ソナチネ

ALLTIME BEST

劇場公開日:1993年6月5日

解説・あらすじ

北野武がビートたけし名義で主演も務めた監督第4作で、沖縄の抗争に助っ人として送り込まれたヤクザが激しい戦いに巻き込まれていく姿を、独特のユーモアを交えながら淡々としたリズムで描いたバイオレンスドラマ。広域暴力団・北嶋組の友好団体である中松組が、沖縄の阿南組と抗争になった。北嶋組傘下の村川組組長・村川は助っ人を命じられ、手下たちを連れて沖縄へ向かう。しかし彼らの加勢をきっかけに抗争はますます激化し、手下たちが次々と命を落としていく。海辺の廃屋に身を隠した村川たちは、少年時代に戻ったかのように無邪気に遊んで過ごすが……。

1993年製作/94分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1993年6月5日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 カンヌ国際映画祭(1993年)

出品

ある視点部門
出品作品 北野武
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映画レビュー

4.0 情熱的な芝居では語れない気持ちを語る「無表情」の芝居。

2023年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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共感した! 2件)
すっかん

4.0 お笑い芸人の映画

2025年10月22日
iPhoneアプリから投稿

ドキドキ

北野武映画を初めて見たんですけど、思ってたよりお笑い芸人が作った映画だなと思いました。皮肉ではないです。例えば序盤の下っ端2人が手榴弾を相手事務所に投げ込むシーンで、普通の映画なら爆発しないなぁ、から一拍置いたところで爆発しそうなところを爆発しない、ロシアンルーレットで発砲しそうなところで弾は出ない。逆に、楽しげにフリスビーで遊んでいるところに唐突に眉間に弾が撃ち込まれる。必ず観客に2択を迫らせたあと、それを裏切るという理屈で作られていると思いました。銃弾は、常にフリがないところからノーモーションで撃ち込まれる。ロシアンルーレットのシーンめっちゃ笑いました。あと落とし穴のところと車燃やすところも。

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お野菜

4.0 ゴダール、小津を彷彿とさせる芸術映画

2025年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

北野映画を完全に舐めてました

率直に言えばマニアックな映画だと思います。同時にハイセンスな作品でもあります。プロット自体は極めてシンプルですが、監督が観客にストーリーを理解させる事を重視していないため、人物相関と展開はしばしば把握が困難になります。そしてバイオレンス映画の体裁をとりながら、暴力は唐突に訪れ、無表情のまま一瞬で過ぎ去る自然現象のように描かれます

この脱構築的な取捨選択は、北野監督の「ありきたりな表現は観客を退屈させる」という芸人精神によるものでしょう。定型を裏切るにはまず定型を知る必要があります。監督は映画をかなり勉強しているはずです。久石譲のメインテーマの反復と、徹底された省略の美学が、作中の死と無常性を浮かび上がらせる逆説的な効果を生み出しています

この映画で長い尺を占めているのは、隠れ家のある砂浜でヤクザたちが遊ぶ一連のシーンです。破滅の手前に設けられた踊り場で、男たちは童心に帰り、無邪気に振る舞う。美しい自然の前で、暴力性と幼児性が並置され、無常観によって同じように包摂される。いささか冗長ではありますが、人間の脆さと美しさが同時に表現される名シーンです。彼らの姿は観客の記憶の片隅に留まり続けることでしょう

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フレンチクローラー

3.5 命で悪ふざけ

2025年9月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

いちばんやっちゃいけない命で悪ふざけを惰性で楽しむ映画。
不謹慎だけど美しいショットの連続で観客を巻き込む力量。
バイオレンス描写がエンタメにまで高められる、その前の北野映画。
今2025年の目で見ると中年危機の映画でもあったのか、と思い当たる。
引き込まれました。

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あした