東洋の怪物 大怪獣バランのレビュー・感想・評価
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本作にはその後の怪獣特撮シリーズの方向性を形作ったポイントが多い その意味で重要性がある
東宝特撮シリーズとしては番外編
アメリカのテレビ局向けのものを劇場公開したに過ぎないからだ
要は小難しい大人向けの特撮ものより、怪獣がでて大暴れする映画を早く出せという声がそれほど強かったということだ
内容としてはゴジラの劣化リメイクと言ってよい
原水爆実験という誕生の曰わくのテーマ性は跡形もなく消えて、退治方法もオキジェンデストロイヤーと言うような禁じられた兵器を使用するジレンマというような小難しいことを排している
ただ、それによって怪獣ものフォーマットは創作の自由度が大幅に高まったのは確かだ
本作にはその後の怪獣特撮シリーズの方向性を形作ったポイントが多い
その意味で重要性がある
秘境での原住民の伝説と怪獣のドッキングはキングコングからの由来であるが、モスラに継承される原形となっている
子どもの登場は今後の方向性にも大きな影響を及ぼすもので特に重要だ
特撮のレベルは流石だし、脚本もさほど酷くもない
ただ二番煎じすぎて見ていて退屈になるのは否めない
荒ぶる太古の神、現代文明と対決す。
DVDで鑑賞。
ムササビ怪獣バランのデビュー作。
バランは東宝三大怪獣―ゴジラ、ラドン、モスラほど知名度の高くない怪獣で、他作品への再登場も殆ど無く…。今のところバランの大暴れを堪能出来るのは本作のみです。
元々アメリカへの輸出用に製作されていたためか、日本独自のカラーに彩られた土着的な怪獣映画となっていました。
冒頭の文明から取り残されたような集落から、文明繁栄の象徴である空港へと場面が展開していくのが秀逸でした。
バランが暴れるのは、自分の住んでいた世界とはまるで違う場所に戸惑い、怯えているからのように思えました。
バランは、文明の発展によって失われようとしている日本本来の美しい風景の象徴なのかもしれないなぁ、と…
バランが醸し出すそこはかとない悲壮感が、なんとも言えない独特の雰囲気をつくり出しているように感じました。
※追記(2020/02/22)
フィルム上映と云う貴重な機会。しかしプリントの状態が良くなく、ところどころ音飛びやシーンの欠落がありました。それがフィルムの醍醐味とも言えるので全然OK!
「狭霧の國」上映後のトークショーでバランの造形を担当していた村瀬さんが、バランのトゲはビニールホースを加工したもの、表皮には落花生の殻を使用している、と云った裏話を披露してくれたので、そこに注目して鑑賞しました。
※以降の鑑賞記録
2019/06/02:DVD
2020/02/22:超大怪獣大特撮大全集2020 PART.1―2月
2022/10/26:Amazon Prime Video(東宝名画座)
※修正(2022/10/26)
大怪獣バラン
岩手県のこの地方は今でも日本のチベットといえる地域です。龍泉洞と安家洞という2つの巨大な洞窟があり、又、遠野には、おしらさま、や座敷童、などの古い言い伝えがあります。アメリカで最初けられたそうですが馬鹿なアメ公達にはそのような日本の高度な文化が理解できなかったというだけのことだったのではないですか。バラ神様がすんでいた湖は私見では早池峰山ろくの岩洞湖あたりではないかと推測されます。ひょっとすると、3.11はバラ神様のたたりなのかもしれません。羽田沖では死なず岩手にもっどたのかもしれません。次は、いつ、どこで、たたりがあるのでしょうね・・・。
怪獣界の一発屋、バラン!でも、覚えてる人はちゃんと覚えてるよ!
1958年制作の東宝特撮怪獣映画。
後に多くの怪獣映画の脚本を手掛ける関沢新一初の怪獣映画である。
ムササビのような姿をしたバラン。
陸・海・空を蹂躙し、ゴジラとラドンを合わせたような存在。
ゴジラ、ラドンに次ぐ人気怪獣に…と思いきや、結局これ一本だけ。いわゆる一発屋。
この後「モスラ」が作られ、完全に霞んでしまった。
東宝怪獣集結の「怪獣総進撃」に出演するも、鳴き声も無くワンシーンだけ。つくづく不運な怪獣である。
さて、映画の方はなかなかムード満点である。
外界から切り離された山奥の村、荒ぶる神として怖れられる怪獣。
まだ日本の何処かに怪獣が存在する…という神秘性に溢れている。
前半はそんなムード漂う中、遂にバラン出現、猛威を奮う。
そして飛翔、文明の地・東京に姿を現す。
洋上でのバラン対海上自衛隊は、特撮と記録映像が巧みに合成され、円谷英二の手腕が冴える。
山奥では脅威の存在だったバランも文明社会では居場所は無く、最期は人類に退治される。
…と、怪獣映画のセオリーをきちんと守り、一本の怪獣映画として無難に楽しめる。
その存在も記憶も完全に忘却の彼方だが、覚えている人だってちゃんと居る!
知る人ぞ知る怪獣映画!
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