式日のレビュー・感想・評価
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線路のような丁度いい距離感を探す2人
『ヱヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明監督の実写映画の中で、本作は一番尖っていて、本人のパーソナリティが最も色濃く反映された作品だろう。主人公が映画監督(岩井俊二が演じている)で、創作に行き詰まりを感じているという設定で、ロケ地が庵野監督の故郷だ。線路に対する想いも直接吐露している。線路は二つでひとつ、でも永遠に平行線をたどって交わることはない、しかしそういう距離感が心地よい。本作のカントクと女性の関係も、まさにその距離感を間違えることで争ったり憎みあったりしてしまうもので、丁度いい距離感を探す物語と言えるかもしれない。
舞台となっている山口県宇部市の風景は、どことなくエヴァっぽさを感じさせる。やたら電柱を映したり、廃墟のビルが良い味を出していたり、自動開閉する奇妙な屋根など、どこか懐かしさをおぼえる人工物にあふれている。庵野監督がそういうものを選んで撮影しているのだろうが。
そして、実写映画には生身の人間が映っているというのに、どこか非現実的な印象になるのが興味深い。反対に、庵野監督のアニメ作品は人間の生々しさが全面に出るのに。実写でもアニメでも、庵野監督は虚構と現実の堺を目指してしまう作家なんだろう。
【庵野秀明監督Meets岩井俊二監督作。アーティスティックな作品の中に見え隠れする両監督の映画作品を作り上げる想いが伺える作品である。】
■映画監督として成功したものの、創作意欲をなくしてしまった男(岩井俊二)が東京を離れて故郷・山口県に帰ってきた。
ある日、風変わりな出で立ちの女性(藤谷文子)に出会うと、彼女は「明日は、私の誕生日なの」と言い奇妙な儀式を行う。
男は彼女に興味を抱き、ビデオを回し始め、彼女の生活を共にし始める。
◆感想
・今作は、可なりアーティスティックな作品であるが、原作を書いた藤谷文子が演じる、一般的な世間的概念を超越した魅力的な女性が魅力的である。
・更に言えば、劇中、頻繁に描かれる赤、丹の色が印象的で、ウォン・カーウァイ監督作を想起させる色彩の美しさ。
ー 列車の行き交う中での、路線上での傘のシーンは幻想的である。-
<多分、多くの人が”何が何やら・・”と思う作品かもしれないが、庵野秀明監督と思われる男”カントク”を演じる岩井俊二の、(失礼ながら)たどたどしい台詞回しも、近年の庵野秀明監督の作品に通じる所があると思ったし、何よりも藤谷文子さんの(経歴を見ると、出生を含めて凄い方である。)の魅力が凄い作品である。
庵野秀明監督と岩井俊二監督という現代邦画を牽引するお二人が産み出した相乗効果が個人的には、大変面白く感じた作品である。>
普通にわからない。
服装や建物の内装の、赤と白の組み合わせがどことなく不気味な雰囲気を醸し出している。
前半は赤と白の服装であったが、後半になるにつれて色使いや系統が変化していたのは主人公の心情?とリンクしていたからなのだろうか。
誕生日だけが親に祝福されるのであれば、毎日が誕生日でありたいと願いたくもなる。
かめらめせんで字幕逆でいくのやはい タクシーの中での通話 空いてイ...
かめらめせんで字幕逆でいくのやはい
タクシーの中での通話
空いてイケボで草
チック症
お前が裸になっている間に
死ぬほど悲しいとおもっているひとがいる
安売りするな
自分に価値がある
破綻寸前の不思議な感触の映画、でも嫌いでは無く惹かれるところも
旧劇場版エヴァンゲリオン「Air/まごころを、君に」の公開が1997年で、その3年後2000年公開の庵野英明監督・脚本の実写映画。原作は主演女優でもある藤谷文子の「逃避夢」、制作が鈴木敏夫で配給が徳間書店。主演の監督役が岩井敏二で、藤谷の母役が大竹しのぶ。
色使いが印象的な心象的な風景に特徴が有る不思議な感触の映画で、興味深く見させてもらった。
嫌いではなくむしろ惹かれる所もあるが、実写映画として破綻寸前の危うさも感じ、大竹しのぶが登場して安心感を感じたのを覚えている。
優しい映画
原作未読で鑑賞した庵野ファンです。導入のビジュアルのインパクトから、もっと痛々しい映画を想像していましたが、どんどん救いに向かっていく様は、エヴァを彷彿とさせました(庵野監督の本意か不本意か)。
勝手な想像ですけれど、監督と少女の二人の人物像は、どちらもまるで庵野秀明のよう(知らんけど)。
(ちなみにNHKのプロフェッショナルでの庵野秀明の密着を見た後に鑑賞したので、この映画が制作されたタイミングのことを考えると、色んな想像が膨らんでしまいました。)
孤独と執着、家族愛と性愛への嫌悪、虚構の現実と現実的な夢とがないまぜになった、かわいい子猫のような映画。
極めて少ない登場人物と、人工的な建造物ばかりの風景、全体的に暗めのトーンで表現された映像、美しくて冷たいピアノの音。最初から最後まで繊細で複雑さがなく、なぜか私はこの映画によって心を落ち着かせることが出来たのです・・・。
林原めぐみさんと松尾スズキさんのナレーションを入れて、鑑賞者に歩み寄ろうとするアプローチは、愛しく感じられました。
そして庵野監督らしい様々なアングルの使い方が、この映画の世界観をより特別なものにしています。
私もどこかで、この監督のような、自分の理解者が突然現れることを夢見ているのかもしれません。
長くてつらい
庵野秀明監督のドキュメンタリーを見て、そういえば見てなかったと思い、アマプラにあったので見る。テレビ版のエヴァンゲリオンのラスト2話を延々見せられている感じで、長くて辛い。ヒロインはあまり関わらない方がいいタイプ。
まさか
庵野監督作品と知り鑑賞
主演がまさかの藤谷文子さんで驚いた。
そしてエンディングがCoccoのraining。
それに岩井俊二、大竹しのぶときた。
それなのに、と言いたくなってしまう映画だった。
所謂メンヘラな女性が
必ずしもああいう生活を送ってるわけではないのでは。
ただ、大丈夫の使い方が好きだった
庵野監督の出身地のロケ地、山口県宇部市が素晴らしい。今でもあの風景...
庵野監督の出身地のロケ地、山口県宇部市が素晴らしい。今でもあの風景はあるのだろうか? 主人公の棲家であるビルのどのフロアのセット美術も美しい。水を張った地下室はタルコフスキーのストーカー的な美しさと寺山修司の猥雑さの融合か。撮影監督 長田勇市
色彩と言葉
エヴァンゲリオンの庵野監督の実写ということで
どんな感じなのか気になって観ました。
正直よくわかりませんでした。
ですが、色彩がとても綺麗で、鍵を握っているように思えます。
大竹しのぶさんの演技が怖い怖い。
声だけでも怖いです。すごい役者さんですね。
あと
線路を歩いてみたいなあって思いました。
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