修羅雪姫 怨み恋歌
劇場公開日:1974年6月15日
解説
“修羅雪姫”シリーズ二作目。無実の罪で惨殺された父母の怨みを背負った修羅の子が、その仇を討ったあと明治時代の政治的混乱にまきこまれ、再び紫紺の蛇の目傘の仕込み刃で華麗に舞う。脚本は「修羅雪姫」の長田紀生と大原清秀、監督は「赤ちょうちん」の藤田敏八、撮影は鈴木達夫がそれぞれ担当。
1974年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年6月15日
ストーリー
父母の仇を討ち果した鹿島雪は、兇悪殺人犯として丸山警部に逮補され、絞首刑の判決が下された。だが、死刑執行の日、鴉と名乗る男に救出され、菊井精四郎の許へ案内された。菊井は特警の長官で、その組織は「影の軍隊」として恐れられている。菊井は雪の命と引き替えに、アナーキストの徳永乱水が持っている一通の手紙とその命を狙うことを命じた。雪は女中に変装し乱水の家に住み込んだが、彼の革命家としての情熱にうたれ、菊井を裏切った。かつて、菊井と大審院検事総長・寺内謙道は、革命主義者たちの交番爆破事件をデッチ上げ、乱水の同志を大量に処刑した。そして、菊井は長官の地位を得、寺内は司法大臣に昇格した。だが乱水には残された復讐の武器があった。菊井たちの密談を記した一通の手紙である……。乱水は脱獄死刑囚・雪をかくまった容疑で逮捕される寸前、手紙を雪に託し、四ツ谷鮫ヶ橋の貧民窟で医者をしている弟の周介に渡すことを頼んだ。その周介は、かつて雪が丸山警部に逮捕されたときに出逢い、ほのかな恋の炎を燃やしたゆきずりの男だった。周介をはじめ柴田悠太郎、関口英三、岡田太吉らは雪の持参した手紙に眼を輝かした。だが、周介は乱水の危機になぜか冷淡な態度だった。現在の乱水の妻・あやと周介は、かつては夫婦だったのだが、周介が日霧戦争で出兵し、帰国した時、乱水とあやは結婚していたのだった。それ以来、周介は、世を捨てて貧民窟に住みついたのだった。数日後、乱水は菊井の拷問の末にペスト菌をうたれて貧民窟に放り出されて死んだ。周介は例の手紙をタネに菊井たちを強請り、貧民を救済することを決意した。だが、菊井は鮫ヶ橋を急襲、周介は乱水のペストが感染し、悪鬼の形相で激闘するが、柴田、関口、岡田は銃弾に倒れていった。手紙を灰にし革命主義者を倒して笑顔を浮べる菊井と寺内--その頭上に、雪の紫紺の蛇の目傘の仕込み刃が怒りに燃え、ひときわ華麗に舞った……。