戦艦大和

劇場公開日:

解説

いわゆる戦記物のトップをきった吉田満の「戦艦大和」を「アジャパー天国」の八住利雄が脚色、「恋人のいる街」の阿部豊・横山実が監督・撮影にあたった。音楽は「雨月物語」の早坂文雄。「銀二郎の片腕」の藤田進、「闘魂」の伊沢一郎、「アジャパー天国」の高島忠夫、「むぎめし学園」の舟橋元、「憲兵」の片山明彦などが出演する。

1953年製作/104分/日本
原題または英題:The Battleship Yamato
配給:新東宝
劇場公開日:1953年6月15日

ストーリー

昭和二十年三月末。大平洋戦争も終末に近かった。沖縄周辺に集まった米艦船めがけ、特攻隊は連日出撃、これに呼応して一挙に敵をたたき戦勢挽回の最後の機会をつかもうと「天一号作戦」の実施が決定した。日本海軍のこりの艦艇をあつめて--戦艦大和、巡洋艦矢矧以下駆逐艦十隻が、瀬戸内海三田尻冲を進発した。空中護衛もなく、燃料も片道の死の出撃、である。伊藤第二艦隊司令長官は当初この無謀な作戦に反対しつづけたが、一旦決定をみるや、欣然これに服した。必然の死に直面して乗員たちの心はひとつとなった。米市民権をもつ二世中谷少尉や許婚の写真をポケットに入れている学徒出陣の森少尉は兵学校出の同僚から平生なにかと白眼視されがちだったが、今はそれも解けた。兵への士官たちの態度もおだやかである。一次室では若手士官らが死について論争をはじめる。納得のゆく死を希う予備学生出身の士官、恂国一本やりの江田島出。双方をなだめたのは室長の臼淵大尉である。「進歩のないものは決して勝てん。負けて目ざめる。目ざめ、蘇える新日本のために俺たちは死ぬのだ」--明くれば四月七日。早暁からマーチンの接触が始まり、正午過ぎ、グラマンの第一波が来襲、息つく間もなく第二、第三波が上空を蔽って魚雷、直撃弾の命中は数しれない。乗員はみるみる倒れ、機銃、高角砲--主砲までが或いは吹飛び、或いは操作不能となって今は七万二千トンの巨体も絶好の爆撃目標でしかない。三十五度からやがて九十度に傾斜した大和はやがて数多の人命もろとも天に冲する火柱をのこして爆沈した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0世界三大無用長物の大和の存在意義

2019年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

無駄の見本みたいに言われている大和だが、 連合艦隊司令長官が山本五十六ではなく山口多聞だったら、 ミッドウェイで先陣切って突っ込んだだろうから赫々たる戦果を挙げ、 世界にその名を轟かせただろう。 司令長官が愚将山本五十六だったのが運の尽き。 そんな大和も最後の最後に有終の美を飾った。 沖縄特攻である。 これがいかに素晴らしく涙なくしては語れない物語か。 全く意味のない無謀な特攻になぜ大和は突っ込んでいったのか。 答えられる人がいますか? 反日左翼どもは無駄死にだと言って非難する。 そうでしょうか。 無駄と分かっていても同じ日本人が困っていたら助けたい。 それが人情ではないですか。 これほど美しいことはないのではないでしょうか。 誇りに思うべきではないでしょうか。 後世に伝えるべきは戦争の悲惨さではなく日本人の誇り、気概であるべきです。 その意味でこの作品の評価は星一つとしました。

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馬券師

4.0どこからどこまでがドキュメント映像なのかわからなかった。

2019年7月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

 ミニチュアの戦艦も映像が古いおかげで、模型っぽさを感じず、あらためてモノクロ映像の良さを見直しました。群像ドラマの中心になるのも少尉クラス以下の兵士たち。製作年も戦後8年目ということで、実際に従軍していた者もいるということなので、伝令等がとてもリアル(何言ってるのかよくわかりませんでしたが)でした。  沖縄に向かう戦艦大和。多くの国民はその存在すら知らない。それを後世に伝えようとする者、海軍の良さを弟のために筆を取る若き兵士(ただし、しるこのことで頭がいっぱいで、漢字を知らない)。アメリカで生まれた二世の乗組員なんて設定も面白い。  戦闘シーン、輸送船など、ドキュメント映像を巧みに編集されていて、セットも当時としては金がかかっているに違いない。甲板に整列した兵士たちのシーンも圧巻でした。次から次へと負傷者が増えて、やがて傾き轟沈する大和。戦争の悲惨さと貴重な映画として価値があると思います。最後の台詞「戦争を生き抜いた者ほど次の戦争を欲しない」という言葉が痛烈に響く。

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kossy

3.0弩級戦艦「大和」の最期

2019年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

 「東宝・新東宝 戦争映画DVDコレクション」の付録DVDで鑑賞。  世界一の巨艦「大和」に乗り組んだ兵士たちの群像を軸に、菊水特攻作戦で壮絶に散るまでを活写していました。  藤田進の演技が素晴らしかったです。  他にも高嶋忠夫や丹波哲郎の若かりし頃の姿が見られ、めちゃくちゃ貴重だなぁと思いました。  特撮のクォリティーは東宝には及ばすの感がありました…。  何だか全てがちゃちかったです…。

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しゅうへい

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