直に見えて惜しい。
『白蛇伝』以来毎年長編映画を作っていた東映が、TV等の煽りを受け、いったん中断した後に、持ち上がった企画。しかし、スケジュールの停滞、予算オーバーにより、中断の話も出た中、動画を静止画にとか時間の短縮等を余儀なくされて、でも完成にこぎつけたとか(Wikiより)。
もし、その頃の没になったセル画等が残っていて、ディレクターズカット版(監督が故人なので、当時携わっていらした方でよい)が作れたのなら、どんな作品になったのだろう。
興行作品には、常に付きまとう問題。
興行成績が振るわなかったとのこと。でも、それで作品の出来を貶めるには当たらない。
予告編を見たが、この映画の良さを伝えているとは思えない。
製作者たちは高校生等をターゲットに置いていたが、会社は小学生にターゲットを置いて販促したとか。いや、昭和期、子どもに見せる映画のチョイスは大人。大人がこの映画の価値をわかっていなかったんだと思う。
今でも根強いファンがいる映画(私だが)。
一生モノの、否、未来に伝えたいと思う映画に出会えた喜び。
そんな映画をありがとう。
若き天才達が青春を燃やした、アニメ史に燦然と輝く太陽。
太陽の剣を手にした少年ホルスが、仲間たちと共に悪魔グルンワルドに立ち向かう。
演出(監督)は、本作で長編映画監督デビューを果たしたアニメ界一の賢人、高畑勲。
原画を担当しているのは、当時は駆け出しのアニメーターだったアニメ界一の天才、宮崎駿。
1950〜60年代、長編アニメ映画を制作することが出来たのは大手アニメ制作会社の東映動画だけであり、1958年公開の『白蛇伝』を皮切りに1年に1本のペースで長編アニメ映画が制作されていた。
日本のアニメ=東映動画という時代が続いたが、そんな東映動画一強の時代に殴り込みをかけたのが、手塚治虫が1961年に立ち上げた「虫プロダクション」である。
虫プロは1963年に日本初の本格的な連続テレビアニメを作り上げた。ご存知『鉄腕アトム』である。
『アトム』の登場により、アニメのニーズは長編映画からテレビアニメへと移行する。
それに伴い、東映動画も長編映画よりもテレビアニメの制作に注力するようになる。
これまで年に1本というペースで作っていた長編映画だが、その制作体制をそろそろ見直さなくてはいけない…
そんな空気が社内に漂ってた1964年、ついに東映動画は長編映画の制作をしばらくの間中止すると決定する。
映画作りに燃えていたアニメーター達の落胆ぶりは想像に難くない。
しかし翌1965年、東映動画は長編映画の制作を再開することを決定。
企画部はある男を作画監督に任命する。
長編第1作の『白蛇伝』から原画を担当していた大塚康生である。
大塚は作画監督を引き受ける代わりに、ある男を演出として起用するように直訴した。
その男こそ、のちに日本アニメ界を動かす大賢人、高畑勲である。
こうして、高畑勲&大塚康生のコンビで映画の制作は動き出す。
スタッフとして、東映動画の天才達がこの2人のもとに集まることになる。
「アニメーションの神様」と称された天才、ベテランの森康二。
朝ドラ『なつぞら』の主人公のモデルとなった奥山玲子。
奥山玲子の夫であり、のちに任天堂で『スーパーマリオ』や『ゼルダの伝説』のイラストを担当することとなる小田部羊一。
女性アニメーターの草分け的存在の大田朱美。
そして、新人ながら天才的な才覚を発揮させていた、のちに高畑勲とアニメ界を動かすことになるレジェンド、宮崎駿である。
こうして集まった天才達は、連日連夜顔を付き合わせ、侃侃諤諤の議論を交えつつ作品を作り上げていった。
妥協を知らないことで知られる高畑勲の気質はこの頃から顕在で、1966年公開の予定だった映画の制作は遅れに遅れた。
予算と納期を守らない高畑勲と会社の間では激しいやりとりが行われ、制作中断の憂き目にもあいながら、なんとか作品は完成する。
ここまで会社の方針に逆らい、自分たちのやりたいことを貫いたのは、もうこの先アニメーターが自由に作品を作れる時代はやってこないだろう、という思いからだったらしい。
作品作りや労働組合の活動を通して、固い絆で結ばれた製作陣にとって、この作品は青春そのものだったようである。
宮崎駿は、高畑勲への弔辞で延々とこの『ホルス』制作時の思い出を語っている。
また、大塚康生の著書『作画汗まみれ』には『ホルス』制作時のエピソードが詳しく記されている。
長編アニメの世界で生きてきた、最後のアニメーター達の青春の煌めきこそがこの映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』なのである。
制作スタッフの意気込みとは裏腹に、本作は興行的には大ゴケしたらしい。
確かに、この作品はホルスの勇ましい大冒険を描くというよりも、ホルスやヒロインであるヒルダの苦しみや葛藤を描く作品となっており、正直子供が見たら退屈するんじゃないかと思う。
題材は壮大なのに、凄く地味…
世界を征服しようとしている悪魔グルンワルドさんの小物感は異常。村一つ攻め落とすのにも苦労するのに、絶対世界征服とか無理でしょこの人。
『太陽の王子』とあるが、別にホルスは王子じゃない。王国すら出てこない。
納期と予算の関係で泣く泣くこうなったらしいが、狼やネズミが村を襲う場面が止め絵だったのにはがっかり…😞
凄くレベルの高い作品だし、製作陣の覚悟もわかる!
