劇場公開日 2005年6月18日

「当時の時代背景ほかを知らないとやや解釈が難しい」砂の器 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0当時の時代背景ほかを知らないとやや解釈が難しい

2024年1月24日
PCから投稿

今年38本目(合計1,130本目/今月(2024年1月度)38本目)。
(ひとつ前の作品は「ゴジラ-1.0/C」、次の作品は「燈火(ネオン)は消えず」)

 ミニシアターで、当該監督さんの特集がありその一環でみてきました。

 原作小説や元の(リマスター前の)映画があるので、それを超えることはできないかな、といったところです。

 戸籍うんぬんについては、やや行政書士の資格持ちの立場からは微妙なところがあるのですが、戦後の混乱期においてこのような行為が行われていたということは容易に推知・推測が付く範囲だし、それほど突飛な設定ではないかな、といったところです。また、映画が古いためややハンセン病ほかいわゆる「病気」の差別についての配慮がない点については、2023~2024年で「復刻上映で見るという観点では」気にはなりましたが(断り書きなどはなし)、まぁそれも許容範囲の一つなのだろうと思います。

 ミステリーものとして見る場合、時代背景がいまから70年前といった事情や法律の取締り(特に戸籍関係)という違いもあるため、やや「当てにくいかな」という部分はあります(それらしい発言からある程度推測はできますが)。ただその分、この映画はそういった事情よりも戦後間もない時代に取られた映画で戦後の混乱期にどのような混乱が生じていたのかという点を含むところに鑑賞意義(知識を吸収する意義)があると思います。

 採点上特に気になる点はないのでフルスコア切り上げにしています。
なお、VODなどでは最初の30秒くらいは見られるしVODでも見られるようなので(ただしリマスター版ではないらしい)、放映されている映画館の少なさという観点ではVODもやむなしかなというところです。

yukispica