ゴジラ(1954)のレビュー・感想・評価
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怪獣特撮映画の原点であり頂点
2019年の現在においても尚色あせない名作。
本作におけるゴジラとは、アメリカの水爆実験の影を帯びており、また東京大空襲の記憶を呼び覚ますものである。
その後、人気の出たゴジラは子供向けのヒーローとして祭り上げられることになるが、本作は極めて政治的であり、SF作品としてもかなり優れた作品である。
まさに怪獣特撮映画の原点であり頂点である。
永遠の怪獣王…全ての原点にして頂点!
ゴジラ・シリーズ第1作。
DVDで鑑賞。
原作(ゴジラ‐東京篇)は既読です。
戦後9年目に公開された日本初の空想特撮怪獣映画にして、反戦・反核の強いメッセージが籠められた永遠の名作!
初めて観た時の衝撃は今でも忘れられません。モノクロ画面から溢れ出す大怪獣ゴジラの恐怖。芹沢博士の苦悩と決断。戦争忌避と核廃絶への祈り。作品全体に漂う悲しみと怒りに、幼い僕は圧倒されたのでした。
水爆実験と戦争への果てしない怒りから生まれた怪獣であるゴジラは、その存在自体が大きなテーマ性を持ち、現代にも強く問い掛け続けているように思います。
自らの過ちが生み出したものに手酷いしっぺ返しを喰らう。科学技術の発展を否定するわけではありませんが、それが孕むリスクについては常に考えるべきでしょう。
芹沢博士のように、必然であれ偶然であれ自らつくり出したものが齎す結果を理解し、責任を取ることが出来る強い覚悟を持つことがいちばん大切ではないかと思いました。
「ゴジラは、今なお我々の上に覆い被さっている水爆そのものではありませんか」。世界が直面している諸問題に置き換えると、示唆に富んでいるようで、今にも通じる強いメッセージが内包されているように感じました。
時代が移り変わっても、色褪せることの無いテーマを扱っている本作は未来永劫人々に語り継がれ、そして愛されて欲しいと思います。しかし、今なお色褪せないと云うこともとてつもない問題のような気もしますが…
[追記(2019/06/02)]
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」鑑賞後の興奮冷めやらぬ中、もう一度このタイミングで本作を観なければならないと云う心境に駆られました。本作から65年の間連綿と語り続けられて来たメッセージ(人類の愚かさ、自然への敬意、文明への批判)は同作でも継承されていました。
その先駆となった本作の魅力はやはり色褪せること無く、胸に響いて来ました。ゴジラが内包する様々な要素は、人類が生きていく上で向き合っていかなければならない問題ばかり。それが普遍的だからこそ、世界中で愛されるアイコンとなり得ているのかもしれないと、改めて思いました。
[追記(2022/03/18)]
宝田明さんがお亡くなりになりました。
宝田さんを偲び、本作を鑑賞しました。
心よりご冥福をお祈り致します。
[以降の鑑賞記録]
2014/06/07:60周年記念デジタルリマスター版(TOHOシネマズ伊丹)
2017/11/03:60周年記念デジタルリマスター版(TOHOシネマズ新宿)
2019/01/18:Blu-ray
2019/06/02:Blu-ray
2019/10/05:Amazon Prime Video
2019/11/04:Blu-ray
2020/05/02:60周年記念デジタルリマスター版(WOWOWシネマ)
2020/12/13:Blu-ray
2021/06/13:Blu-ray
2021/09/12:Netflix
2021/12/12:60周年記念デジタルリマスター版(ゴジラ寄席)
2022/01/01:4Kデジタルリマスター版(日本映画専門チャンネル)
2022/03/18:Blu-ray
2023/10/25:Ultra HD Blu-ray(4K SDR)
※修正(2023/04/05)
人がゴミのようだ!わっはっは!
一作目のゴジラ。初めて観た。なぜゴジラが世界的に評価されているのか?この一作目が偉大だったから(だから、パシリムの最後に本多猪四郎の名前が出てくるんだぞ!)・・・この辺の話は、以下の解説を聞いて分かりました。
https://www.youtube.com/watch?v=fl9yZP-SBg0
(⬆️ですが、ゴジラに興味ない人でも、映画作家とは何か?という話をしているので、面白いと思います。)
平成ゴジラは人間とゴジラの対決(+ハリウッドアクションの二番煎じ)を楽しむ映画だが、
一作目のゴジラは、一般人が突然に無意味に虫けらのように大量殺戮されるのを楽しむ映画。
もうお判りだろう。そう。一作目ゴジラにあるのは、「人がゴミのようだ!」という、ムスカ魂なのである!!!
