ソナチネ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

北野武がビートたけし名義で主演も務めた監督第4作で、沖縄の抗争に助っ人として送り込まれたヤクザが激しい戦いに巻き込まれていく姿を、独特のユーモアを交えながら淡々としたリズムで描いたバイオレンスドラマ。広域暴力団・北嶋組の友好団体である中松組が、沖縄の阿南組と抗争になった。北嶋組傘下の村川組組長・村川は助っ人を命じられ、手下たちを連れて沖縄へ向かう。しかし彼らの加勢をきっかけに抗争はますます激化し、手下たちが次々と命を落としていく。海辺の廃屋に身を隠した村川たちは、少年時代に戻ったかのように無邪気に遊んで過ごすが……。

1993年製作/94分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1993年6月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 カンヌ国際映画祭(1993年)

出品

ある視点部門
出品作品 北野武
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映画レビュー

4.0情熱的な芝居では語れない気持ちを語る「無表情」の芝居。

2023年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

3.5どうしても観たくて

2024年11月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

北野武監督作品。4作目らしい。無性に観たくなる時あるんだけど、配信ないから#ブックオフ 見つけたら必ず売ってないかチェック。ネットで買うのもありなんだけど、偶然出会った時の方が気持ちいいから、とりあえず覗いてみる。ストーリーは、たけしさん演じるヤクザ幹部村川。あるひ、親分から、沖縄の兄弟分のところに行って助けになるよう命じられる。行っても、手打ちになって終わると聞いていたのだが、到着するなり奇襲を受ける。仲間を失い、身を隠す村川。穏やかに流れる逃亡生活。ある日、急展開を迎える。。
何が驚いたって、昔バイトしてた時の、お店の店長がちょい役で出演し、エンドロールにも名前があったこと。役者やってたとは聞いていたけど、めちゃすごいやん!

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ちゅうさん

5.0いちばん怖くていちばん綺麗だった。

2024年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

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盲田里亭

2.0映画の出来ウンヌンより気になることが・・・

2024年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

この作品の物語自体は東映実録路線でさんざん見た気がする内容です。
しかしそんなマンネリした物語を北野監督の映画哲学と美学を用いて、まったく異なるタッチで仕上げたのが今作であるといったところでしょうか。

演出の意図でそうなっているのでしょうが、全編を通して抑揚に乏しいせいか、話の流れを把握するのが非常に難しいです。ましてやヤクザ(マフィア)映画って人物相関が元々分かりづらいジャンルですので、余計に何で今映っているシーンがこんなことになっているのか?となりやすい映画です。いや、すごくちゃんと順を追ってストーリーは語られているのですが、なんかボーっと聞き流しちゃうんですよね。

暴力と死がありふれ、とるにたらない日常と化している業界に生きる主人公たち。暴力という感情表現の極致のような行動を淡々とこなし、他人を殺す場面どころか仲間が死んだ場面でさえも感情の起伏はとても小さくしか表現されず、冷めた距離感で暴力と死が描かれます。
こんな感じで、反社会的な社会で生きる主人公たちは普通の観客にとって元々共感しにくい存在なのですが、そのうえ更に彼等の感情表現も極端に抑えられていますので、観る側としては作品のどこに焦点を当てて良いのか分からず、非常にフラットな感覚で映画全体をなんとなく傍観している感じになります。この映画のとっつきにくさってそういう所にあるのかなと思います。

しかし主人公たちにとって暴力や殺しは仕事なのです。そう考えると自分も日々のルーチンワークを実に無感動にこなしていますので、やっている事は違えど割とハタから見たらこんな感じなのかもしれません。

そしてそんな彼等が仕事をこなしているシーン。屋内であったり建物の外観であったり、人と話していたり、銃撃戦をしているシーンはとても窮屈な感じの画ですが、抗争から身を隠すため根城にした浜辺の家のシーン。沖縄の海と空を背景に幼稚な遊びに興じるシーンは実に開放的な画となります。
こういった言葉に頼らずに登場人物たちの心情と観客の印象を共有させる演出は、言葉にすると陳腐かもしれませんが実に見事だと思います。

