早春物語のレビュー・感想・評価
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角川映画全盛期‼️
鎌倉に住む女子高生が魅かれた男性は、亡くなった母がかつて愛した男性だった。母との恋愛の真相を聞かされたヒロインは、大人の女性へと脱皮していく・・・‼️ちょっとリアリティがなく、あざとく、ひょっとしたらファザコン映画、ロリコン映画になってしまうような物語‼️そんな物語を共感しながら観ることが出来るのは、17歳の少女がちょっと背伸びしたような原田知世の素晴らしき魅力と、相手役の林隆三さんの大人な魅力、透明感あふれる久石譲さんの音楽、そして何よりも監督を務める澤井信一郎の優しさとデリカシー溢れる演出が全編にみなぎっているからでしょう‼️終盤のキスシーン、原田知世が林隆三を見送るラストの空港のシーンも印象深いし、原田知世が歌う主題歌もホント素晴らしい‼️初見から30年以上経ちますけど、いつまでも大好きな映画ですね‼️「私、過去のある女になったのよ」‼️
バブルの前後。
85’バブル前夜。
会社と仕事は厳然と有り、男はそれをやるか?やらないか?を自分で決められた幸福な時代。
程無く来るバブル崩壊後は無くなる会社と仕事に男は慄き群がりしがみ付いたのだ。
この生臭い林隆三と97’失楽園で虚ろな役所広司の異質で正反対の幼児性を対置して愛でたい。
角川映画の世界観
当日鎌倉の高校に通う高校生だったので、映画のロケを何度も見に行きました。
役者さんの醸し出すオーラもあり、撮影現場の雰囲気も良く現場の1カットだけでも映画の中に引き込まれていきました。
作品は、角川映画の世界観がしっかりと出ていてあの時代の素敵な日本をしっかりと映像化しています。
なかなか今ではこんな作品出てこない貴重な映像作品だと思います。
THE 角川映画
原田知世が大好きだったので、写真集とレコードは持っていましたが、今作は小学5年生の時に背伸びして鑑賞したかった作品です。やっと鑑賞できた!気がついたら、大人になる事を拒否するロリコンに染まった国になってしまいましたが、この時代は早く大人になりたくて堪らない少女ばかりだった気がします。私もそうでしたし、周りもそうでした。当時のアイドルは今のアイドルよりも大人びていて、憧れでした。角川映画絶頂期+バブル期に相応しい臨場感を味わえます。
それでも恋は恋、ひと夏ならぬひと春の恋
あまり80年代の邦画には詳しくないのですが、いかにも80年代、そしていかにも全盛期の角川映画な香りのする、まさにこの時代だからこそ成せた映画だったなと思いました。
今の時代では17歳の少女と42歳の中年男が恋しても、それはそれで無くもないような時代だったりもしますけど、当時はまあそう簡単なことではなかったでしょうし、ましてや中年男性に身を捧げようとするなどもってのほかだったでしょうから、だからこそ原田知世が演じた主人公・瞳の大人の世界へ背伸びしようとする様子にヤキモキさせられ、且つドキドキさせられる映画になっていた気がしましたね。
今の時代は大人への憧れよりも大人への絶望、そしてまだ子供でいたい心の方が強い時代だったりもしますから、今この映画を作っても絶対受けないでしょう・・・。
むしろ中年男性が女子高生を求めている時代ですしね(苦笑)
ただ瞳が大人の女性へと背伸びしようとする様子は、ここまで来ると若干、いや、かなり痛々しいかな・・・。
原田知世の可愛さで何とか成り立ってますが、ほぼストーカーですし、言動も相当ウザッたかったぁ。
しかし林隆三が演じた中年男・梶川がまさにこれぞ大人の男って感じの対応をするので、それがこの映画の味となって、何となく憎めない作品になっていたなと思いました。
見る前は単純に原田知世のアイドル映画だと思っていたのですが、見てみたら林隆三が醸し出す雰囲気の方が印象深くて、ある意味予想外でしたけどおかげで十分楽しめましたよ。
梶川は、まさにザ・包容力のある男性!って感じでしたね。
メインの部分以外では、瞳が親友に男関係で負けまいと意地を張る感じが、妙にツボでした。
この2人の80年代っぽい会話が終始微笑ましくて良かった、親友役の仙道敦子も原田知世に負けず劣らず可愛かったなぁ。
それと父親役の田中邦衛も味があって良かったねぇ、継母の由紀さおりと原田知世のビリビリした空気感もいいスパイスになっていたと思いました!
まあ全体的にはいろいろと突っ込みどころも多いのですが、時代の違いもありますので、そこは突っ込むのも野暮なのかな、最後の原田知世の主題歌を聴いて、とりあえずは余韻に浸るべしでしょう。
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