しかし、肝心の作品は今一つ面白くないんだよ〜
まぁ、1960年代のアニメなんてほかに見たことないし、この作品が特別つまらないという訳では無いと思う。時代を考えれば奇跡のような作品なんだろう。
宮崎駿の『未来少年コナン』や、宮崎吾朗の『ゲド戦記』が本作の影響をもろに受けていることは明白!
ジブリファンは必見ですね!
なんかすごいことやってる
リバイバル上映で初見
この作品にまつわるエピソードは知ってましたが
観る機会がありませんでしたがここぞと観賞
記念に感想としては
半世紀前の作品と考えると色々
新しすぎた作品だったんだなという印象でした
ヒルダの多重人格的描写は当時の子供はおろか
大人も理解できたのかなと思ってしまいました
これほど作家性に振った作品をまんがまつりで
やったのはさすがに厳しかったのかなと思いつつ
再評価されるのもしかりと思いました
全てのアニメのお手本
高畑勲と宮崎駿タッグの貴重な名作だ。
冒頭のホルスが狼の群れに追われるシーンは特に秀逸で、物語に最初から引き込まれる力強さがある。
人物の動きが本当に活き活きしている。
68年製作だが、2006年に作られるゲド戦記の冒頭の狼に追われるシーンよりも優れていると感じる。
古臭い部分はもちろんあるが、善と悪の普遍的なテーマを詰め込んだ、その後の全てのアニメのお手本になる作品である。
久々にみた
コロナで自粛ムードの中、TSUTAYAで徘徊する事一時間。
結局、また観てみたいと言うだけで借りてしまった。
東映マンガ祭りのシリーズの筈だが、全編が動くアニメでなかった。
狼が村を襲うシーンで欲深い村長が反撃する村人のジャマになるシーンが静止した絵になってて、時間なかったのかな?とふと思ったが、他にも何ヵ所あったので当時は普通だったのかも。
ホルスはまさにヒーロー像を地でいく感じ。安易に騙されて、村人にも裏切られたりする。
ヒルダのアルカイックスマイルは市原悦子さんがよく似合っていると思う。村を襲う悪魔の妹と言う複雑な立場の切なさは今時のアニメキャラにも負けない雰囲気がある。アイヌ民族的な格好を見ると北国感も増す。
村人も個性的で短いストーリーの中に利己的な人間や協力的な人間が登場し、ホルスの立場、評判があっさり翻ったりする。
当時の子どもたちがどんな風に劇場で観たのか?実際の反応を見てみたい所だ。
物語は現代の感覚で見るとやはりベタな展開で懐古的に捉えがちだが、当時でもこの展開はスタンダードだったと思う。
汚れた大人になった私はホルスが下着を着けてない事が気になった。
アースジャイアントを見て巨人モーグを思い出した正月の夢・・・
小学生の頃、近所の子たちと一緒に東映まんがまつりを観に行った。多分、68年ではなく次の年に上映されたもので、子供一枚が50円だった記憶がある。その後、社会教育センターなどの無料上映会など、何度も鑑賞する機会に恵まれ、10代での鑑賞回数が10回を越えてしまったほどだ。なぜそれほど何度観ても飽きなかったのか?それは子供向けと思わせておいて、製作者側の理想社会主義的な思想が反映されていることもあり、観る度に新しい発見をしたからに他ならない。
ただ、今見てみると、台詞を覚えている自分に驚いたり、ジブリの原点と思われる箇所に興奮を覚えたりもするが、狼やネズミに村を襲われるパニック部分が静止画になっていることに愕然とする(動いてなかったのね・・・)。さらにヒルダの冷たい雰囲気に憧れていた少年時代とは違い、ルサンとピリアの結婚式風景に感動してしまう。
冒頭の設定なんてのは『未来少年コナン』とそっくりなので、やはりヒルダをラナちゃんと比べてしまう。悪魔グルンワルドの妹という設定だが、悪しき心を追い払うと人間になることが出来るなど、やはり魅力的なキャラなのだ。さらに細かな人物設定は丁寧に分けられていて、ここまでキャラにこだわりを見せるのも天才集団のなせる技だったのだろう。
まずは懐かしさいっぱい。ヒルダの友だちのリス・チロ(小原乃梨子)の台詞に泣かされてしまった・・・おいおい。
泣けないヒルダ
開催中の高畑勲展に誘われて鑑賞。かなりの数の資料が展示され、いかにしてこの映画が作られたかが叩き込まれた直後だけに、作品自体よりも、この作品の意義の方に目がいってしまう。森、小田部、奥山氏によるキャラクターデザインの数々。宮崎駿の数々の提案を示すメモや氏による大胆な構図のスケッチを見た上で鑑賞すると、終盤の活劇、展開などは宮崎氏の作風を想起させられた。誰の作風であるかは野暮かも知れぬ。後に巨匠と呼ばれる彼らが様々なアイデアを寄せあったことに想いが巡る。
