死んでもいい(1992)
劇場公開日:1992年10月10日
解説
気ままな旅を続けていた青年が人妻にひと目惚れしたことから始まる愛憎入り交じる三角関係を描く。西村望の『火の蛾』を原作に、「天使のはらわた 赤い眩暈」の石井隆が脚本・監督を担当。撮影は「喜多郎の十五少女漂流記」の佐々木原保志。
1992年製作/117分/日本
配給:アルゴプロジェクト
劇場公開日:1992年10月10日
ストーリー
初夏の大月。突然の雨の中、気ままな旅を続けていた信は名美に出会う。心魅かれるまま名美の働く地元の不動産屋を訪れた信は、社長の土屋英樹にアパートを借りたい旨を突然申し出た。名美に案内された古アパートで、信は名美が英樹の妻であることを知るが、すでに信の名美への気持ちは抗し難いまでにたかぶっていた。結局信は英樹の下で働くことになる。あるドシャ降りの夕方、帰りの遅い信を名美が探しにいくと、信は思いつめた表情でモデルルームにいた。自分を押さえ切れない信はそこで名美を犯してしまう。しかしその後、今度は名美が誘うように2人はベッドで肌を合わせた。そこに突然英樹の声が響いた。名美はベランダに身を隠し、最悪の事態だけは免れた。翌日、英樹が出かけると、信は名美に「一緒になって出よう」と誘うが、名美は手をふりほどいて英樹を迎えた。数日後の社員旅行の夜、酔い潰れた英樹が目を覚ますと名美の姿がなかった。大浴場で名美と信の姿を見つけた英樹は激怒、信をクビにしてしまう。夏、工場で働く信のもとに名美が現れ、信はついに英樹を殺害することを切り出す。後日名美の手伝う布地屋を訪れた信は「次の雨の夜に殺害を決行する」と伝えたが、英樹に見つかり名美を連れ戻されてしまう。次の雨の夜、信が本当にやってきたが、名美はドアを開けなかった。しかし、意図せずに翌晩ホテルに泊まることを教えてしまう。新宿の高層ホテル、もう一度やりなおそうと告げる英樹をバスルームで信がスパナを手に待ち構えていた。泣き叫ぶ名美の前で、信は英樹を殺害した。翌朝、めざめた名美は英樹のライターを手にする信に静かに微笑むのだった。