新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
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古き良き日本映画。
1975年、佐藤純彌監督作品。
これはおもしろかった。
新幹線に爆破予告。スピードが80キロを下回ると爆発する仕掛け。
そのデモンストレーションもやってみせて爆弾が本物であると知らしめる。
当時の国鉄と警察、それから犯人側、それぞれの描写がかなり精緻に描かれている。
気になったところもなくはない。
初めのデモンストレーションはなぜ北海道だったのか。人がいないところ、が理由だとしたらもっと近くでもいいのでは。
でも、気になったのはそれくらいである。
僕は日本映画3大ミステリーとして「天国と地獄」(黒澤明監督)、「飢餓海峡」(内田吐夢監督)、「砂の器」(野村芳太郎監督)を挙げている。
本作もその一角にくい込む出来であった。
犯人がもう少しヘマを減らしていれば、もっとよかったかも。
だって、爆弾を仕掛けようかという場所で煙草はない。証拠を残すようなものだから。
そして、本作は映画オリジナル。
このような映画がもっともっと増えれば、日本映画は豊かになるのに。
東映がおそらく社をあげて取り組んだ大作だと思われるが、そこになぜ宇津井健が出ているのか不思議、というか違和感でしかなかったが、本作では、宇津井健のあの暑苦しい芝居が見事にマッチしていた。このキャスティングは大正解であった。
刺激的なタイトル、当時の国鉄からは協力拒否、どころかかなりのバトル...
そうそうたる出演陣
30年以上も前の作品だけれども、この時代の作品と比べても全然見劣りしなかった。見ごたえのある作品だった。今からすると豪華すぎるメンバーで、演出にも力が入ってて、見ごたえ十分だった。
特に車内と司令室が中心で進む冒頭から前半は、それぞれの緊張感がヒシヒシと伝わってよかった。ただ、中盤以降、犯人グループと操作陣が中心になると、ちょっとスローダウンして、盛り上がりもトーンダウンしてしまったかな。
犯人一味の動機が不純すぎるでしょ。しかも、彼らがちょっと美化されてるように見えた。個人的には、「当時はそういう時代だった」的な考え方は好きじゃないので、主役に感情移入できなかったのは、かなりマイナスだったな。その分、新幹線運行側のよさが際立ったけど。特に司令長。
にしても、この映画での、警察は無能だったねぇ。わざとそう描いたのかもしれないけど、失態に次ぐ失態は見ていて呆れるばかりだった。
あと、気になる点も多かった 笑
・逮捕した犯人を新幹線で護送?!
・あの終止太鼓叩いてる集団はなに?
・結局、妊婦さんは助かったの?
日本発、オールスターパニックサスペンス
和製アメリカン・ニュー・シネマ
じりじりと苦しいのです
クライム・アクションなこの映画ですが、緊迫感と興奮に満ち溢れています。
一番、興奮したのは、並走する新幹線間での物資のやり取り。これでもかってぐらい、緊張感を煽る演出で、グッと引き込まれましたですね。また車内での出産なんてプロットも、すごく効果的でしたね。なんていうか、すごく丁寧に緊張感が持続するよう計算されつくされている感じがしましたですね。
でも・・・この映画、徹頭徹尾、爽快さを排しているのです。じっとりと汗ばむ高倉健を始めとして、最後まで気持ちが高揚する要素がないんですね。あんまり時代背景とか、監督の思想とかは分からないんですけど、どこか人間の悲しさを見つめさせてくれる思いがしましたですよ。
豪華キャストと練り上げた脚本
やっぱり面白い
健さんというよりも…
また見たくなる
オールスター娯楽大作!
健さんの追悼上映で満席の劇場で鑑賞。
1975年のオールスター娯楽大作であり一級のサスペンス作品。とはいえ突っ込みどころも多数。しかしそれを補ってもあまりある満足度。脚本は所々 ん?え?と思うところもありますが緊張感は最後まで続き2時間半は長いとは感じませんでした。
大スクリーンの高倉健さんはやはりスターとしての輝き。そして目を引いたのが宇津井健と千葉真一の暑苦しいまでの熱演。東映的な演技合戦とも言えるでしょう。チョイ役でいろんな役者を見る楽しみも。
70年代邦画を凝縮したという感じもあり、そういった楽しみ方もありますね。
『新幹線大爆破』
日本人の哀愁が核の作品、なのです
当時の国鉄の協力をまったく得られず、むしろ「別モノにしろ!」とまで言われたこともあって、とても新幹線の運転室とは思えない簡素すぎるコックピット、いざ懐かしいゼロ系新幹線が登場したかと思ったら、プラレールみたいなひかり号が出てきたり、と鉄道の映画でありながら、ちっとも鉄道の魅力がない、パニックサスペンスという作品なので、今の映画ファンにはあのり求められていない作品。ですが...
何度も見た私が感じる、この作品の魅力は、犯人の三人が社会の落ちこぼれ、という設定だ。ひとりは家族や大会社に見捨てられた零細下請け工場の経営者、ひとりは学生運動から革命戦士になりそこねた活動家、ひとりは完全な社会のはみ出し者、といった三人が、結託して日本の国家にまで挑戦しようとして、結果敗北してしまう哀れさが、何ともいえない哀愁が漂っているところを、この作品をこれから見る人には見逃さないでほしい、と思う。この犯人三人は、高度経済成長が終わったあとにとり残された、当時はどこにでもいた日本人なのだから、70年代の日本そのものが描かれている、という点は興味をひくものだと思う。
そしてこの作品、JR東海だったら昔の国鉄より協力的になるような気がするので、ぜひ日本の映画会社でリメイクしてほしい、と思う。ただ、サスペンスの部分が同じ設定だったら、逆に「スピード」を真似してる、と言われそうなので、ハッカーで中央制御室がゲットされた、みたいな今どきのものにしたほうがいいだろう。それに、今の新幹線はもっとスピードがあるのだから、パニック映画にもなりやすい、と思うのだけど...。考えてくれる映画会社はないのだろうか。
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