大誘拐 RAINBOW KIDSのレビュー・感想・評価
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「それはおかしいのでは」と突っ込もうと思ったら
岡本喜八 生誕百周年記念プロジェクト - その12 しんゆり映画祭 - その6 若いチンピラ3人に誘拐された山林王のおばあちゃんがいつしか誘拐犯の上に立ち、自身の誘拐事件を振り回し始めるというお話。コメディだから「そんなバカな」と言う展開もあるが、「それにしても、そこはおかしいんじゃない?」と突っ込もうと思ってたら、「な~るほど、そう来るのか」とまんまと裏をかかれた。岡本監督の軽快な展開だからこそ生きるバカバカしさと戦争への怒り。 上映後の春日太一さんのお話は、本作を日本映画史と岡本喜八個人史の繋がりの中で論じられ非常に分かり易く、安定の面白さとお得感。
名監督・岡本喜八も、私には合わないのかも
誘拐された大地主の老女が、誘拐犯を手玉にとって警察を翻弄する物語。 岡本喜八が脚本・監督を務めるコメディタッチのサスペンス。 主役の北林谷栄を始め、緒形拳、竜雷太など、脇役も実力派が揃いました。ただ、映画としては、正直面白くありません。 コメディとしては突き抜けておらず、笑えません。 サスペンスとしては、現実的でなさ過ぎて面白みも緊迫感を感じません。 岡本監督作品なら「EAST MEETS WEST」もそうでしたが、コメディの部分が私とは合わないのかもしれません。 私的評価は厳しめです。
獅子の風格と狐の抜け目なさとパンダの親しさ‼️
この作品はわが敬愛する岡本喜八監督の愛すべき犯罪映画の傑作‼️健次、正義、平太からなる三人の若者に誘拐された大富豪のおばあちゃんが、いつの間にか誘拐犯のリーダーとなり、家族に100億円の身代金を要求。おばあちゃんを恩人と慕う警部率いる警察と頭脳戦を繰り広げる・・・。もうホントに全編がおばあちゃん役、北林谷榮さんの天真爛漫さ、そして何よりも優しさとほのぼのとした空気感に満ち溢れている‼️誘拐犯が使っている旧アジトや車を見抜いて犯人たちを仰天させたり、犯人グループのチーム名「虹の童子」を命名したり、身代金の少なさに激怒したり、家族とのテレビ対面をセッティングしたり、ヘリによる身代金のコースを考察したりする‼️そんな北林谷榮さんの名演を受けての岡本喜八監督の作劇もホントに神様レベル‼️元女中くーちゃん役樹木希林さんの怪人ぶり、そのくーちゃんの女友達と正義が親しくなったり、三人組の犯人がおばあちゃんにいつの間にかてなづけられていたり、おばあちゃんの策略に翻弄される緒形拳さんの警部のユーモラスな持ち味、北林さんと緒方さんの対面を手持ちカメラで捉えたラストは二人の名演もあってヒジョーに見ごたえがあります‼️細かいカット割りで、ハリウッドの娯楽大作並みのテンポの良さを生み出す岡本喜八監督の演出‼️黒澤映画や市川崑さんの映画に匹敵する‼️天本英世さんをはじめとする往年の岡本喜八映画の常連さん達の活躍‼️涙出てきます‼️黒澤明監督の「用心棒」や岡本喜八監督の「独立愚連隊」などの軽快な音楽の印象が強い佐藤優さんの情感豊かな作曲‼️素晴らしいです‼️そしてこの素晴らしい犯罪コメディの根底に流れているのは、岡本喜八監督ならではの反骨のメッセージ‼️これまでも「江分利満氏の優雅な生活」や「肉弾」などの名作で、戦中派の心情を巧みに描いてきた岡本喜八監督だけに今回も、おばあちゃんは戦争で3人の子供を失っており、それなのにお国は自分に何をしてくれたのだろうか?というテーマを掲げていて心に沁みる‼️この作品はおばあちゃんが、三人の誘拐犯の力を借りて仕掛ける、お国への壮大なしっぺ返しなのです‼️しかし岡本喜八監督の凄いところは、悪い言葉で言えば復讐劇となってしまうところを、おばあちゃんのメルヘンとして描き、観る者全てに笑いと悲しみ、問題提起、そして明日を生きる希望を与えてくれる事‼️ホントに必見の名作‼️一食くらいメシ抜いてでも観ましょう‼️
凝った数字と、清々しい結末
健次ら小悪党三人は、紀州の大資産家柳川とし子刀自を身代金目的に誘拐。要求額が五千万円と知った刀自は、三人に百億円にしろと言う。刀自が恩人でもある和歌山県警井狩本部長が、自ら捜査の前線に。一方、レインボウキッズと名付けられた三人は、すっかり刀自のペースにはまり。 なかなか凝った数字のトリックがあったり、結末の清々しさといい、結構楽しめました。 刀自を演じる北林谷栄は、あぁ「トトロ」のカンタのばあちゃんか。最後の穏やかな顔の緒形拳が良い。嶋田久作は、2年前の魔人加藤から想像もつかない役でした。
誘拐された大富豪の女性の落ち着きぶりがおもしろい。 100億円の現...