また彼らの遊びが小学校低学年の様な幼稚さであるのも、殺しを平然とやってのける壊れた倫理観の持ち主の精神年齢ってそれぐらいなのだろうなと感じさせる説得力を持っています。大人になったら精神的に出来なくなりますが、子供の頃は平気で虫の羽や頭をもいだりしていたことってあると思います。たぶんその感覚のまま大人になるとこうなるって感じがして、妙に納得できるんですよね。ある意味 無邪気で純粋なのです。

ただその一方で、登場人物の心情や物語とあまり関係を見出せなかったり、過剰に感じる、ただなんとなく「可笑しい」や「儚げ」な印象だけのシーンも挟まるのですが、そういうシーンが個人的にはノイズと感じ、あまり好みに合いませんでした。

もともと自分は北野武監督作品が苦手です。(好きな作品もあるのですが)
なので自分がただ単にシーンの意味をちゃんと読み取れていないだけかもしれませんが、やっぱり自分で監督・脚本・主演しているというのがもの凄く引っ掛かるのです。だって自分のこと格好良く描きすぎですよこれ!

他人の作品で使われてる時の俳優・ビートたけしってすごく好きなんですよね。本当魅力あります。でもだからって自分で自分を演出して主演やりますか!?まだ脇役とかトホホな役をやっているなら分かるのですが、この映画の主人公・村川って、前に駆り出された抗争での成果を認められて今のシマを与えられ、更にそのシマでのシノギも順調という仕事の出来るヤツです。しかも前の抗争で自分の部下の若者を3人も死なせてしまった事を気にかけていたり、引退してカタギになるといっていた若者がまだ組の周辺でウロチョロしているのを怒鳴り、しっかりカタギになるよう諭します。村川自身の親分はとても利己的な存在として描かれますから、村川の身内に対する情の厚さが際立ちます。
また、親分の食事中に他の組員は許可が出るまで我慢していたタバコをなんの躊躇いもなくプカプカ吹かしており、それを咎められる事もないし、気に入らない親分の側近である高橋をトイレでボコボコにしてもお咎めなし。格や面子にうるさいヤクザの世界でこれが通るってだけで組織内で相当特別な地位にいる事が分かりますが、当の村川は『なんか疲れたからヤクザ辞めたい』と、そんな組織での特別な地位にも執着しないクールなキャラとして描かれます。って、こういうキャラを自分で設定して自分で演じてるんですよ!?
しまいには特に自分から口説いたわけでもないのに『格好いい』『強い人好き』とかいって抱かれに来る女が現れ、頼んでもいないのに自分の帰りを延々待ってくれているわけですよ、この女が!!

まるで降籏康男が80年代に撮った高倉健映画じゃねーかバカヤロー!あれも男にとってあまりにも都合の良すぎる世界観が、まさに昭和版なろう系作品って感じで正直みていられませんでしたが、高倉健は他人が書いてきた脚本を仕事として演じていただけですからね!それに比べて北野武は自らこういう脚本書いて自分で演じているって思うとやっぱ引きますよ…。

確かに芸人って自分でネタ書いて、自分で演じてお客さんに見てもらう仕事ですから、監督・脚本・主演を全て自分でこなすって、北野武にとってはごく自然な事なのかもしれませんし、こんな静かで暗い内容の映画でもしっかり笑いを作るところは感心します。また素直にいい演技してるなぁって思ったり、面白い映像撮るなぁって思ったりもしますから、好きな人がいるのも理解できるんです。
でもね、どうしてもね、映画を見ていて「この人自分でこの脚本書いて自分で演じてるんだよなぁ」って事実が頭をよぎると、うわぁ・・・って映画に集中できなくなるんですよね。

それはともかくとして、ストーリーは平凡だけど(むしろ詰まんないけど)この映画の持つ雰囲気は好きなんだよなぁ~という作品ってあると思います。
個人的には「2001年宇宙の旅」や「ブレードランナー」がそれです。そしてこの作品もそういう類の映画なんじゃないかなと思うのです。
ですから作品の芸術性だとか物語の主題がとかは気にせず直感的に鑑賞して好みに合うか合わないかで楽しめばいい映画だと思います。(そんなこと言ったら映画って全部そんなもんか・・・)

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モアイ