白い巨塔(1966)のレビュー・感想・評価
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田宮二郎主演の伝説の名作です
現在2020年2月20日です
新型コロナウイルスで連日テレビのニュースショーに、色んな先生が出演されて解説をなされています
里美先生のように、大河内先生のように、医師としての使命感を第一に考えて発言なされている先生はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
国民の健康と生命を第一に考えて頂いている先生はどの先生なのでしょうか?
本作の裁判の証言のようにポジショントークなのでしょうか?
YouTubeに突撃報告をアップされた先生はどこまで信じて良いものなのでしょうか?
今こそ本作を観るべきです
山崎豊子の原作小説の取材力を見事に映像化してあるので、究極のリアリティがあります!
なにしろ本物の開腹手術シーンから始まるくらいです
テレビでも何度もドラマ化されていますが、やはり本作で主演した田宮二郎が、そのままテレビでも主演した1978年フジテレビ版につきます
なぜなら田宮二郎が演じる財前吾郎こそが、若く有能であり強烈な上昇志向と高慢なプライドの塊の小説の主人公が姿形を得て肉体化しているからです
そのものなのです
彼こそが究極のリアリティの本体です
映画化は本作のみです
これほどの人気作品なのにリメイクは有りません
理由は簡単です
これを上回るものなど出来ないからです
究極のリアリティ、田宮二郎を上回る主演男優、取り巻く脇役達
本作を凌駕してみせると企画できる人間は、財前吾郎以上の実力とプライドを示す自信がないと出来ないからです
単に50年以上昔の白黒作品なのだからと侮ることは出来ないのです
映画でリメイクしてみせようなど考えること自体無謀であることが明らかだからです
何度観ても面白いです
もちろん原作も読んでいますし、映画の本作も、テレビドラマも唐沢版だって観ていますから、お話の筋は久々に観てもほとんど頭に入っています
それでも面白い
のめり込んで観てしまいます
後半の退屈になりがちな裁判シーンも、テンポよく切り替えされむしろスピード感があります
伝説の名作です
傑作ドラマ
非常におもしろい
病院内部の派閥、権威争いを中心とした話。
内容は 非常におもしろい。病院の闇の部分を鋭く表現している。ストーリーも巧妙で、先の読めない展開は見ていて興奮する。二転三転する話が客をひきつけてはなさない。2時間以上の長い映画だが、テンポのよさ、人間模様あふれるドラマに引き込まれてしまい、まったく飽きなかった。
画面が白黒なのはマイナスともいえるが、手術映像などのグロテスクな要素が緩和されている点は、かえってプラスともいえる。
財前教授の総回診です
言わずと知れた故・山崎豊子の大ベストセラー小説の映画化。
今となっちゃ唐沢寿明のTVドラマの方が有名かもしれないが、本作は1966年度のキネマ旬報日本映画第1位にも選出された名作。
監督・山本薩夫×脚本・橋本忍という顔合わせだけでも面白さは保証付き。
唐沢寿明のドラマ版が放送されていた頃に一度見ているが、改めて見ても非常に見応えあり。
教授選〜誤診裁判までが描かれ、大長編小説をギュッと濃縮した濃密な2時間半!
人の命を救う筈の医学界の知られざる本当の世界。
金と権力に物を言わせた派閥争い、肩書きだけに執着する医師たちのドス黒い思惑が交錯する。
鋭くメスを入れた社会派映画であり、スリリングなエンタメ映画でもある。
三部作の映画として作って、もっとどっぷり見たかったくらい。
50年も前の作品だが、テーマはいつの時代にも通じる。
田宮二郎の熱演に引き込まれる。
ギラギラした野心を持つ財前は、ニヒルな雰囲気の彼にピタリとハマった。
名優たちによるアンサンブルも素晴らしい。
一癖も二癖もある登場人物の中で、純粋に医学者としての心得を忘れない里見助教授(演・田村高廣)との対比が印象的。
教授の座か、たった一人の患者の命か。
名誉か、良心か。
頭では分かっていても、人はそれとは違う行動を取ってしまう。
尚、財前も決して悪人ではない。
だからこそ余計に、人のもう一つの顔について考えさせられてしまうのだ。
ネタバレになるが、裁判で財前は無罪となる。
唐沢寿明のドラマとは異なる。
それは医学界の名誉を守る為。
何人たりとも、この白く大きな世界に立ち入る事は出来ない。
裁判では無罪になったが、財前に突きつけられた、医学者としての謙虚な心構え。
自信過剰だった財前が、本当の意味で良き医学者となるか、見た人に委ねられる。
最後は財前の総回診で終わる。
しかし、名誉欲に取り憑かれ、一度誤診した医師を患者が信頼するとは思えない。
これは医師としても一人の人間としても死活問題。
原作の良さが出ているが、作品は古さを感じる
総合65点 ( ストーリー:80点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:60点|音楽:60点 )
野心と名誉と権力と金の飛び交う医学界を、当時の社会的な問題作として鋭い眼力を見せて抉り取った素晴らしい主題をもった原作の映画化である。だいたい原作のまま医学会の権力争いの醜さを描いているが、交互に台詞を言い合う古い演出など観ていてあちらこちらに時代を感じる。作品全体としては古臭さを拭えない。財前が物語の中心になって描かれていて悪の権化とようになっているが、彼に立ち向かう東教授も財前の前任として同様だったはずで、誰であっても似たり寄ったりの野心家で権力の虜なのだという部分はもっとはっきり描いてほしかった。後半の東教授はただのいい人のようになっていた。
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