「怪獣プロレス ゴジラ・モスラ・ラドン組vsキングギドラ 変則タッグマッチ」三大怪獣 地球最大の決戦 ヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣プロレス ゴジラ・モスラ・ラドン組vsキングギドラ 変則タッグマッチ
キングギドラ初登場ということで興味が湧いた一作。
ゴジラシリーズを見直して改めて思った事がある。ゴジラ映画ってプロレスみたいだなと思った。
アメリカから持ってきたプロレスで力道山が国民を熱狂させたように第一作・ゴジラは怪獣映画というジャンルが無い時代に日本人に衝撃を与えた。
そこから怪獣vs人間では無く怪獣どおしの対決になる感じはプロレスにおける禁断の日本人対決のようだし、ゴジラvsキングコングは猪木-アリ戦、三大怪獣 地球最大の決戦でタッグマッチ開始、次いでオールスターで怪獣を出す路線はIWGPトーナメント、人気の陰りが見えたら怪獣映画とは子供映画なのかサイエンスフィクションなのか自問自答し1984ゴジラを生み出す。この流れはプロレスが格闘技とエンタテイメントの狭間技でもがきながらUWFを生み出す流れに似ている。
そこからvsシリーズでゴジラをSF映画として作る挑戦は興業利益という現実の前にやはり子供向けにシフトせざる終えなかった。それはUWFが利益という現実の前に格闘技団体になれず新日本プロレスに敗北した経緯と被る。
SFと子供向けの狭間でもがきながらシンゴジラが生まれる様子はプロレスラーが格闘家と戦い敗北していく中で総合格闘技が生まれたようだ。
怪獣達もゴジラがアントニオ猪木、坂口征二の立ち位置にアンギラス、藤波がモスラ、長州はキングギドラといった所か。
前置きが長くなってしまったが今回の三大怪獣 地球最大の決戦は後に名ヒールとなるキングギドラのデビュー戦であり、初めて怪獣どおしの共闘、タッグマッチが行われた作品です。
期待していたがなんとなく脚本で詰めなきゃいけない所が抜けている。その対応で良いのか?と疑問に思う所が多々。飛行機や崖から落ちた王女がどうやって生きていたのか?金星人として振る舞う王女はどこからどう見てもキチ◯イなのにその発言が新聞載ってしまう都合の良さ。公共の情報に載ったことで王女の安否が分かる流れなのだが、うーんと思ってしまう。また安易に博士が出てくるのも都合良いなと思ってしまう。あとやっぱり怪獣が出現しているのに内閣や自衛隊の司令部が出てこないと「いいのか?」と思ってしまう自分が居る。(シンゴジラの功罪か)
何というか怪獣映画は特撮目的だからドラマは蔑ろ、では今はもう通用しないとわかった。特撮を納得させるためにドラマがあり、ここをキッチリ作らなくてはもう今の観客は付いてこない。
色々書いてしまったが何というか昔の娯楽を満喫出来る映画だと思う。特に怪獣会議の場面は良い!なんかグッと来るものがある。また東宝特撮の黄金期かとんでもなく金が掛かってるだろ、と思わせるセットがチョコチョコ出てくる。(黒部の登山風景なんてあれセットなのにどんだけデカいんだ…)
見終わった後、高貴な人がイタリアで休みを満喫する某映画に似てるなーって思ったらやっぱりプロットのベースはそこから持ってきてるようです。オープニングのギドラのウロコのアップ、不気味なんだけどなんとなく荘厳で好きだ。
最後に!モスラ、脱皮しないのかよ(笑)