劇場公開日 1968年7月21日

「高畑勲と宮崎駿の初タッグ!一見の価値はある正統派の青少年向けアニメーション」太陽の王子 ホルスの大冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5高畑勲と宮崎駿の初タッグ!一見の価値はある正統派の青少年向けアニメーション

2014年6月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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岩の巨人の肩に刺さった剣を抜き、“いずれ太陽の王子になる”と告げられた少年ホルス。父の死後旅立ち、悪魔グルンワルトとの戦いの中で、謎めいた少女ヒルダと出会う…。

巨匠・高畑勲の長編アニメ初監督作。1968年の作品。
作画監督に大塚康生、スタッフの一人に宮崎駿。
高畑と宮崎が初めてタッグを組んだ作品でもある。

冒頭、斧で狼の群れと戦うホルス。
作画のレベルやダイナミックで滑らかな動きは、同時代のTVアニメの比ではない。
完成に3年の歳月を費やしたという後の巨匠たちのこだわりが感じられる。

旅立ち、冒険、成長、出会い、戦い…見せ場をソツなく織り込んでいるが、やはり一番の魅力はヒルダだろう。

人々を魅了する美しい歌声の美少女。
しかし何処か孤独で孤高で人を寄せ付けない。
ヒルダにはある秘密が。
それ故、葛藤し続ける…。
今ならクールビューティーと言うか、萌えポイント。
彼女の葛藤の姿が、そのままドラマの重みでもある。

一応ホルスが主人公だが、ヒルダが登場すると場をさらってしまう。
“大冒険”と言ってる割に、メインの舞台は小さな村でスケールに乏しい。
ちと展開が早い。

粗い点もあるが、正統派の青少年向けアニメ映画として上々。
一見の価値はアリ!

近大