誘拐された大富豪の女性の落ち着きぶりがおもしろい。 100億円の現金を1機のヘリコプターで運搬可能なのか、そして個人レベルで隠し通せるのかという疑問はあるが、誘拐犯を含めて悪人が一人も出てこないという点は評価できる。 それにしても33年前の作品だけあって、俳優が皆若い。
老いては子〈を〉従え
懐かしの邦画。 最新のSFよりもワクワク度は高い。 夢物語のFuture Storyなんかよりも、実は世界は過去を覗くほうが幾倍も面白いのだということを教えてくれる。 誘拐映画といえば「ハイネケン」を観たことがあるのだが、いかんせん犯人が弱すぎて魅力欠如。 誘拐されたハイネケン氏本人も存在感を描き切れておらず、人物像がお粗末でつまらなかったので、今回はこれ、岡本喜八の「大誘拐」をチョイス。 紀州の大金持ちのおばあさん相手だ。 ・・・・・・・・・・・・・ 世の老人たちは快哉を叫ぶのではないだろうか 《オレオレ詐欺に引っかかったふりをして親不孝な息子・娘に金を遺さずに犯人に「わざと」お金をくれてやる老母老父》は、世の中には必ず一定数存在するはずなのだ。 僕はそう見ている。 警察や当の息子から叱責され罵倒されてもペロッと舌を出す。 「虎の子のタンス預金を子供や気の合わない嫁なんかに渡すよりも見ず知らずの誰かに盗られてしまったほうがなんぼかスーっとするワ」と考える年寄り。絶対にこれ、いるはずなんですよ(笑) ・・・・・・・・・・・・・ ところがこの映画、 身代金の準備で右往左往する息子たち娘たちを翻弄する前段の愉快さが、その終盤=事件の結末では静かに(こちらの予想を裏切って)ストーリーの方向を変える。 この映画はただの喜劇ではなかった 座敷の鴨居にかかる白黒写真に注がれる老人の眼差しから、これは上っ面の犯罪コメディなどではなかったのだと知り、僕はハッとなった アイイチロウ・・ シズエ・・ サダヨシ・・。 お国の起こした戦争のおかげで肉親3名を亡くした刀自(とじ=老婦人)の元に、ある日若者が3人訪ねてくる。 「えっ?もしや!」と思い、DVDを巻き戻してみるとやはりそれは「8月15日」のことだった。 遺影が映る。何度か映る。 子らを奪った戦争。戦争を起こしたお国への静かなる怒りを込めて、間もなく人生を終えようとしていたひとりの女の、 これは消えない熾き火の反逆だったのですね。 あの世へ持って行けるものと、この世に残していくもの。そして対決すべき相手への怨嗟は年老いても生涯忘れないこと。 それらを見極めて、自らの終活をプロデュースするこの柳川とし子の女の一生を感じた鑑賞でした。 前半は 「老いては子〈を〉従え」とばかりに家長として君臨をし大いに笑わせてくれたが、 国家に対しても彼女は自分自身をば決して明け渡さない気概を持つ。 “人生の主人公” 柳川とし子は あっぱれ、紀州の女豪傑。 孫世代をになう若い犯人たちにかける思いと言葉は本当に温かでした。 そういえば神山繁はじめ四人の子たちもどれほどかとし子に大切に育てられたのでしょう、みんな呆れるほどすなおに育っていましたし。 ・・・・・・・・・・・・・ 岡本喜八は 「日本のいちばん長い日」('67)と 「激動の昭和史 沖縄決戦」('71)を撮った監督。 本作「大誘拐」(1991)でも67歳の岡本は、戦死者の存在とアメリカの原子力空母を登場させていました。監督は本作でも彼のライフワークを貫いていたのですね。
引っ越し最終話 今日の目で見ても十分面白い作品。リメイクやハリウッド資本バージョンも観てみたいです。
