実録・私設銀座警察

劇場公開日:

解説

戦後の混乱の中で復興の著しい銀座を舞台に、自然発生的に生まれた暴力団の興亡を描く。脚本は「女囚さそり 第41雑居房」の神波史男と松田寛夫、監督は「やくざと抗争 実録安藤組」の佐藤純彌、撮影も同作の仲沢半次郎がそれぞれ担当。

1973年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年7月4日

ストーリー

昭和二十一年、焼野原と化した銀座は外国人に仕切られていた。とある酒場で、元陸軍二等兵・岩下敏之と博徒・宇佐美義一が博奕のいさかいから喧嘩となった。その場に居合わせた元伏竜特攻隊員・池谷三郎と予科練帰りの樋口勝も喧嘩の中に入り大乱闘となるが、いつの間にか四人は意気投合する。やがて四人は銀座を我が手にするために暴れ始める。そして、宇佐美と池谷たちは、銀座で最大の勢力を誇る愚連隊のボス・山根譲と実弟・順と本格的な抗争に突入した。すぐにでも殴り込もうとする宇佐美を制した池谷は、山根一人を狙うべく、山根の配下木島を抱き込んだ。丁度その頃、アメリカ兵を殺害して逃走中の、元学徒兵陸軍々曹・渡会菊夫を宇佐美が隠まう。そして、宇佐美は渡会を使って山根殺害に成功した。また、山根の弟・順も池谷達の策略で返り討ちに合ってしまった。やがて、宇佐美を首領とした、池谷、岩下、樋口たちは銀座制圧に成功した。そして池谷たちもそれぞれ子分をかかえ独立した。やがて、貿易公団職員斉藤の公金横領を岡村文吾から聞き出した池谷は、斉藤を恐喝して五百万円捲き上げ、“有楽商事株式会社”を設立、銀座は次第に宇佐美の手から池谷へと移っていった。それを黙認する宇佐美ではなかった。宇佐美は、樋口、岩下と相談、渡会を使って池谷を殺害することを決意した。渡会は、池谷の内妻・善江が経営する旅館に、池谷を殺すべく忍び込んだ。だが、突然の喀血で、失敗する。反撃に撃って出た池谷は、岡村、小野たちを引きつれ、宇佐美たちを襲撃。命乞いをする宇佐美に唾を吐きすてた池谷、今や銀座は彼の独壇上となった。ある日、池谷は舎弟分関と恋人京子の結婚式に出席した。その時、生きのびていた渡会の拳銃が、池谷に向けて火を吹いた……。この池谷殺害事件をきっかけに警視庁は、戦後初めての大々的な暴力団狩りに踏み切った。そして宇佐美、樋口ら当時マスコミにより“私設銀座警察”と呼ばれた集団は、全員逮捕され潰滅したのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0滅茶苦茶。

2022年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Yohi

2.0復員兵

2022年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦後間もない銀座、新橋が舞台で、闇市を守るため復員兵が用心棒となる。 三国人や既存のヤクザとの戦いには勝ち残るが、内部抗争は避けられなかった。 呉が新橋に移った感じで目新しさは少ない。

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いやよセブン

3.5実は新左翼運動の過激派の顛末を描いていたのだと思う

2020年2月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

恐ろしくアナーキー 戦後直後の混乱期、モラルの崩壊した東京が舞台 仁義無き戦いは1973年1月公開 本作は同年7月公開 どちらも戦後すぐの混乱期の闇市シーンから始まるが本作の方が遥かにアナーキーさ過激さが強い 任侠の世界は微塵もなく、シカゴのギャング映画のような殺伐とした世界を延々とこれでもかと展開する 前者の映画はやくざ抗争の激化が映画化の背景だ ならば本作は何故戦後すぐに生まれ消えていった銀座警察を映画に取り上げたのだろうか? 公開されたその1973年は70年安保闘争が終息してはいたが、成田闘争では1971年に3人の機動隊が惨殺され数十人が重軽傷を負った東峰十字路事件が起こっている そして中核派や革労協と革マル派の内ゲバが約100人もの死者を出すまでに激化してきた頃でもあった 連合赤軍の山岳ベース事件、あさま山荘事件は1972年のことだ 正に本作の物語との類似性をみせている世情であっあのだ 敗戦の混乱は70年安保闘争の敗北、学園紛争の敗北のアナロジーとしてあるのだ 内部抗争はもちろん内ゲバだ つまり本作は、新左翼運動の過激派の顛末を描いていたのだと思う だからこのアナーキーさ過激さは理由があるのだ

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あき240

3.0暴力!&暴力!

2017年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

いやぁスゲエ。東映の暴力的映画郡の中でもひときわ際立ってるこの作品。ヤバめの冒頭から全編暴力の嵐!! 戦後のモラルが崩壊した人々姿をあからさまに描く。薄暗い中で男たちが蠢き(誰だかよくわからない)まさにカオス。容赦ない人体破壊描写もここに極まれり。 静の安藤昇に、死神的な渡瀬恒彦(ポン中)、そしてこの映画で一番光っていたのが梅宮辰夫!!!軽さと凄み、調子良いが馬鹿ではない。この陽気でエロい辰っつぁん最高だろ。 おおよそヤクザ映画では見たことのないラストも、この梅宮辰夫のキャラがあってこそではないかな。 今ではおおよそ製作はムリであろう内容と勢い、時代のなせる技を感じた映画でした。

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散歩男