死んでもいい(1992)

劇場公開日:

死んでもいい(1992)

解説・あらすじ

「天使のはらわた」シリーズなどで知られる映画監督・脚本家・劇画作家の石井隆が1992年に手がけた劇場長編第2作で、小説家・西村望の「火の蛾」を原作に3人の男女の愛憎を描いたラブサスペンス。

気ままな旅の途中で山梨県大月駅に降り立った青年・信は、そこで偶然出会った女性・名美に一目ぼれする。彼女の働く不動産屋を訪れた信は、社長の土屋にアパートを借りたいと申し出る。土屋が名美の夫であることを知る信だったが、成り行きからその不動産屋で働きはじめる。やがて名美への思いを押さえきれなくなった信は、彼女と不倫関係に陥るが……。

名美を大竹しのぶ、信を永瀬正敏、名美の夫・土屋を室田日出男が演じ、岩松了、竹中直人が共演。ちあきなおみの曲「黄昏のビギン」が挿入歌として使用され印象を残した。ギリシャの第33回テッサロニキ国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞したほか、国内外で数々の賞を受賞。2025年6月、石井隆の初期監督作4本をHDリマスター版で上映する特集企画「石井隆Returns」にてリバイバル上映。

1992年製作/117分/日本
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
劇場公開日:2025年6月6日

その他の公開日:1992年10月10日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第16回 日本アカデミー賞(1993年)

受賞

助演男優賞 竹中直人

ノミネート

主演女優賞 大竹しのぶ
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映画レビュー

3.5雨の日に起こること。

2025年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

HDリマスター版上映にて鑑賞。

永瀬正敏の若く真っ直ぐで危なっかしい瑞々しさ。
普段は悪役が多い室田日出男の無骨な一途な愛の哀しさ。
そして
小悪魔なんて単純な言葉では済まされない大竹しのぶの妖しく儚げな美しさ。

登場人物はほぼこの3人で、
こんなにも余韻が消えない映画なんて。

出会いからして、雨がとても印象的。

こんなムンっとむせ返るような、
湿度の高い邦画、
最近少ない気がする。

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えみんこ

5.0二人の男の間で抑えがたい愛憎の感情がほとばしる名美を当時すでに国民的女優の大竹しのぶ氏が大胆な濡れ場も辞さずに挑戦。

2025年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

2022年5月に逝去された映像作家・石井隆氏の没後3年に合わせた初期傑作『死んでもいい』(1992)、『ヌードの夜』(1993)、『夜がまた来る』(1994)、『天使のはらわた 赤い閃光』(1994)の4作品がシネマート新宿さんと池袋HUMAXシネマさんにて25年6月6日(金)から上映中。

『死んでもいい』(1992年117分)
原作は『丑三つの村』(1983)、『薄化粧』(1985)、『犬死にせしもの』(1986)も映画化された西村望氏の1980年に発表された『火の蛾』。紆余曲折ありながら構想から10年、石井隆監督が映画化。

東京から山梨に流れ着いた青年・信(演:永瀬正敏氏)が大月駅でぶつかった不動産屋の人妻・名美(演:大竹しのぶ氏)に一目惚れ、半ば強引に不動産屋の就職を直訴、名美よりも一回り年上の夫であり経営者の土屋(演:室田日出男氏)にも気に入られ社員として採用される。
信は土砂降りの豪雨のなか、モデルルームで名美を待ち伏せて手込めに。
最初は信を拒んでいた名美も徐々に彼を受け入れていくが、二人の関係が土屋に発覚。
信はクビを告げられ、別の土地で働いていたが、そこに名美が居場所を探し出す。
土屋に生命保険がかけられていること名美から伝えられた信は土屋の殺害を計画する…。

二人の男の間で抑えがたい愛憎の感情がほとばしる名美を当時すでに国民的女優の大竹しのぶ氏が大胆な濡れ場も辞さずに挑戦。
TVドラマで見せるしっかり者で明るいキャラクターとは真逆の男たちを魅了する魔性の演技は実に貴重。

信役はジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』(1989)で国際的スターとして頭角を現した永瀬正敏氏が名美に出会ったことで破滅への道をひた走る若者を熱量高く好演。

特にラストのホテルでの浴室シーンは10分近くのワンシーンワンカットは秀逸。
途中に地震が発生する演出や、亡骸となった室田日出男氏は呼吸を止めてピクリともせず横たわっているのは流石、見事です。

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矢萩久登

3.0図々しい

2023年12月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

役者としてジャンルが違うような三人のキャスティングに意外性を感じながら室田日出男と永瀬正敏に挟まれた大竹しのぶのキュートな小悪魔的存在感に萌えつつ、最後まで理不尽な立場で可哀想な室田日出男が愛らしくて癒されるキャラクターを怒り少なめ愛嬌たっぷりに、長丁場で浴室に倒れたままの背中に哀愁が漂う。

サイコな青年を演じた永瀬正敏、彼をそうさせたのは大竹しのぶか、そんな彼女が吉高由里子に見えて来るのは気のせいか、オリバー・ストーンの『Uターン』が本作に少し似ている、怒涛の展開がテンポ良く進む物語を期待しながらメロウな場面を挟み込むからその都度に退屈感は否めない。

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万年 東一

4.5「物語よし!」&「映像よし!」の傑作

2023年11月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1992年の石井隆監督作🎥
石井隆監督と言えば、学生時代にあちこちの名画座で観た「天使のはらわたシリーズ」の「名美」が出て来るが、本作も大竹しのぶ演じる女性は「名美」。
ただ、本作は日活「天使のはらわたシリーズ」ほどヌードを前面に出しておらず、大竹しのぶもヌード見せる体当たりの演技だが、「男女の愛」をメインに描いた感じ。

冒頭の「運命の男女(永瀬と大竹しのぶ)」が出会うスローモーション場面から素晴らしく、全編にわたって美しいシーンの連続。また、長回しの多用によって、役者の動きが途切れないのも良い!

物語も「一寸先は闇」のような展開が続くので、気を抜くことなく、眼は映像に釘付け😳
美しい女性(大竹しのぶ)に一目惚れした男(永瀬正敏)、彼女は不動産屋で働いているがその不動産屋の社長(室田日出男)が亭主だと知る。
売りに出している不動産物件で、永瀬正敏は彼を探しに来た大竹しのぶの身体を奪うが、大竹しのぶは永瀬に惹かれ、愛し合うようになる。
二人の仲は室田にもバレるのだが、永瀬は室田を殺すことを考え……とスリリングな展開😱⚡

「物語よし!」&「映像よし!」の傑作‼️✨

<映倫No.113809>

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たいちぃ