とりあえず引っ越し完了です。 重複アカウントを消してしまいたいけれど、IDもパスワードも忘れてるっぽいんですね。 しかも、こちらのアカウントをログアウトすると、再度ログインできるのかどうかも危うくて。 なので、もう一個のアカウントは放置プレイすることにしました。 どんくさいぞ自分。 いやぁ、助演男優さんが一世を風靡したトレンディ俳優の風間トオルさんじゃないですか。 懐かしいなぁ。この華やかなりしバブルの思い出のフラッシュバックだけで☆0.5加算です。 できれば一味が憎めないお人よしではない方がよかったかな。 根っからの悪党という設定で、おばあちゃんとの交流で改心していく様も描けていれば、もっと面白くなったのではないかなと。ド素人目にはそう映りました。 狡猾で飄々としたおばあちゃんの“お芝居”がかなり痛快で面白かったです。 おばあちゃん役の方のお名前を知らず、調べてみると「日本一のおばあちゃん女優」とありました。 北林谷栄さんとおっしゃる方だったのですね。 「日本一のおばあちゃん女優」まさにその通りではないかと思いました。←そんなに映画に詳しくないド素人の目線…( ̄▽ ̄;) この映画のリメイクやハリウッド資本バージョンも観てみたいです。 (ハリウッドは言い過ぎ?) 今日の目で見ても、十分通用するのではないかと思うのですが。
古き良き昔の日本だなぁ
刀自は品があるし、芯がしっかりしていて懐も深くて、どんどん人間味に惹かれていく。 誘拐犯も東京も本部長もみんな愛されキャラで、途中どころか初めから刀自のペースに知らず知らずに乗せられているんだけど、それもそれで思わず笑みが溢れてくるし、とても面白い映画だった。 手打ちが面白いよね。みんな、真顔でやるんだもの。 なんていうのかなぁ。昔の日本は余裕があったんだなぁ。
今日の目で見ても十分面白い作品。リメイクやハリウッド資本バージョンも観てみたいです。
いやぁ、助演男優さんが一世を風靡したトレンディ俳優の風間トオルさんじゃないですか。 懐かしいなぁ。この華やかなりしバブルの思い出のフラッシュバックだけで☆0.5加算です。 できれば一味が憎めないお人よしではない方がよかったかな。 根っからの悪党という設定で、おばあちゃんとの交流で改心していく様も描けていれば、もっと面白くなったのではないかなと。ド素人目にはそう映りました。 狡猾で飄々としたおばあちゃんの“お芝居”がかなり痛快で面白かったです。 おばあちゃん役の方のお名前を知らず、調べてみると「日本一のおばあちゃん女優」とありました。 まさにその通りではないかと思い増した。←そんなに映画に詳しくないド素人の目線んんん…( ̄▽ ̄;) この映画のリメイクやハリウッド資本バージョンも観てみたいです。 (ハリウッドは言い過ぎ?) 今日の目で見ても、十分通用するのではないかと思うのですが。
色々な意味でも楽しめた
むかーし観たような観てないような…? 古い映画を改めて観るのもまた楽しい。 この作品には今も活躍されている俳優さんがいっぱい! 若いお姿、変わらないお姿に感動したり。 緒形拳さん樹木希林さんにも久々に会えた! そしておばあちゃん!この声は!! そう!トトロのおばあちゃんの声だ! トトロを何度も何度もみてはあのおばあちゃんの声に魅かれて本当に素敵で… あぁやっとお姿を見られて嬉し過ぎる! そんなこんなで色んな楽しみ方ができました。感謝。
これでいいのだ
カット割りのリズムの気持ちよさ。 善人しかいないファンタジー。 つじつまが合っていくストーリー。 字幕の気持ちよさ。 心地よいおばあちゃんの声(やっぱりトトロのおばあちゃん!) そして碇の名字を発見。 娯楽映画堪能しました。
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