劇場公開日 1991年12月14日

「【”情に流される日本人12人の陪審員が下した結論”陪審員たちが最初は大した考えもなく被告を無罪と考えるも次々に提示される推論に振り回され、考えが二転三転する様をコミカルに描いた作品。】」12人の優しい日本人 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”情に流される日本人12人の陪審員が下した結論”陪審員たちが最初は大した考えもなく被告を無罪と考えるも次々に提示される推論に振り回され、考えが二転三転する様をコミカルに描いた作品。】

2024年7月12日
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鑑賞方法:VOD

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■ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。
 被告が若くて苦労している子持ちの美人であることから、陪審員全員が無罪の決を出し、審議は早々に終了するかに見えた。
 しかし、陪審員2号が無罪の根拠を問いただし”議論がしたいんです”と言い始めたことから、審議の様相は混迷していく。

◆感想

・12人の裁判員たちのキャラが非常に良く立っていて、彼らが発言する内容にそれぞれが反応し、考えをコロコロ変える様を、三谷監督が面白可笑しく描いている。

・ある男は、被害者が自分に似ているのに女にもてる事に嫉妬し、議論に執着している男は最期に自分が妻と上手く行っていないために、有罪を主張するという何とも可笑しい設定である。

・笑えるのは、”死んじゃえ!”と”ジンジャエール”の聞き間違えや、子供を独りにしておいてピザが食べられるかと言うある意味ナンセンスな事柄を、話し合う12人の陪審員たちの姿である。

<今作は可なり個性的でいい加減だが、情に厚い日本人気質の陪審員たちの軽妙な会話劇であり、ワンシチュエーションコメディである。
 ”論理的に物事を考えられない日本人には、陪審員は無理じゃないの?”と言う三谷幸喜監督ならではの、意地悪でシニカルな視点もすこーし感じる可笑しな作品である。>

NOBU