社長太平記
劇場公開日:1959年1月3日
解説
おなじみ東宝十八番のサラリーマンもの喜劇。脚本は「サザエさんの結婚」の笠原良三。監督は「大学の人気者」の松林宗恵。撮影は「鰯雲」の玉井正夫。音楽は「大人には分らない・青春白書」の宅孝二。主演は「人生劇場 青春篇」の森繁久彌「弥次喜多道中双六」の小林桂樹・加東大介をはじめ、女優陣には「恐喝(1958)」の淡路恵子、団令子、水野久美、それに三木のり平らが出演。
1959年製作/95分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1959年1月3日
ストーリー
婦人下着メーカー“錨商事”は大資本をバックにした関西の“さくら商会”の東京進出迎撃に社運をかけた。決戦は大福アパートへいずれかの製品を納入するかにかかっていた。大森専務自ら出馬、大福アパート仕入課長間氏と会う事になった。間は無類の女好き、商談そっちのけで牧田社長の女である料亭の女将お桂に色目し、バー“熊ん蜂”へ行けばこれまた牧田が惚れているマダムのくま子に手を出す始末、焼もちをやいた牧田のために商談は目茶苦茶にされてしまった。大森は三十五歳にもなっているが未だ独身である。彼は庶務課長朝日奈の娘てつ子が好きだった。或る日てつ子から銀ブラに誘われ、胸躍らして出かけたが、父の調査を頼むだけ頼むと彼女は大森の気持も知らず恋人の中村君が待つ劇場に行ってしまった。大森はてつ子に頼まれた約束通り、ある日朝日奈の後をつけた。朝日奈の入った処は海軍キャバレー“くろがね”であった。昔の思い出にひたり、またそこに働く戦友の遺児和枝を慰めるために通っているのを知り、大森は朝日奈の行動に共感を覚えた。そこで大森はてつ子の事を朝日奈に打ち明けた。ところが時すでにおそく、てつ子は中村君と婚約中と聞いてがっかりヤケ酒を“熊ん蜂”で飲んでいた処を社長に見られ、くま子との仲を誤解されてしまった。社長と喧嘩、てつ子に失恋、重なる打撃に出社の気力も失った大森の家に「工場出火」の報が届いた。急を聞いて駈けつけた朝日奈と共に大福へ納入する製品の運び出しに二人は必死の大奮闘をした。その甲斐あって品物は無事に運び出された。社長の牧田はそれを目のあたりにみ、改心し、会社再建のために起ら上った。“さくら商会”に逆攻勢するため福岡に支店を出す事になり大森が支店長となった。朝日奈の停年も五年延長された。くま子のバーの福岡支店が出来る日も間近いことだろう。