その男、凶暴につきのレビュー・感想・評価
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久々の再鑑賞。
当然の事ながら、皆さん、お若いですよね。
そして細い(笑)
粗はありますし、時代を感じますが、それでも面白いのは、脚本に加えて、ビートたけしさんの演技に依るところが大きいですよね。
初監督にして主演作ですし、急遽決まった事もあって、今観ると未熟な点も無いわけでは無いですが、感情を読ませない演技は秀逸ですね。
そのせいもあって、次にどのような行動を取るのか予測出来ないため、緊張感が有り、不安を煽っているように思います。
監督としての北野武さんは素晴らしい才能の持ち主だと思いますし、お笑い芸人としてのビートたけしさんもそのセンスを含めて好きですが、演者としてのビートたけしさんもまた佳いですね。
他の作品も観返してみたくなりましたし、TVドラマなど未視聴の物もあるので、こちらも観てみようと思います。
カッコいい
ご存知北野武監督デビュー作で傑作としか言いようがないです。
たけし演じる我妻刑事が未成年であることを利用しホームレスをなぶり殺しにした少年達に天誅を下す冒頭から痺れまくる展開が続きます。
本当の〇〇ちゃんは良い子なんです(両親)的な、人の性善説などお構い無しにお前らが何をしたのか、を根拠に信じる道をラストまでひたすら突っ走るビートさん笑
当初の監督だった深作欣二と意見の相違で自らがメガホンを取ることになったと言われてますが結果的に大正解でしたね。
金獅子賞を取ったハナビも北野ブルーもなんだかなあ、と思いますがこの作品が唯一無二の北野武監督の最高傑作であるのは間違いありません。
傑作中の傑作です! 30年が過ぎ去っても未だに革新さは失われてはいません
異常な緊張感が全編を支配しています
無駄が一切ありません
説明シーン、セリフ、演技
過剰なものが可能な限り削ぎ落とされています
それが緊張感を生み出していると思います
もともとは深作欣二の監督で製作を予定されていたとのこと
それを深作監督が受けなかった為に、話題性で急遽、主演のビートたけしが監督することになったといいます
もし深作欣二監督が本作を撮っていたとしたらどうなっていただろう
同じ脚本でも北野武監督と深作欣二監督では、全く違う映画になっていたでしょう
一言でいえば、昭和のままの刑事ものか、平成の時代の新しい刑事ものの映画の違いだと思います
それ程、北野武監督の映画は新しいのです
手垢にまみれていません
ピカピカに磨かれた真鍮のように光輝いています
新しい時代の映画になっています
主人公の我妻刑事と新米刑事がいく酒場なら、ガールズバーと居酒屋の違い
仁藤の店なら、波止場近くの洒落たレストランと料亭の違い
清弘の子分のチンピラが聴く音楽なら、レゲエと演歌の違いです
舞台は北品川、京浜新町
深作欣二監督監督なら同じ舞台であっても、仁藤のレストランはああならないでしょう
あの場所は波止場のバーで有名なスターダストのある辺りのようにみえます
昭和の感覚なら、新宿か五反田あたりになってしまっているとおもいます
新しい時代の映像感覚がそのような舞台設定だけでなく、音楽、撮影、衣装、セットに縦横に展開されています
正に革新であったと思います
撮影も美しい
照明の使い方、光と影の造る構図の絵画のような美しさ
とくに終盤の暗い倉庫内部での逆光、白い列柱に差し込む三角形の白い外光
ハッとする美しさです
お話は基本、ダーティーハリーの日本版です
ですがそれだけに終わっていないのです
基本、主人公は何時も静かに怒っています
表面的には何を考えているのかわからない無表情に見えますが、その心理的な仮面のガードの下に沸騰しかけの怒りが圧力をもって閉じ込められているのです
その怒りは、単なる悪への怒りとかの薄ペラいものではありません
官僚的な警察組織にでも、警察内部の腐敗でも、不良少年達でも、覚せい剤密売のヤクザ組織でもないのです
そんなことを総てひっくるめて、腹をたてているのです
精神病院の入退院を繰り返しているような妹の境遇のこともそうです
自分のパッとしない人生にもきっと腹をたてているのだと思います
世の中の何もかもが面白くないのです
ムシャムシャしているのです
だから、彼の瞬間切り替えスイッチのような怒りと暴力の発動は自然で一瞬なのです
そしてそれは私達の日常の不満、イライラ、不機嫌を代弁してくれているのです
だから本作の暴力にはカタルシスがあるのだと思うのです
もしも深作欣二監督が本作のオファーを受けていたなら、北野武監督の誕生はなく、その後の世界の北野武監督も無かったのです
傑作中の傑作です!
30年が過ぎ去っても未だに革新さは失われてはいません
アウトレイジより
アウトレイジを3本みてから、数十年前にみたこの作品をあらためて鑑賞。
音楽が絶妙だし
熱気と埃で揺らめく陸橋を歩いてるシーン
痺れます!
冷たい東が放つブラックジョークが人間味を増す
ラストの対決シーンは子供の頃にみて凄く怖くて印象に残ってます。
アウトレイジより好きだなー。
予測不可能で自然。
ずっと観たかった映画。
初めてみたのに、音楽が聞いたことある。なんでだろ?