平成では、渋谷とか池袋でヘラヘラしてる奴らを大量殺戮するシーンを作ると、クソPTAとかがうるさいのかねぇ。
もう一度、人間が無意味に大量殺戮される怪獣映画作ろうぜ(笑)。
別にいいじゃん。映画の中でぐらい殺させてくれよ。
とは言え、僕は平成ゴジラシリーズも結構好きです。ムスカになるには、まだまだ修行が足りないということか・・・。
思い上がりの始まり
白黒だし、古い映画だから仕方ないが音声が悪いのが気になりましたし、その上たいして面白くなくつまらなかったです。
日本の怪獣映画より欧米の怪獣(モンスター・パニック)映画の方が面白い所以ですか。当時はどっちも大したことないけど、70~90年代で逆転されます。
見所は最初の題名(と鳴き声が被るところ)とゴジラが暴れる所だけですか。予算がないから姿を中盤まで見せないのは冗長で退屈です。作り話とはいえゴジラが悪役であり後の作品みたいに人間の味方にならないのも重要です。町を壊し、大勢の被害を出した憎むべき悪役にそこまで同情するのはおかしいでしょう。
男女(尾形秀人と山根恵美子、芹沢大助)の三角関係で科学者の男・芹沢大助が自殺するだけだし、ゴジラという怪獣がいなくても話が成立しますよね。
大戸島他でゴジラの被害が出ているのに、山田新吉少年などの被害者の恨みを無視して芹沢大助の分身か知りませんが悪のゴジラに同情するのは納得いきません。ガメラ3みたいな決着のつけ方は無理でしょうが。オキシジェン・デストロイヤーの悪用どうこう言った所で「VSデストロイア」まで出てきませんしね。
人間側がマゾ的で一方的にやられる感じも嫌なものです。次回作「ゴジラの逆襲」は、そうはなっていませんが。
シリーズ化で結局、特撮(SFX・VFX)の見せ場を見せるのではなく、キャラばかりの方に行ってしまいますから。
幼稚でも後の怪獣対決ものの方がまだ好きです。
それにゴジラ、描写がないだけで漁船を襲うから魚も食べてるし、伝説では人食いの設定がありましたよね。
終戦から9年後での
作品だと考えるといろんな意味でびっくりした。東京が焼け野原になってから数年で映画を作ってしまうのも凄いと思うが、また映画のなかで東京を焼け野原にしてしまうという...
当時映画館で観た人はトラウマにならなかったんだろうかと要らぬ心配をしてしまった。
反原水爆のメッセージは明らかだけど、ゴジラをアメリカに置き換えると、日本全土を焼き払うに飽き足らず戦後に及んでも放射能を撒き散らすアメリカに向けた怒りそのものがメッセージなのではないかと言ったら考えすぎでしょうか...
世界中に衝撃を与えた怪獣特撮映画
ゴジラが生まれなければ日本の怪獣特撮は生まれなかった。
正に怪獣の王。
ゴジラは水爆実験の被害者でもあり、恐怖の象徴でもある。
ゴジラを否定するものは戦争で犠牲になった人を否定するのと同じこと…
つまりゴジラとは日本人そのもの。初代ゴジラを否定するものは日本人ではない。
人の形をしたゴミである。
共感
私は庵野監督のシンゴジラをみて何かしらの違和感を感じました。見ていて全く共感のできないつまらない映画と思いました。だから私はゴジラの原点である黒澤明監督のゴジラに興味を持ったのです。
私の新ゴジラの印象というのはセリフがただひたすら長いのと日本の数パーセントしかいない官僚をメインとした東北の震災をバックグラウンドとして作った映画だと思います。多分庵野監督は国家VSゴジラという視点で物語を進めていると思います。
ただ国家がどういう風にゴジラと向き合っていくかをメインにしているので我々日本人が知らない世界を話をメインにしているので共感が少なかったのではないかと思います。
ただ表現が現在の表現的であるというかネットを使って情報が拡散していきそして国民全体に伝わりパニックが起こる、多分現在にもしゴジラが存在したらそうなるのかもしれません。監督はいまの現状をよく捉えそして作った素晴らしい映画だと思います。
しかし黒澤明監督が作った初期ゴジラを見ると目劣りしてしまうのです。いまの世界に絶対的に不可欠な核兵器または水爆それ以外の破壊力をもつ兵器の所持、開発の反対それをテーマとしておいておりそのメッセージ性は強く評価できます。
東日本の震災と核兵器の根絶という永遠のテーマを比べることはできませんが少なくとも私は今日ゴジラの方が共感できるシーンが多く存在しました。
特に親が死んで泣いている子供のシーンとか。
日本にしか作れない大怪獣
まず、戦後10年足らずでこのクオリティーの映画を作ってしまうんだから驚き!外国から見ると日本の底力の方がゴジラよりよっぽど、それこそ怪獣の如く映ったんじゃないかな。
それはともかく、このゴジラ、内容もただの怪獣映画とは一味違う。勿論普通の怪獣映画として見ても申し分の無い面白さ。怪獣の恐怖、人々の葛藤、スケールのでかさ、物凄い威力を誇る秘密兵器…必要な要素はほぼ揃っている。というかこの映画が特撮怪獣映画のお手本と言っても過言じゃない。
そしてこの映画は大迫力怪獣映画と見せかけて、実はもうひとつ違う面を持っている。それは戦争映画というジャンルだ。
ゴジラは元々古代生物の生き残りだという。静かに海底に暮らしていたが、人類の度重なる水爆などの実験により怪獣と化し、さらには住みかも失い、人類が住んでる陸にやってきたということだ。
結局最後は科学者が発明した超強力秘密兵器によって死んでしまうのだが…
アメリカやヨーロッパが聞いたら目を反らしそうな内容だ。しかもまだ日も浅い1954年に…でかした東宝!
