ゴジラ(1954)のレビュー・感想・評価
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この映画の時代背景は戦後9年。 今は2020年で東日本大震災から9...
この映画の時代背景は戦後9年。
今は2020年で東日本大震災から9年。
9年前ってのはいい歳した大人ならばつい昨日のことである。
核に殺られた被害国にとってビキニ環礁の被爆事件は、あの悪夢の再現に怯えるに余りある出来事だったろう。
黒澤明の生きものの記録も同じ時代に作られたし、日本人にとって核はとてもセンシティブな題材である。
科学の進歩は人類の幸福と比例しなければならないのに・・
人間は何故、科学という道具を持ってして権力を持ちたがるのか?
他より優位に立ち、己を誇示したがるのか?
相手をたてる、協働することは難しいのか?
メンツがそんなに大事なのか?
何が人間にとって最善なのか、コロナに侵食された今、権力者に問いたい。
(2024.11.18再見)
被爆国としての核への恐怖感
敗戦国としての命を失うことへの悲しみ
核開発による副産物への恐れ
どれをとっても本当に色濃く画かれていて、−1.0にはない戦争に対する悲壮感が凄い。
あの当時の人は、皆が皆、死ぬかもしれないという経験をしているため、戦争や核を語る台詞に重みがある、今の役者には絶対に真似できない。神木隆之介に戦争を表現しろと言っても、所詮は無理があるのも致し方あるまい。
戦後10年経たずに水爆批判と怪獣モノを撮れる着想
この時代の空気感として、菅井きん演じる女性議員(当時は婦人議員という。)がゴジラの次に怖い。真っ向勝負で直言する婦人議員たちに、それまで男たちだけが戦争をやるもやらぬも決めてきた景色を一刀両断にしている。本当の戦後だと感じた。
昔の映画は尺も無駄にとらず、余計な演出をせず、それでいてストーリーが分かりにくいということはなく、劇伴音楽が素晴らしく、なんで今の時代こうしたものを撮れないのかなと思う。現在は技術だけが先行してしまったのかね、余計なものが多すぎる。
50年超の過去においてこの特撮技術、時代考察、まさにあっぱれ!
シンゴジラを見た際にも思った事ではあるが、もちろん特撮技術の素晴らしさは言うに及ばずではあるが、時代・社会考察を含めたシナリオの素晴らしさがあるからこそ観る者をここまで引き付けるのであろう。当時、オンタイムでこの作品を見た人たちの衝撃たるや、計り知れないものがあったであろう。ありきたりの言葉であっても、作品として全く古臭さを感じることなく、驚きをもって今なお観る事が出来る、まさに世界に誇る東宝特撮、あっぱれである!
日本人誰もが芹沢博士の決断をする日が訪れることが無いことを祈るばかりだ
正に映画のイノベーションだ
世界の映画史を塗り替えた作品
直接的にはキングコングが源流だろうが全く違う
何もかもが斬新で新しい、誰も観たことの無い映像を作り出して映画のジャンル自体を作り出したのだ
もちろん原水爆の恐怖、核戦争の恐怖がテーマだ
冒頭の漁船遭難シーンは第五福竜丸事件をそのままデフォルメされている
劇中でも何度も原水爆への恐怖、戦争がまたも日本に及ぶ恐怖を登場人物が語る
正に当時は核兵器の開発競争のデッドヒートが新聞の一面を占めており、次の戦争は核戦争になると誰もが認識し始めた頃だったのだ
しかし、久しぶりに21世紀の人間の視点で観ると、当事者にも気付いていない違うニュアンスが含まれているように聞こえた
それは無理です、水爆の洗礼を受けながらも、なおかつ生命を保っているゴジラを何を持って抹殺しようというのですか?
山根博士の言葉は逆にいうと原水爆以上のものに依らねばならないとも取れる
そして芹沢博士も苦悩の末にこの惨禍を絶つには禁じられた兵器を使うほかないと決断する
もしゴジラの襲来を現代に置き換えて、某国による核攻撃であるとしたら、どうだろう?
考え過ぎだろうと思う
しかしそのような決断をしなければならない日は刻々と近づいているように思える
日本人誰もが芹沢博士の決断をする日が訪れることが無いことを祈るばかりだ
東京が火の海になった以降は涙がとまらなかった
当時でも本作公開の僅か4ヶ月前に自衛隊が発足したばかりだったから、自衛隊が無ければ所詮叶わぬだけでも組織だった抵抗も、住民達の避難も出来なかったであろうということは十分読み解けたハズだ
作り手の思いと気概の詰まった傑作映画
ゴジラが単なる怪獣映画ではないというのはなんとなく耳にしていたが、宝田明のインタビュー記事を見て第一作だけでも見ておかなければと思い視聴。
こんな作り手の平和への思いが詰まった映画を54年に作っていたこと。見ている方が誇らしいような気持ちになる映画だった。
シン・ゴジラより面白い!
