劇場公開日 1966年10月15日

「田宮二郎主演の伝説の名作です」白い巨塔(1966) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0田宮二郎主演の伝説の名作です

2020年2月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

現在2020年2月20日です
新型コロナウイルスで連日テレビのニュースショーに、色んな先生が出演されて解説をなされています
里美先生のように、大河内先生のように、医師としての使命感を第一に考えて発言なされている先生はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
国民の健康と生命を第一に考えて頂いている先生はどの先生なのでしょうか?
本作の裁判の証言のようにポジショントークなのでしょうか?
YouTubeに突撃報告をアップされた先生はどこまで信じて良いものなのでしょうか?

今こそ本作を観るべきです

山崎豊子の原作小説の取材力を見事に映像化してあるので、究極のリアリティがあります!
なにしろ本物の開腹手術シーンから始まるくらいです

テレビでも何度もドラマ化されていますが、やはり本作で主演した田宮二郎が、そのままテレビでも主演した1978年フジテレビ版につきます

なぜなら田宮二郎が演じる財前吾郎こそが、若く有能であり強烈な上昇志向と高慢なプライドの塊の小説の主人公が姿形を得て肉体化しているからです
そのものなのです
彼こそが究極のリアリティの本体です

映画化は本作のみです
これほどの人気作品なのにリメイクは有りません
理由は簡単です
これを上回るものなど出来ないからです
究極のリアリティ、田宮二郎を上回る主演男優、取り巻く脇役達
本作を凌駕してみせると企画できる人間は、財前吾郎以上の実力とプライドを示す自信がないと出来ないからです
単に50年以上昔の白黒作品なのだからと侮ることは出来ないのです
映画でリメイクしてみせようなど考えること自体無謀であることが明らかだからです

何度観ても面白いです
もちろん原作も読んでいますし、映画の本作も、テレビドラマも唐沢版だって観ていますから、お話の筋は久々に観てもほとんど頭に入っています
それでも面白い
のめり込んで観てしまいます

後半の退屈になりがちな裁判シーンも、テンポよく切り替えされむしろスピード感があります

伝説の名作です

あき240