何故戦争映画なのって理由をまだしてないじゃないかって?やだなーもうしましたよー。上に書いたとおりですよー。
ゴジラが住みかを奪われた悲しさをヨーロッパの人はどう感じるのか。
ゴジラの最後の断末魔がアメリカの人にはどのように聞こえるのか。
この映画を見て日本人なら何を思うだろうか…
この映画を見れて良かった。やっぱりゴジラは日本にしか作れない。これを外国が作るということは、砂漠で南極物語を撮影するようなもんだ。
間違いなく日本の映画の最高峰の一つ。
古いのだから、多少は
目をつぶる。
戦後にあの内容である。
少々の練れてないキャラクターが居るのは仕方ない。
ゴジラが街を壊し、被災者が泣き崩れる
だけでも、雰囲気が出てる。
ラストはやはり悲しい気分になるが、インパクトは大きい。
後から作った作品がこれを越えられないのが一番残念な所。
映像的に越えるのは当たり前で、誉め言葉が「凄い」「綺麗」「リアル」とかしか取り柄のない作品ではいつまでもこの『ゴジラ』が名作と言われ続けるのだろう。
シン・ゴジラを楽しむに当たって挑戦(?)してみました。
当時劇場で見せられてたら絶対泣いていたと思います。
(怖くて!)
自分が映画で重要視する演出の妙みたいなものは感じれなかったので、☆2.5ってところでしょうか。
この時代ではまだ手法が確立されていなかったんでしょうね。
発想は物凄いですし、半世紀以上もの間日本人を楽しませてきた功績は素晴らしいと思います。
怪獣映画の金字塔「ゴジラ」第一作目
やはり今観ると全体的に古臭く、特撮のチープ感は否めないです。それでも白黒の画面と相まって、全体的に不気味な雰囲気が良く出ています。きっと当時の人が見たら衝撃だった事でしょう。
三葉虫は古生代に絶滅したのに中生代ジュラ紀の生き残りのゴジラに何故くっ付いてたの?とか、ゴジラさんどう見ても肺呼吸のはずなのに海に潜ってる時間長すぎじゃない?とか、ツッコみたくなる箇所は多々あるものの、そういった粗を補うような不気味な雰囲気。戦後9年目というまだ人々の記憶に戦争が残っている時代に作られたからこそ、妙なリアルさが出ているのではないでしょうか?
例えばタワーから死を賭して実況を続けるリポーターには何となく特攻隊に通じる精神を感じました。当時は今よりそういった精神が美化されていたのでしょう。ま、正直逃げろよとは思いますが。
作品としての面白さ云々より時代考証の資料として価値のある作品ではないでしょうか?
そういえば志村喬さんって同じ年に公開された「七人の侍」にも出てらっしゃるんですね。その後何十年も語り継がれる映画のどっちにも出演しているってスゴイ!!
半世紀以上前の映画なのに驚くほど面白い!
半世紀以上の映画なのにすごく面白い。ストーリーは今の邦画よりも優れていると言えますし、特撮なのにCGよりゴジラが恐ろしい…恐怖を画面から受けました、迫力、音楽、内容、全て素晴らしい。これぞゴジラというもの! 『日本のゴジラなんてただのぬいぐるみじゃん、ハリウッドの方がいい』って言ってる友人に見せてやりたい…
怪獣パニックではなく深い悲劇
パニック映画ではあるのですが、生まれたくて生まれたわけではない、勝手な理由で殺されるゴジラと、人類のために自分の命をかけて汚れ役を買った男の話とも観れました。
もしかしたら家族を作ってのんびり暮らした一匹の爬虫類だったのかもしれない。もしかしたら失意を受けるも、研究で世間から評される1人の科学者に成れたのかもしれない。
一匹と一人の死後、人類の脅威が倒され喜ぶ人々は何を知っているのだろうか。個人的には悲しい話だなあと感じました。
初代
映画ファン必見の初代ゴジラ。
水爆反対のテーマもきっちりできていて当時としては迫力があったと思います!
ゴジラも恐怖の象徴として描かれるとおり歩いた跡には火の海になっていて、多くの住民が死んでしまいました。
特に私が気に入ったのは芹沢博士です。
彼の気持ちはよく理解できます。
彼の最期はとても悲しかったです。
白黒は大丈夫かと心配してましたが気にせず観れました。
是非ともオススメします!
これぞエバーグリーン
怪獣映画として、エンタテインメントとして全てを備えている。演出、音楽、映像効果に脚本までそろった稀有な1本。ゴジラの名前が今に至っても残っている理由と、その後怪獣映画に連なる始祖を一度は体験して欲しい。
今、鑑賞しても新鮮。
今、見ても作り方がとても丁寧に作られていますね。(本物の自衛隊機のシーンは、意外と迫力がありました)原発事故後に鑑賞しただけに作中の中のガイガーカウンターのシーンは、切実な気持ちになりました。ハリウッド版のゴジラも今から待ち遠しです。
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