砂の小舟

劇場公開日:

解説

不思議な小舟にみちびかれ、歳月の河をさかのぼり、一千年前の世界に甦った少年と少女を描く。俳優の丹波哲郎が主宰する丹波企画第一回自主製作作品で、脚本は丹波哲郎と「未来少年コナン」の佐藤肇の共同執筆、監督も丹波哲郎と原田雄一の共同、撮影は平林茂明がそれぞれ担当。

1980年製作/100分/日本
配給:その他
劇場公開日:1980年5月31日

ストーリー

間もなく十七歳になろうとしている少女と一歳年下の少年がいた。二人は幼い頃から仲良しだった。少女の尻には大きな痣があり、少年は生まれながらに声が出なかったからだ。ある日、二人は海岸で砂に埋もれた古い小舟を掘り出す。二人は舟を修理して沖の小島に乗り出した。小島の海岸をはしゃぎ回る二人。すると舟も小犬のように波打ち際を追ってくる。村に帰ろうとする二人は小舟に乗ると、すごい勢いで、思いもかけぬ方向へひとりでに進み出した。小舟は大きく開いた大洞窟の中へ突入。二人はその穴が千年前のタイムトンネルであることに気がつかない。二人は五歳ぐらいの少女の案内で立派な部屋に通された。突然、頭上から五色の薄布が舞い下りてきて、二人は埋もれてしまう。正面の襖が開き十二単の女性が現われる。やがて、五色の布の下から現れてきたのは気を失った二人の姿。しかし、先程まで着ていたものは消え失せ、少女は見事な十二単、少年は美しい姿であった。そこで二人は、かって見たこともない妖しく、美しく、恐ろしい禁断の園をめぐる。例の小舟は何百年もの間、砂の中に閉じこめられていたのを二人が掘り出し、修理して水に戻してくれたお礼に、どうして少女のお尻に痣があるのか、少年の声がなくなったのか、それが千年前に原因があることを教えようとしたのだった。

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