産業スパイ

劇場公開日:

解説

「喜劇 競馬必勝法 大穴勝負」の野上龍雄がシナリオを執筆し、「十一人の侍」の工藤栄一が監督したスパイ・アクション。撮影は「男の勝負 白虎の鉄」の古谷伸。

1968年製作/90分/日本
原題または英題:Industrial Spy
配給:東映
劇場公開日:1968年5月21日

ストーリー

一匹狼の産業スパイ木暮孟は、某製鉄会社が開発した圧延機の設計図を、日進コンツェルンに売込んだが、調査室長沢田は、すでにその内容をキャッチしていた。彼もまた産業スパイだったのだ。沢田は、日進建設社長の座を狙っており、そのためにはエンペラーモーターズが発明した新型エンジンの設計機密が必要だった。そうとは知らない木暮は沢田からの依頼をのんだ。期限一週間、報酬三百万円。木暮は早速エンペラーモーターズ秘書課の三木陽子、北村和枝を手懐け、情婦政美を使って機密を一手に握る重役川西に近づけた。川西は京都のホテルから走行テストの指令を出していた。色仕掛けで彼に接近した政美のネックレスには、小型マイクが仕掛けられていた。もはやエンジン設計の機密は未知のものではなくなった。木暮は北海道へ飛ぶとヘリコプターから走行テストの模様をカメラにおさめた。木暮のもたらせた写真は、沢田の計画を着々と成功に導いた。沢田はエンペラーモーターズ社長松井の一人娘博子との結婚を条件に、その写真を松井に売渡した。さらに沢田の目的は、博子の祖父で中央電力総裁松井太造にとり入り、白馬ダム建設を日進建設に請負わせることにあった。一方沢田の魂胆を知った木暮は、復讐を心に誓っていた。入札日を一ヵ月後にひかえ、六社が入札指定業者から消えた。いずれも沢田の裏面工作によるものだった。残るは日進建設と羽島建設だけ。その羽島建設こそ木暮が沢田に対抗するために選んだ会社だった。日進建設社長の椅子を会長の荒木と密約した沢田。一億円の報酬を羽島建設と契約した木暮。両者の落札価格探索戦は沢田にとって優勢に展開した。日進建設社長並木を羽島建設の常務として迎える条件で、落札価格を通報させること。沢田とファッションモデルのアンナの情事を、スキャンダル事件に発展させること。木暮の計画はいずれも沢田に察知されていた。残る手段は唯一つ、木暮は厳重な警戒網を突破して、日進コンツェルンの会長室に忍びこんだ。三百六億一千四百万円、この膨大な数字が太造だけの知る入札価格だった。七月十五日、入札がまさに行なわれようとした時、世間の風評を重視した政府から、指定業者八社による談合入札にせよ、との勧告が発せられた。この一片の通達により、木暮と沢田の夢は、はかなくも消え去ったのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く

他のユーザーは「産業スパイ」以外にこんな作品をCheck-inしています。