大病人のレビュー・感想・評価
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見事だった最後の般若心経の演奏
三國連太郎扮する俳優兼監督向井武平は病床にいて傍らには高瀬春奈扮する愛人神島彩がいたが、彩も癌と診断されていたという内容で撮影が進んでいた。しかし向井監督は本当に癌を患っていた。
昔のブラックコメディだね。 昔だから今と違ってすぐ告知せず胃潰瘍と言ってたからね。でも考えてみれば、本人が自分の病気を知らずに亡くなるなんてのは悲劇だな。最後の般若心経の演奏は見事だったね。
同じ人間
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夫婦共にガンになる映画の監督&主演をしていた三国がガンにかかる。
入院するが、本人には告知されずに胃潰瘍とされる。
しかしいつまでたっても退院出来ない事もあり、ガンを疑い始め、
別の患者から聞いた点滴の色からの判断で半分確信に到る。
元々浮気性で目茶苦茶な三国ではあったが、
この辺りから弱さが表に出始め、浮気相手を病院に呼んだのがバレたり、
親戚を装って電話をかけて本当の病状を聞こうとしたのがバレたりする。
さすがの主治医も、芸術家気取りの割に往生際が悪いと怒る。
そしてつい強く言い過ぎてしまい、三国に逆切れで殴られる。
三国は殺してしまったと勘違いして自殺未遂をする。
この辺りからお互い本音で付き合うようになり、ガンも告知される。
三国はどうせ死ぬのなら、と冒頭の映画の撮影を再開する。
そして主治医や夫人とも良い関係となり、皆に看取られて死亡。
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ここのところ何作か続けて見たが、伊丹監督の映画っておもしろいなあ。
三国がハチャメチャ過ぎるが、結局それは弱さの裏返しで、
死を前にすると結局は一人の人間なんだなあと感じた。
いけないと思いながらもついつい患者に感情移入してしまい、
時々回診に来るだけの医者にはわからない辛さを抱える看護婦も、
大変な職業だなあと改めて感じた。
それから、三国連太郎はこの時代からすでにお爺ちゃんだった(場)
構図が美しい
題名で「重い映画」と判るが、笑える所が少しあって良かった
【伊丹十三監督、第7作。誰もが避けえぬ”死”をテーマに、現代邦画を牽引する山崎貴に臨死体験シーンを作らせた作品】
”死”と”性”という相反する(が、連関する)重いテーマをコミカル要素をふんだんに盛り込み、エンターテインメント作品として世に出した伊丹監督、後期の作品。
伊丹監督の”性”といえば「お葬式」からの常連、高瀬春奈さんの肉感的な色気は欠かせない。
大病人”武平”を演じた三國連太郎と”そんなことやったら、腹上死しちゃうよ”と思ってしまった場面など、ドキドキしながら観てしまったなあ(赤面)
今作では、現代でも話題になっている”自宅で死を迎えるために”に必要な条件も表している。
1.闘病生活を支える周囲の介護力
2.病人が居住する場所の確保
3.家に往診してくれる医者の存在・・・
これ、2019年の現在でも3条件を満たすのは難しいでしょう・・。
そして、若き山崎貴が描いた臨死体験シーン・・・。(当時はCISシステム ”Composite Image Systems"と呼ばれていた)
年上の方に対して甚だ失礼な物言いかもしれないが ”あれから25年、邦画VFXの先駆者として、頑張ってきたのですね” というのが率直な感想である。(が、今や大御所ですよね。お許し願いたい)
<1993年5月30日 劇場にて鑑賞>
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