『ゴジラ』鑑賞。
*主演*
宝田明
*感想*
これが初代ゴジラか…凄いな~。。。
初代ゴジラを初めて見ましたが、かなり面白かった。今は数多くのゴジラシリーズやハリウッドなど続々と制作されている中で、やっぱり原点が面白い。
最近見たゴジラは、「シン・ゴジラ」でしたが、個人的に全然ダメで、初代のゴジラは脚本と演出が素晴らしかった。
ゴジラが山の陰からひょっこり「こんにちは」した時は、あまりの突然のことだったので、思わず笑ってしまいましたが、街に上陸してビルや国会議事堂を破壊したり、炎を吹いたり、大暴れするシーンはなかなか見応えがありました。
あと、脚本が全体的にシリアス。芹沢博士が真島吾朗にしか見えなかったw オキシジェン・デストロイヤーってどこかのプロレスラーの名前みたいw
総じて、面白かったです。「シン・ゴジラ」より全然面白かったです。(^^)
宝田明さんがイケメンでした!
原点
昭和29年というと、戦争、原爆の恐怖がまだ冷めやらぬ日本である。高度成長経済の時代を迎え物質が豊かになった反面、人々の深層心理には不安感が見え隠れする。ゴジラの存在自体が広島・長崎の原爆と同じような恐怖であり、唯一の被爆国日本でしか作れなかった映画だとあらためて思い知らされた。
自衛隊が発足(警察予備隊から改編)された年と、ゴジラ誕生の年が同じというのも皮肉なものだと感じます。また、ゴジラに焼き尽くされた後の映像が戦争で焼け野原となった東京のイメージそのもの。病院でのシーンも同じです。
芹沢博士(平田昭彦)の作ったオキシジェン・デストロイヤーを使用するかどうかで苦悩するシーンが最高。そして女学校の合唱団が歌う“平和の祈り”によって、悩める科学者が決断する。。。ラストの海中でのシーンは涙なしでは観られない?!
パワーの源
個人評価:3.6
戦後9年後に作られた作品。登場人物や、戦後直後の世界観や会話が興味深い。
敗戦後わずか9年でこういったエンターテイメントの映画を作れる事に、日本人のクリエイター魂が感じられる。
この時代に作ったゴジラというキャラクターと世界観が、今なお受け継がれ、描かれ続けるパワーの源がここにある。
怪獣特撮映画の原点であり頂点
2019年の現在においても尚色あせない名作。
本作におけるゴジラとは、アメリカの水爆実験の影を帯びており、また東京大空襲の記憶を呼び覚ますものである。
その後、人気の出たゴジラは子供向けのヒーローとして祭り上げられることになるが、本作は極めて政治的であり、SF作品としてもかなり優れた作品である。
まさに怪獣特撮映画の原点であり頂点である。
怪獣王よ、永遠なれ
ゴジラ・シリーズ第1作。
DVDで鑑賞。
原作(ゴジラ‐東京篇)は既読。
初めて観た時の衝撃は今でも忘れられない。大怪獣ゴジラの恐怖。芹沢博士の苦悩。戦争忌避と核廃絶への祈り。作品全体に漂う悲しみと怒りに、幼い私は圧倒されたのだった。
水爆実験と戦争への果てしない怒りから生まれた怪獣であるゴジラは、その存在自体が大きなテーマ性を持っていて、現代にも強く問い掛け続けているように思う。
自らの過ちが生み出したものに手酷いしっぺ返しを喰らう。科学技術の発展を否定するわけでは決してないが、それが孕むリスクについては常に考えるべきであろう。
芹沢博士のように、偶然であれ、自らつくり出したものが齎す結果を理解し、責任を取ることの出来る強い覚悟を持つことがいちばん大切ではないかと感じた。
「ゴジラは、今なお我々の上に覆い被さっている水爆そのものではありませんか」。現代の諸問題に置き換えてみても、示唆に富んでいて、強いメッセージが内包されているセリフだ。
時代が移り変わっても色褪せることの無いテーマを扱う本作は、未来永劫語り継がれ、そして愛されて欲しい。しかし、色褪せないと云うのも、とてつもない問題のような気もする。
[追記(2019/06/02)]
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」鑑賞後の興奮冷めやらぬ中、もう一度このタイミングで本作を観なければならないと云う心境に駆られた。本作から65年の間連綿と語り続けられて来たメッセージ(人類の愚かさ、自然への敬意、文明への批判)は同作でも継承されていて嬉しく思った。
その先駆となった本作の魅力はやはり色褪せること無く、胸に響いて来た。ゴジラが内包する様様な要素は、人類が生きていく上で向き合っていかなければならない問題ばかりである。そんな深みのあるキャラクターだからこそ、今尚世界中で愛されるアイコンとなり得ているのかもしれない。