村落における対立構図に迷う主人公ホルス。移ろいやすい世論と如何に個人として対峙するか。武器をとって戦う意味とは何かなどと、そのテーマ設定はかなり挑戦的である。そして子供向けアニメとしては挑戦的なキャラクター、ヒルダ。柔和、冷酷、恐怖、邪悪と実に細かく顔に出る。話全体のバランスとしては、少し突出しすぎた感すら残った。
高畑勲と宮崎駿の青春
ジブリの原点、高畑宮﨑の青春
演出(監督)
高畑勲
作画監督
大塚康生
原画
森康二
宮崎駿
大田朱美
小田部羊一
奥山玲子
とある。
2019年前期の朝ドラ「なつぞら」関連で故高畑勲がこんなにフィーチャーされるとは知らなかったが、ドラマを見ていてこの映画に相当する作品を知らずにいるのも気持ち悪いのでiTunesで見てみました。82分でほどよい長さ。作画は美しい。二度ほど、動画をあきらめて静止画で勝負していた部分もあったが、そういう部分も含めて傑作だと思う。
「なつぞら」ファンなら必見。もし子供時分に見た覚えがある人ならかならず再発見があると思う。
ジブリの原点があるように思う。単純だが運がいいヒーローホルス。
冒頭のオオカミたちとホルスの闘い、巨大岩男や氷漬けマンモスの登場、いまとなって見ればなんだかチープな悪魔の造形、悪魔の妹だというヒルダの複雑な感情、村長やヒルダを操ろうとするドラーゴやふくろう。←こいつらが一番たちが悪い。
話はそれほど複雑ではないが、もしこれが小学生向けならばやや退屈なのかもしれない。ヒルダの立ち位置が難しいからだ。ラスト、ヒルダが蘇ったのは悪魔が死んで魔力がとけたからだろう。
今見ると退屈。
いや、子供の頃みたときもあんまり面白くなかった。
高畑先生は作品を作ろうとしすぎたね。戦闘シーンをもっと入れて子どものころの俺が喜ぶ映画w作って欲しかった。
奥から手前にくる人物をパンで捉える演出がよく生きている。とくにアクションシーンで。これは既に宮崎駿の演出が入っているんじゃなかろうか?銀色狼が剣で斬られるショットなんか才能を感じるな。
めっちゃ面白い
半世紀前のアニメとは思えない大迫力の演出とスピーディーナストーリー展開。憂いを帯びたヒロインの眼差しが見つめる先はこの物語の本質であり、私たちの心の中のような気がしました。
少し気になったのは、敵のデザイン。
高畑勲と宮崎駿の初タッグ!一見の価値はある正統派の青少年向けアニメーション
岩の巨人の肩に刺さった剣を抜き、“いずれ太陽の王子になる”と告げられた少年ホルス。父の死後旅立ち、悪魔グルンワルトとの戦いの中で、謎めいた少女ヒルダと出会う…。
巨匠・高畑勲の長編アニメ初監督作。1968年の作品。
作画監督に大塚康生、スタッフの一人に宮崎駿。
高畑と宮崎が初めてタッグを組んだ作品でもある。
冒頭、斧で狼の群れと戦うホルス。
作画のレベルやダイナミックで滑らかな動きは、同時代のTVアニメの比ではない。
完成に3年の歳月を費やしたという後の巨匠たちのこだわりが感じられる。
旅立ち、冒険、成長、出会い、戦い…見せ場をソツなく織り込んでいるが、やはり一番の魅力はヒルダだろう。
人々を魅了する美しい歌声の美少女。
しかし何処か孤独で孤高で人を寄せ付けない。
ヒルダにはある秘密が。
それ故、葛藤し続ける…。
今ならクールビューティーと言うか、萌えポイント。
彼女の葛藤の姿が、そのままドラマの重みでもある。
一応ホルスが主人公だが、ヒルダが登場すると場をさらってしまう。
“大冒険”と言ってる割に、メインの舞台は小さな村でスケールに乏しい。
ちと展開が早い。
粗い点もあるが、正統派の青少年向けアニメ映画として上々。
一見の価値はアリ!
けっこうエキサイティングだった
アイヌの村みたいなところが舞台で、熊が話したり斧で悪魔と闘ったりするようなファンタジックな話だった。
悪魔は悪魔として迷いがなく、人々を混乱させたり不幸を願っている。気の毒なのは悪魔の妹で、彼女は孤独を抱え、村の子供をかわいがっているのだが、悪魔的な活動を使命として、精神を引き裂かれそうになっていた。
主人公のホルスは一切の迷いがなくピュアに悪魔と対立している。こうして思うと、迷いがなによりつらいのかなと思った。
クライマックスはでっかい岩の化け物が氷の巨大マンモスと闘ったりと、非常にエキサイティングだった。歌や踊りの場面がたくさんあって、楽しかった。
子供に見せたい。
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