洲崎パラダイス 赤信号

劇場公開日:1956年7月31日

解説

東京洲崎遊廓の入口の飲み屋を中心にして、娼婦や、そこに出入りする男たちの姿を描いた芝木好子原作の“洲崎パラダイス”より「屋根裏の女たち」の井手俊郎と「東京の人」の寺田信義が共同で脚色、「風船」の川島雄三、「愛情」の高村倉太郎が、監督、撮影を夫々担当した。主な出演者は「続ただひとりの人」の新珠三千代、「火の鳥(1956)」の三橋達也、「雑居家族」の轟夕起子、「しあわせはどこに」の芦川いづみ、「悪魔の街」の河津清三郎、「燃ゆる黒帯 花の高校生」の牧真介、植村謙二郎など。

1956年製作/81分/日本
配給:日活
劇場公開日:1956年7月31日

あらすじ

両親に結婚を反対されたため、連れ立って栃木から上京した義治と蔦枝は、どこへ行くアテもなく夕暮の浅草吾妻橋附近を歩いていた。以前廓にいた好みで洲崎遊廓へ入り込んだ蔦枝は、一杯のみ屋“千草”の女将お徳に二人の職探しを頼み、蔦枝はお徳の店で働くことになる。義治の方も、千草に近いソバ屋で働くことになるが覇気のない彼は失敗続き。だが女店員の玉子はいつも義治をかばってくれた。ある日、蔦枝は田舎へ送金したいからと義治に給料前借を頼むが、返事に渋る彼を歯がゆがり、千草の馴染客落合に頼み込む。当にしていた以上の融通を受けて落合に惚れ込んだ蔦枝は行方不明になった義治のことも意に介せず、落合の探してくれたアパートに引越す。その夜の千草も客の出入りは頻り。騙されて廓に連れ込まれた初江に惹かれ、以前から彼女を救おうと努める純情青年信夫が、救出は無理だとしおれている処に義治が戻って来たが、蔦枝と落合の一件を聞き再び表へ飛び出す。その時、ある女と駈落していたお徳の旦那伝七が現われ、喜んだお徳は玉子に留守を頼み揃って外出。落合を探し疲れた義治が千草に戻ると、お徳から堅気な玉子と一緒になれと水を向けられ万更でもない。或る夕刻、そろそろ落合にも飽きた蔦枝が義治に逢おうと千草に来る。玉子のお蔭で堅気になろうとした義治も、これを聞いて叉心迷う。やがて、洲崎神社の境内で伝七が殺され、お徳は死体にすがって泣いた。その晩、義治と鳶枝は遊廓を出、宛もなく永代橋の上から赤信号の方へ歩み去って行った。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

未評価 洲崎パラダイス 赤信号

2025年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

神保町シアターで《神保町シアターセレクション女優魂――忘れられない「この1本」》川島雄三監督『洲崎パラダイス 赤信号』鑑賞。蓮っ葉な新珠三千代も、逃げた旦那に未練ありの轟由起子もよかったけど、自分的には純朴でいいコの芦川いづみが好きっス。当時の洲崎の空気を感じることができる一本。#4

コメントする (0件)
共感した! 1件)
はにわさん in 2025

4.0 川島雄三の佳作ですね

2025年5月8日
PCから投稿

三橋先輩のダメ男ぶりが秀逸です。ストーリー展開は「浮雲」的ですがこちらはグッと軽めでドライな印象です。現場ロケなので資料的価値も十分です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
越後屋

3.5 命短し恋せよ乙女

2025年5月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、VOD

ドキドキ

カワイイ

YouTube 日活フィルム・アーカイブにて鑑賞

一言で表現するなら、
命短し恋せよ乙女 ですね。
男ども、しっかりしろ!と言いたい。
情けない!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
七色姫

4.5 その時代に生きるいきる誰もが迷い人

2025年4月27日
スマートフォンから投稿

時は戦後の混乱から立ち直りつつある日本。映画は東京の下町にある売春地帯の門を境に、今日の寝屋、明日の行き場を求め、一生懸命に生きている人々の姿を映す。

飲み屋の女主人役の轟夕起子が良い。
彼女は赤線地帯の入り口に小さな店を構え、女と逃げた夫を密かに待っている。そこへ行き場の無い若い男女が転がり込む。職も無く自暴自棄になる男。女は以前働いていた赤線地帯の門を再び潜ろうとしていた。

若い男と女の思い
夫を待つ女の思い
突風の様に流れる
時代に迷う人々

洲崎パラダイス
その門は結界か
向こうは天国か
潜れば幸せか
それとも…

この映画に登場している場所で、東京に残っているのは勝鬨橋くらいなものか。秋葉原のラジオ街含め、70年前の下町の風景は必見。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
星組

他のユーザーは「洲崎パラダイス 赤信号」以外にこんな作品をCheck-inしています。