青春ロマンスシート 青草に坐す
劇場公開日:1954年6月8日
解説
“キング”に連載された白川渥の原作より、「陽は沈まず」の沢村勉が脚色し、「伊豆の踊子(1954)」の野村芳太郎が監督している。撮影は「蛮から社員」の厚田雄春、音楽は「陽は沈まず」の黛敏郎。出演者は「陽は沈まず」の笠智衆、田浦正巳、諸角啓二郎、「唄しぐれ おしどり若衆」の美空ひばり、「真実一路」の桂木洋子、「愛染かつら(1954)」の三宅邦子など。
1954年製作/101分/日本
劇場公開日:1954年6月8日
ストーリー
船乗りの新庄啓作と妻文子には二人の子供があった。快活な女学生翠とチャッカリ坊主の中学生誠である。啓作の妹節子も死んだ兄大造の友人土屋光雄との結婚に失敗し、新庄家の居候になっていた。大造や光雄の友人で翠の高校の英語の先生羽田信平はひそかに節子を永遠の女性と決め、節子の友人でコーヒー・ショップのマダム醍醐シズも二人を結ぼうと努力しているが、羽田には光雄への義理がある上に、弘子という許婚者も居た。翠には戸川雄一というボーイ・フレンドが居た。この二人は物わかりのいい小母さん節子に見守られながら、何時か清純な恋が芽生えていた。テニスの試合があって、翠と雄一とは羽田に附添われて大阪へ行く。そして神戸へ寄った翠は父啓作に小泉千代という女のあるのを知った。純真な乙女心を傷つけられた翠は、誤解されて雄一と共に神戸の警察に保護された。が、翠は父の秘密を誰にも話そうとしなかった。非をさとった啓作は女と別れて帰宅した。文子はその夫を優しく迎えた。弘子の力添えで節子と羽田もどうやら結ばれるらしい。そして翠と雄一のプラトニックな恋にも再び春が訪れた。