思春の泉

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎の原作より「子は誰のもの」の館岡謙之助が脚本を書き、「江戸の花道」の中川信夫が監督している。撮影は「わが恋はリラの木蔭に」の横山実、音楽は「地の果てまで」の斎藤一郎の担当。出演者は「半処女」の左幸子、「霧の第三桟橋」の城美穂、「東京物語」高橋豊子、東野英治郎をはじめ、提携の俳優座の面々が総出演している。

1953年製作/88分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1953年11月3日

ストーリー

東北の百姓達にとって毎年の草刈りは楽しい年中行事の一つだった。そで子婆さんは隊長格で若い男女を指揮して草を刈り、向うの麓にはため子婆さんの一隊が小屋掛けしている。毎年こうして幾つかの縁組が出来上っているのだが、今年二人の婆さんがくっつけようと思っているのは、モヨ子と時造である。先ず首尾は上々、占いは吉と出た。ところが時造が芸妓チョン丸と親密であったり、話の最中に突然モヨ子を押し倒して乱暴を働いたりするので、どうやら難航である。このためモヨ子びいきのそで子婆さんと時造びいきのため子婆さんまで喧嘩をしてしまい、駐在所の巡査中村旦那の裁決を仰ぐ。中村巡査は喧嘩しているのは婆さん達ばかりで、若い二人はとっくにケロッとして野性的なラブ・シーンを演じているのを知り、秋の手入れが終り次第モヨ子と時造の祝言を催すことを、二人の婆さんに申し渡した。

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