「当時国民の10人に1人以上が鑑賞したのも納得の超娯楽大作!」キングコング対ゴジラ 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
当時国民の10人に1人以上が鑑賞したのも納得の超娯楽大作!
本日ゴジラ生誕70周年記念上映「ゴジラ・シアター」第2弾『キングコング対ゴジラ 4K
デジタルリマスター版』富山省吾プロデューサートークショー付き上映に参加。TOHOシネマズ日比谷さんのシアター7は第1弾『ゴジラ』に続き今回も満席。
『キングコング対ゴジラ』(1962)
第2作『ゴジラの逆襲』(1955)から7年ぶりの復活作は初のカラー、シネマスコープ、ステレオ(4ch)で今回4Kでの鑑賞でしたが圧巻のド迫力。
岡本喜八監督『暗黒街シリーズ』『独立愚連隊西へ』でも脚本を務めた関沢新一さんの『ゴジラシリーズ』デビュー作として『ゴジラ』(1954)のパニック映画のイメージを一新させ見事に娯楽に振り切った脚本は本シリーズが70年も続くことになる転換点、過熱するTVの視聴率戦争という社会風刺もさりげなく描いているところも素晴らしく、日米のスーパースター夢の対決も相まって当時国民の10人に1人以上が鑑賞したのも納得ですね。
1964年の東京オリンピックをひかえ高度経済成長期の勢いもヒシヒシと感じました。
キャストも高島忠夫さん、藤木悠さんの弥次喜多コンビも明るく、のちに『007は二度死ぬ』(1967)ボンドガールになる浜美枝さん、若林映子さんはゴージャスで華やかですが、何といっても白眉は有島一郎さん。
視聴率を追い求める宣伝部長を茶目っ気たっぷり愛くるしく演じてくれたのが本作を娯楽作品として成功させた一因だと思いますね。
上映後の富山省吾プロデューサーのトークも関沢新一さんの幻の脚本『ゴジラ伝説 アスカの要塞』など貴重なお話が聞けて今月もラッキーでした。
次回はいよいよ『ゴジラVSビオランテ 4K』楽しみ!
年老いた今では、後始末に目が向いてしまいます。毒ガスを充満させた土地はその後?パシフィック製薬の補償問題は?多古部長はどうなった?ファロラクトンや絹よりしなやか・・は売ってないけど・・。