「昭和ゴジラ最終作は、ひたすら暗く悲しい物語。低予算の特撮シーンも酷い。 あれだけ華々しかった円谷英二特撮の寂しい終焉。」メカゴジラの逆襲 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和ゴジラ最終作は、ひたすら暗く悲しい物語。低予算の特撮シーンも酷い。 あれだけ華々しかった円谷英二特撮の寂しい終焉。
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ついに単独タイトルになったメカゴジラ!
そして、昭和ゴジラシリーズの最終作品です。
監督に本多猪四郎、音楽が伊福部昭、博士役で平田明彦が出演と、ゴジラ第一作と対になっているのが見事。
オープニングの重厚な音楽と、薄暗いトーンの映像の、物々しさがたまらない。
また、悲劇のヒロイン、藍とも子のエピソードも哀しい。
ゴジラの存在は周知の事実なのに、チタノザウルスの存在を主張して学会を追放されてしまう平田明彦の話も矛盾しる。
特撮では、メカゴジラのフィンガーミサイルで、街が一瞬で破壊されるシーンが迫力あり。
しかし、低予算、短期間から来ていると思われる、怪獣の襲撃シーンの町の実景との合成などの大味な特撮作業、映像の流用も多く非常に残念。
ゴジラの着ぐるみが、前作の流用なので、くりくり目玉につぶれた顔、人型でよれっとしていて、無理ににらみを効かせようと部分的に修正はしていても、ユーモラスさが残っていて、シリアス感ゼロです。
怪獣同志の戦いでも、一目で人が入ってないとわかるキグルミをワイヤーで吊って投げたり、不自然な動きで上下に振り回したり、の特撮も酷い。
最後、全てが終わり、広大な夕日の海に、顔が酷いアトラクションのゴジラの着ぐるみが立つ。
ただ一匹立ち去るゴジラの後ろ姿。
その東宝撮影所の特撮大プールも今は無い・・・。
鳴き声もどこか寂しく、あの華々しかった昭和特撮映画の長い歴史の終焉が描かれていた。
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