1989年とは、意外と結構古い作品だったんだなぁ。
たけしさんの走るシーンやバッティングしてるシーンが今からは想像出来なくて、めっちゃレアな感じがした。
白竜さんも若くて鋭い殺し屋で、かっこよかった。
遠藤憲一さんもめっちゃ若い。
子どもが遊ぶ路地、布団を干すおばさん、映画を観た帰りの女友達、普通の暮らしの中にやばい奴らがいる。
殴ったり殺すシーンがリアル。
え?もう死んだ?って感じで、あっさり死ぬ。
じわじわ追い詰められてどうなるか?焦らすような、よくドラマで見る流れはない。
やめろー!!殺さないでくれー!!とかのくだりはない。いい逃れなくすぐ殺される。殺されることもわからず殺される。殺す側も問い詰めたり、このやろー!とか何も言わない。すぐ殺す。
でもそれがリアル。実際の現実は確かにこうなんだよなと、これ観てて感じた。
ラストのシーンは予想外だらけ。
なんも喋らない。
ひたすら撃ち合うのが、怖い。
妹が薬探すのを見るたけしさんの顔が良かった。
どいつもこいつもきちがいや。
この言葉、秀逸。
ひとが死んでも、その場所には他の誰かが当てはめられていって、また同じ世の中が始まる。
どいつもこいつもキチガイだ
エンケンや寺島進が若いチンピラ役。白竜大暴れ。逆光のたけしが痺れるほどカッコいい。トイレでのビンタ数十連発はハイライト。住宅街や港の風景でキタノブルーが見られた。まわされてジャブ漬けにされる妹の扱いがひでぇ。道で遊ぶ子供、布団を干す主婦、流れ弾にあたって死ぬ若い女など日常の描写の上手さがリアリティを増していた。終盤にいくにつれて暴力性と諦念感が加速する。
☆☆☆★★★ ※ 鑑賞直後のメモから 当たり前だけど、平泉成・遠藤...
☆☆☆★★★
※ 鑑賞直後のメモから
当たり前だけど、平泉成・遠藤憲一・寺島進らが
若い!若い!
懐かしの松竹セントラルが映り感慨に耽る。
ラストの銃撃前の佇まいには、思わずゾクゾクっとする。
2010年6月11日 新・文芸坐
面白くも格好よくもない刑事(仮)
鑑賞当時、あぶ刑事が最新の刑事ドラマのイメージだった気がします。後は刑事物語やジャッキーかな。
面白く、かっこよく、優しく、みたいなのが刑事ドラマのイメージだったので、面白くないし、格好よくもない。しかもあの怖くて痛くて嫌なやつじゃん。。。てなことで当時は結構、嫌な映画だと思ってました。
アクションじゃなくて暴力。。
今思えばそれだけインパクトがあったのだと思います。
面白かった
当時の監督の理念に基づいて、作品内の暴力描写には、観ている人へと痛みが伝わる生々しい表現が用いられている。
派手な演出や、奇抜な演出を用いずに淡々と暴力を描き出す。そこには、あまり痛くなさそうな暴力で客を喜ばせる当時のハ◯ウッド映画への皮肉が、これ見よがしに込められているとみて間違いない。実際、監督自らそのように述べている。
ラストは屈指の名シーン(笑)。
破滅的。
破滅的というか、
破壊的というか。。
後半は画面を直視出来ませんでした。
最近のグロい映画とはまた違うリアルさで。
とてつもなく恐ろしい。
ご飯食べた直後に観るものではありませんね。笑
脚本が野沢尚さんということに衝撃!
又、若かりし頃の〇〇さんがたくさん!!!
めちゃめちゃ豪華です。
当時の時代背景がストレートに伝わってくることも面白さのひとつ。音楽も印象的!
かっこいい
かっこよかった
画がとにかくかっこよかった
どこを切り取ってもiPhoneのトップ画に出来そうとか思った
特に妹がsweet memoriesの鼻歌歌う埠頭のシーンが良い
あとビートたけしの髪型が良い
この切れ味
これがデビュー作ってそりゃ世界の北野にもなるよねっていうか・・・圧倒的な衝撃度ですね。渇いた世界観が素敵すぎます。完全に独自の世界観。終盤の爆発的な怒涛の展開からのオチが最高。完全にぶっ飛ばされました。和製『ダーティ・ハリー』って言うと微妙に違うかもだけど、クセになる痛快さという意味では全く負けてない!!北野作品にこれ以上があるのか、追っかけが楽しみすぎる!!!
暴力が暴力たる理由
たけし演じる不良刑事の我妻の暴力性は粗野で反射的。
だからこそ暴力の怖さと凄惨さを正しくも表現している。
警察もヤクザも一般人も等しく狂っているし、暴力には暴力という現実をシニカルに表現!
息を飲まざる得ないラストは必見!
賛否両論の突然の衝動的暴力
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
いつものだらしないお笑い芸人のビートたけしが、北野たけし監督になった途端に豹変する。とぼけた態度から、法も社会秩序も無視した本能と衝動のままの躊躇のない突然の暴力が噴出する。今でこそ普通に受け入れられ評価されている北野監督だが、公開当時は巷で賛否両論だった。初めて観たときには彼の内面にこのような本性が隠れていたことに驚いたし、まだまだ荒削りだけど誰の真似でもないその刹那的な雰囲気を作り出す演出力も面白いと思った。物語は無茶なんだけれど、このような独特な暴力的雰囲気を堪能する作品であり、その後の北野作品の基が観られる作品でもある。
狂気あふれる監督第一作
今から思うと24年前のこの作品で傑作
「アウトレイジ」は既に下地が出来ていた。
ヤクザ、刑事とも、溢れまくる暴力シーンと
性的なシーン、残忍な描写のオンパレード。
人が訳もなく死にまくり、殺される。
将に、北野節炸裂と言ったところ。
とにかく、若かりし、北野武が
あのキョトンとした目で暴力を振るう
このコントラストの源流がここにある。
心して見よ。
驚愕
北野映画は好きで何本か見てるけど、監督デビュー作のこの映画は見たことが無かった。
今更とは思ったけど見てみて驚愕した!20年以上前、初監督作品でこの映画が撮れるんやからやっぱり天才なんやなと再確認しました。
大日本人とはえらい差やな・・・。
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