子育てごっこ

劇場公開日

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解説

老放浪作家に育てられ学校教育も受けていない少女を引き取って育てる小学校教師夫婦の姿を描く。昭和五十二年前期直木賞受賞作である三好京三の同名小説の映画化で、脚本は「海軍特別年少兵」の鈴木尚之、監督は「あにいもうと(1976)」の今井正、撮影は「俺の空」の原一民がそれぞれ担当。

1979年製作/118分/日本
原題:Rika
配給:五月舎=独立映画センター

ストーリー

奥羽山脈の山々が連なる麓、岩手県衣川村から六キロほど山間部へ入った字大森の小学校分校に吉井信吉(38歳)と妻の容子(34歳)が赴任してから十三年が過ぎた。ある日、小説家を志す信吉の文学勉強仲間の本屋の主人立野が著名な放浪作家、星沢卓見老(81歳)とその娘リカ(11歳)を連れて分校にやって来た。星沢が孫と称して連れ歩くリカは実は入籍していない実の子供であり、しかも学齢を無視して全然学校教育を受けさせず、勝手気侭な子供として育てていると知った信吉は普通の就学児童として手許に引き取ることを星沢に申し出る。星沢も恩着せがましい態度ながら承諾する。分校の生徒の一人となったリ力は、星沢の影響を受け過ぎており、我侭と不作法で信吉夫婦をつぎつぎと手こずらせる。反抗するリカを怒鳴りつけて改めさせようとする信吉とはちがって、容子は手に負えないリカの内に少女としての幼さを感じて叱りながらもいたわりの思いも湧いてきた。それに、これまで子供たちとの集団生活を全く知らなかったリ力にとって、彼女の野放図な我儘さも、学友として許してくれる分校の子供たちの好意というのは、初めて知る友情だった。こうして、リカは容子先生にうちとけ、子供たちに親しみを持ちはじめるのだが、その頃、星沢がリ力を返せと申し入れてきた。容子はリカがいとおしくてならず、リカも分校生活との別れが辛らかったが信吉はリカを星沢の許に帰すことを決心する。やがて春も過ぎ、夏の或る日、突然リカが帰ってきた。星沢が死んだのだ。そして、リカの生みの親敏江が訪ねて来て、リカを信吉夫婦の養女にしてくれと頼むが、信吉は断る。それを立ち聞きしたリカは分校を飛び出した。敏江が帰った後、夕立が降り始め、リカの身を案じた信吉と容子は山の中腹の炭焼小屋に捜しに行く。逃げまわるリカが谷川に落ちたのを助けた信吉は、リカを背負って言いきかした。「これからは、男先生をお父さん、女先生をお母さんと呼ぶんだ」。二人に追いついた容子と三人がおりて行く山道の向こうに、通り過ぎた夕立に洗われた美しい山脈が連なっていた。

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