太平洋奇跡の作戦 キスカ

劇場公開日:

解説

「勇者のみ」の須崎勝弥がオリジナル・シナリオを執筆、「現代紳士野郎」の丸山誠治が監督した戦争もの。撮影は「団地・七つの大罪」の西垣六郎。特技監督は「宇宙大怪獣 ドゴラ」の円谷英二。

1965年製作/104分/日本
原題または英題:The Retreat from Kiska
配給:東宝
劇場公開日:1965年6月19日

ストーリー

昭和十八年五月二十九日北太平洋アリューシャン列島のアッツ島玉砕に続き、それより一二〇浬離れた孤島キスカ玉砕は時間の問題とされていた。大本営海軍部の司令長官川島中将は、五千二百の守備隊見殺し説の強い中で、キスカを救えとくい下り、この作戦に大村海軍少将を指命した。この日からキスカ島無血撤退の準備は進められた。時しもキスカ島は、米太平洋艦隊の厳重な封鎖にあい、食料弾薬の欠乏の前に、守備隊の運命は風前の灯であった。撤退作戦は、十数隻の軽巡洋艦及び、駆逐艦を使って、北太平洋特有の濃霧に隠れ、隠密裡にキスカ島に到着、一挙に守備隊収容撤退を企る手しかなかった。一切の運命を霧に託すこの作戦は、極めて冒険であり、救援隊全滅の公算大であった。国友大佐を潜水艦でキスカ島に送りこんだ大村艦隊は、七月七日、キスカ島突入の態勢に入ったが、霧が晴れたためやむなく反転帰投を余儀なくされた。再び濃霧を見込んで七月二十二日、キスカ島へ向った。だが濃霧は味方に不利に動いた。旗艦阿武隈の三重衝突で、艦船に優を負ったのだ。だが敵をふりきった阿武隈は一路キスカに向った。戦況は悪化し、救援隊のキスカ島入港時間は判らず、守備隊は、毎日日没後約二時間の間、海岸に集結し待機するという方法をとった。七月二十九日、救援隊は、常識に反して、岩礁の多い難所を廻り、島影を利用して、ネスカ湾口の探照灯に導かれ米軍の封鎖網を見事くぐりぬけた。かくして旗艦阿武隈、木曽は、米軍の目をかくれて、無血救援を完成したのだった。その後、米軍は熾烈な砲弾戦を続けたのち、無人と化したキスカ島を確認したのであった。

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映画レビュー

4.5こんなことがあったなんて知らなかったし、こんな映画が存在していたことも知らなかった

2024年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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peke

4.0戦争映画なのだが…。

2024年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

〈映画のことば〉 「礼は、後で、まとめて言う。 だが、それは、キスカの5,200名を無事に連れ帰ってからだ。」 米軍が制海権を握っているキスカ島からの撤退作戦。それ故、万が一にも会敵すれば壊滅的な被害を受けることは確実な情勢。 しかも、作戦目的は将兵の撤退という最初から戦果ゼロがわかっているうえに、資源(兵力、燃料)も限られている―。 そんな作戦でも、その意義を衷心から理解してベストを尽くす大村少将の姿には感動を覚えます。 こういう困難な作戦であるからこそ、川島中将にわざわざ抜擢されたという付託に応(こた)えて、その使命を見事に果たしたい。 そう思うのは、おそらく大村少将や評論子だけではないことでしょう。 もともとが、戦争という始めなければ良かった題材ではあるのですけれども。 評論子にとっては、気持ちがくじけそうなとき、勇気を与えてくれる作品として、秀作としての評に値する一本です。 (追記) 〈映画のことば〉 「帰ろう。帰れば、また来ることができる。」 〈映画のことば〉 「(後続艦が)迷子になったのは、いつ頃だ。」 「まだ、そんなに経っていません」 「(艦砲を)一発ぶつ放してみるか。」 「やめて下さい。敵に砲声を聞かれる心配があります。」 「あちらさんには、レーダーがある。(砲声を)聞かれるくらいなら、とっくに見つかっているよ。」 〈映画のことば〉 (味方艦同士が)衝突するくらいだから、霧は満点だ。 ぶつぶつ言ったら、バチが当たる。 〈映画のことば〉 「両舷停止」 「えっ、止まるんですか。」 「島の西側に回ろうかと思うんだ。」 「むちゃです。水路の研究がまったくできていない。それに、この辺は浅瀬が続きます。」 「いや。潜望鏡片手に乗り切った男がいるんだ。伊七号潜水艦の艦長だよ。」 「しかし、(潜水艦ならいざ知らず)隊伍を組んだ艦隊が…。自滅しに行くようなものです。西側に回れば、水路の危険には確実にぶつかります。しかし、東側に回っても敵にはぶつからないかも知れません。」 「島の兵隊たちには、もう一日だけ待ってもらう。艦隊は西側に回る。」 困難な中でも、大村少将の肝の座った、部下の度肝を抜くような決断には、胸のすくような思いもします。 困難な状況の中で。 評論子が「勇気をもらえる」という所以(ゆえん)でもあります。

