白子屋駒子

劇場公開日:

解説

舟橋聖一の週刊誌連載小説を、「歌行燈」の衣笠貞之助が脚色し、「女妖」の三隅研次が監督した悲恋もの。撮影は「大江山酒天童子」の今井ひろし。

1960年製作/92分/日本
原題または英題:The Devotion on the Railway
配給:大映
劇場公開日:1960年9月9日

ストーリー

材木問屋白子屋の一人娘駒子は江戸一の美人といわれ降るように縁談話があったが、番頭忠八を深く慕い歯牙にもかけなかった。忠義一徹の忠八は主家の娘と使用人、不義はお家の法度と、駒子の愛情を拒み通していた。白子屋の主人庄三郎は養子旦那であり、店は一切女房のお常が切り廻していた。そして夫のおとなしいのをよいことに、お常は髪結いの清三郎と密通していた。ある晩、材木町一帯が火事に包まれた時、駒子の危急を救った忠八は自分が駒子を愛していることを知った。二人の人目を避けての逢う瀬が続いた。一方、若い清三郎におぼれるお常は商いの金まで手につける始末、白子屋の店は大きく傾き始めていた。悪にたけた清三郎は、駒子に持参金つきの婿をとることを勧めた。婿探しに懸命になったお常は、金貸し川喜多の番頭又四郎が駒子に惚れているのに目をつけ、千両の持参金で婿入りする話を決めた。が、駒子の返事がないのを不審に思ったお常は駒子と忠八の仲を臭ぎつけた。清三郎は忠八を木場に連れ出しおどしをかけるが、通りかかったスリ小鴉のおぎんが忠八をかばった。その時おぎんは誤って清三郎の仲間を射殺してしまう。忠八はおぎんの仲間として奉行所に捕われた。その知らせに動顛した駒子に、お常は躍起となって又四郎との縁談を進め強引に結納を交わしてしまった。駒子は死ぬ気で家を出るが浪人安倍丹後に救われ、家に連れ戻された。お常は忠八が処刑されたと嘘を言い遺髪をみせた。今はすべてを諦めた駒子は又四郎を養子に迎えた。奉行所に引かれた忠八は無実の罪が晴れて放免された。それを知った駒子は人妻の身を顧みず、夫の留守に忠八を我が家に引き入れた。こうしたかくれた逢う瀬も長く続くはずはなく、遂に倉の中で抱擁する二人の不義の場を又四郎に発見されてしまった。逆上した又四郎と争う中に駒子は誤って又四郎を殺害してしまった。不義の汚名と、夫殺しの大罪で駒子は忠八ともども引き廻しの上処刑されることになった。裸馬に乗せられた白無垢姿の駒子の凄艶な美しさに野次馬はどよめいた。父庄三郎は美しく生れついた娘の美しすぎるための不幸に泣いた。

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