[追記(2022/03/18)]
宝田明さんがお亡くなりになられた。
宝田さんを偲び、本作を鑑賞した。
心よりご冥福をお祈り致します。
[以降の鑑賞記録]
2001~2013:DVDで幾度も鑑賞
2014/06/07:TOHOシネマズ伊丹(60周年記念デジタルリマスター版)
2017/11/03:TOHOシネマズ新宿(60周年記念デジタルリマスター版)
2019/01/18:Blu-ray
2019/06/02:Blu-ray
2019/10/05:Amazon Prime Video
2019/11/04:Blu-ray
2020/05/02:WOWOWシネマ(60周年記念デジタルリマスター版)
2020/12/13:Blu-ray
2021/06/13:Blu-ray
2021/09/12:Netflix
2021/12/12:ゴジラ寄席(60周年記念デジタルリマスター版)
2022/01/01:日本映画専門チャンネル(4Kリマスター)
2022/03/18:Blu-ray
2023/10/25:Ultra HD Blu-ray(4Kリマスター)
2024/11/02:Ultra HD Blu-ray(4Kリマスター)
2024/11/10:TOHOシネマズ梅田(TC PREMIUM THEATER,4K)
※修正(2024/11/02)
人がゴミのようだ!わっはっは!
一作目のゴジラ。初めて観た。なぜゴジラが世界的に評価されているのか?この一作目が偉大だったから(だから、パシリムの最後に本多猪四郎の名前が出てくるんだぞ!)・・・この辺の話は、以下の解説を聞いて分かりました。
https://www.youtube.com/watch?v=fl9yZP-SBg0
(⬆️ですが、ゴジラに興味ない人でも、映画作家とは何か?という話をしているので、面白いと思います。)
平成ゴジラは人間とゴジラの対決(+ハリウッドアクションの二番煎じ)を楽しむ映画だが、
一作目のゴジラは、一般人が突然に無意味に虫けらのように大量殺戮されるのを楽しむ映画。
もうお判りだろう。そう。一作目ゴジラにあるのは、「人がゴミのようだ!」という、ムスカ魂なのである!!!
平成では、渋谷とか池袋でヘラヘラしてる奴らを大量殺戮するシーンを作ると、クソPTAとかがうるさいのかねぇ。
もう一度、人間が無意味に大量殺戮される怪獣映画作ろうぜ(笑)。
別にいいじゃん。映画の中でぐらい殺させてくれよ。
とは言え、僕は平成ゴジラシリーズも結構好きです。ムスカになるには、まだまだ修行が足りないということか・・・。
思い上がりの始まり
白黒だし、古い映画だから仕方ないが音声が悪いのが気になりましたし、その上たいして面白くなくつまらなかったです。
日本の怪獣映画より欧米の怪獣(モンスター・パニック)映画の方が面白い所以ですか。当時はどっちも大したことないけど、70~90年代で逆転されます。
見所は最初の題名(と鳴き声が被るところ)とゴジラが暴れる所だけですか。予算がないから姿を中盤まで見せないのは冗長で退屈です。作り話とはいえゴジラが悪役であり後の作品みたいに人間の味方にならないのも重要です。町を壊し、大勢の被害を出した憎むべき悪役にそこまで同情するのはおかしいでしょう。
男女(尾形秀人と山根恵美子、芹沢大助)の三角関係で科学者の男・芹沢大助が自殺するだけだし、ゴジラという怪獣がいなくても話が成立しますよね。
大戸島他でゴジラの被害が出ているのに、山田新吉少年などの被害者の恨みを無視して芹沢大助の分身か知りませんが悪のゴジラに同情するのは納得いきません。ガメラ3みたいな決着のつけ方は無理でしょうが。オキシジェン・デストロイヤーの悪用どうこう言った所で「VSデストロイア」まで出てきませんしね。
人間側がマゾ的で一方的にやられる感じも嫌なものです。次回作「ゴジラの逆襲」は、そうはなっていませんが。
シリーズ化で結局、特撮(SFX・VFX)の見せ場を見せるのではなく、キャラばかりの方に行ってしまいますから。
幼稚でも後の怪獣対決ものの方がまだ好きです。
それにゴジラ、描写がないだけで漁船を襲うから魚も食べてるし、伝説では人食いの設定がありましたよね。
終戦から9年後での
作品だと考えるといろんな意味でびっくりした。東京が焼け野原になってから数年で映画を作ってしまうのも凄いと思うが、また映画のなかで東京を焼け野原にしてしまうという...