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talkie

3.5面白い日本製戦争映画

2022年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

昔、劇場の二本立ての一本で、メインは「赤ひげ」だったような気がするが、自信なし。 連合軍に取り囲まれた、アリューシャン列島のキスカ島に駐留する日本兵約5200人を救出する話。 日本の戦争映画は悲劇的なものが多い中で、玉砕を避けるための作戦があったことがちょっと誇らしい。

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いやよセブン

5.0特撮ファン、戦争映画ファンどちらにもオススメできる傑作です!

2020年8月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

特撮はもちろん円谷英二 公開は1965年6月19日です 三大怪獣地球最大の決戦 1964年12月20日公開 フランケンシュタイン対地底怪獣 1965年8月8日公開 本作はこの二つの怪獣映画に挟まれて製作されたました つまり本作は怪獣映画のピークに達した時に製作された作品であると言うことです さらに言えば怪獣映画だけでなく東宝特撮が世界の特撮界の最先端を誇っていた時期だということです 但し本作は白黒作品です 本編監督の丸山誠治監督の出来る限りドキュメンタリータッチにしたいと言う意図でそうなったのかも知れません 公開日が6月の梅雨時だということは一番客入りが低調な時期ですから予算を掛けられない 単に、それだけのことであったのかも知れません しかし、本作の舞台がアリューシャン列島のキスカ島という夏でも極寒の荒涼した島です 火山灰が降り積もったとおぼしき黒い岩と砂、そして雪という白黒の世界 空は暗く、白い濃霧が立ち込め、海もまたそれを写して鉛色です そして救出に向かう艦隊もまた灰色の軍艦色 何もかも無彩色の世界なのです だからこそ、本編監督が演出の一環として白黒撮影を選択したのだと思います それは大成功していると思います いずれにしても特撮班からすればどちらでも同じです ミニチュアセットや飛行機の繰演、爆発シーン やることは同じです しかし、最高潮に達していた円谷英二の特撮班はこの白黒撮影を活かしてよりリアリティのある特撮映像をものにしています 艦隊根拠地の泊地に停泊する多数の艦艇シーンのリアリティ! 正に実写のような軍艦の巨大さ、鋼鉄の質感を表現出来ています 1/ 700スケールのウォーターラインシリーズという、軍艦の喫水線から上だけの精密なプラモデルを幾つも作ったことある男の子なら、おおおおっ!となることは間違い無しです 島の西側の未知の水道を迂回するクライマックスは手に汗握るシーンでした そして近づいてくる軍艦の発する地響きのような重低音の機関音に気づいて哨所の兵が島の直ぐ脇をかすめるように進む軍艦をあっけにとられて眺めるシーンの軍艦の巨大さの表現は素晴らしいものでした 本編監督の出来るだけ実際に忠実に撮影するという方針は、特撮パートでも徹底されており爆撃機や戦闘機の交渉もしっかり成されています ただイ号潜水艦を攻撃する航空機の映像は多作品からの流用であるため英軍のマーキングであるのはもったいないことですが、一瞬のことです 日本の特撮は怪獣映画やSFものスーパーヒーローものがまずイメージされます しかし、本来戦争映画から日本の特撮は出発したのです こちらの戦争映画の特撮の方が本流と言うべきなのだと思います 低予算でよくこれだけのクオリティを成し遂げた当時の特撮の技量の高さを是非堪能して頂きたいと思います 本編のドラマも大変出来がよく、オジサン俳優総出演というべき重厚さです 特撮ファン、戦争映画ファンどちらにもオススメできる傑作です! 本作は戦争映画だから、戦争を賛美している? 馬鹿言っちゃいけない 本作は反戦映画であると真面目に断言します 兵もまた人間です 同胞の命を大事に扱えないような軍隊は負けて当然なのです それをなんとか一例だけでもやり遂げた そのヒューマニティの精神を賞賛することが本作のテーマなのですから 最初のキスカ島突入時、霧が晴れ始めて突入を迷うシーン 艦隊の各艦と参謀より口々に突入の意見具申が上がるなか、司令官は断腸の思いで断固反転を命令します これは宇宙戦艦ヤマトでの冥王星会戦での沖田提督と古代艦長との名シーンの元ネタになっていると思われます

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あき240

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