当時映画館で観た人はトラウマにならなかったんだろうかと要らぬ心配をしてしまった。
反原水爆のメッセージは明らかだけど、ゴジラをアメリカに置き換えると、日本全土を焼き払うに飽き足らず戦後に及んでも放射能を撒き散らすアメリカに向けた怒りそのものがメッセージなのではないかと言ったら考えすぎでしょうか...
世界中に衝撃を与えた怪獣特撮映画
ゴジラが生まれなければ日本の怪獣特撮は生まれなかった。
正に怪獣の王。
ゴジラは水爆実験の被害者でもあり、恐怖の象徴でもある。
ゴジラを否定するものは戦争で犠牲になった人を否定するのと同じこと…
つまりゴジラとは日本人そのもの。初代ゴジラを否定するものは日本人ではない。
人の形をしたゴミである。
共感
私は庵野監督のシンゴジラをみて何かしらの違和感を感じました。見ていて全く共感のできないつまらない映画と思いました。だから私はゴジラの原点である黒澤明監督のゴジラに興味を持ったのです。
私の新ゴジラの印象というのはセリフがただひたすら長いのと日本の数パーセントしかいない官僚をメインとした東北の震災をバックグラウンドとして作った映画だと思います。多分庵野監督は国家VSゴジラという視点で物語を進めていると思います。
ただ国家がどういう風にゴジラと向き合っていくかをメインにしているので我々日本人が知らない世界を話をメインにしているので共感が少なかったのではないかと思います。
ただ表現が現在の表現的であるというかネットを使って情報が拡散していきそして国民全体に伝わりパニックが起こる、多分現在にもしゴジラが存在したらそうなるのかもしれません。監督はいまの現状をよく捉えそして作った素晴らしい映画だと思います。
しかし黒澤明監督が作った初期ゴジラを見ると目劣りしてしまうのです。いまの世界に絶対的に不可欠な核兵器または水爆それ以外の破壊力をもつ兵器の所持、開発の反対それをテーマとしておいておりそのメッセージ性は強く評価できます。
東日本の震災と核兵器の根絶という永遠のテーマを比べることはできませんが少なくとも私は今日ゴジラの方が共感できるシーンが多く存在しました。
特に親が死んで泣いている子供のシーンとか。
日本にしか作れない大怪獣
まず、戦後10年足らずでこのクオリティーの映画を作ってしまうんだから驚き!外国から見ると日本の底力の方がゴジラよりよっぽど、それこそ怪獣の如く映ったんじゃないかな。
それはともかく、このゴジラ、内容もただの怪獣映画とは一味違う。勿論普通の怪獣映画として見ても申し分の無い面白さ。怪獣の恐怖、人々の葛藤、スケールのでかさ、物凄い威力を誇る秘密兵器…必要な要素はほぼ揃っている。というかこの映画が特撮怪獣映画のお手本と言っても過言じゃない。
そしてこの映画は大迫力怪獣映画と見せかけて、実はもうひとつ違う面を持っている。それは戦争映画というジャンルだ。
ゴジラは元々古代生物の生き残りだという。静かに海底に暮らしていたが、人類の度重なる水爆などの実験により怪獣と化し、さらには住みかも失い、人類が住んでる陸にやってきたということだ。
結局最後は科学者が発明した超強力秘密兵器によって死んでしまうのだが…
アメリカやヨーロッパが聞いたら目を反らしそうな内容だ。しかもまだ日も浅い1954年に…でかした東宝!
何故戦争映画なのって理由をまだしてないじゃないかって?やだなーもうしましたよー。上に書いたとおりですよー。
ゴジラが住みかを奪われた悲しさをヨーロッパの人はどう感じるのか。
ゴジラの最後の断末魔がアメリカの人にはどのように聞こえるのか。
この映画を見て日本人なら何を思うだろうか…
この映画を見れて良かった。やっぱりゴジラは日本にしか作れない。これを外国が作るということは、砂漠で南極物語を撮影するようなもんだ。
間違いなく日本の映画の最高峰の一つ。
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