黒の超特急

劇場公開日:

黒の超特急

解説

梶山季之原作『夢の超特急』を「卍(まんじ)(1964)」の増村保造と「嘘(1963)」の白坂依志夫が共同で脚色、増村保造が監督した黒シリーズの一篇。撮影もコンビの小林節雄。

1964年製作/93分/日本
原題または英題:Super-Express
配給:大映
劇場公開日:1964年10月31日

ストーリー

岡山県のある駅で不動産業を営む桔梗敬一を、東京の“東亜開発社長中江雄吉”と名のる男が訪れた。中江は、自動車工場用地としてこのあたりの土地を、細長く買いたいというのだ。そして桔梗には坪あたり百円の手数料を出すという。数日後、地主達と上京した桔梗は、中江と取り引きを終えて帰った。桔梗の心には、二千万儲けたことの喜びと、中江の事務所で出会った、日本人離れのした美人のことが交錯していた。半年後、株ですった桔梗は、地主達から、中江の買収した士地に第二次新幹線が走ると聞いて、急いで上京した。中江は事前に知っていたに違いない、面会を求めて五百万の金融を断わられた桔梗は、帰りにあの美人に偶然出会い、後をつけた。女は、新幹線公団に務める田丸陽子で、彼女はすでに二年前に退職し、今は赤坂のマンションで長沼という姓で二号生活をしていた。そしてその相手こそ、新幹線公団専務理事財津政義であった。強引に陽子の部屋に押し入り、ユスった桔梗は、陽子から何も聞きだせなかったが、中江が財津から事前に新幹線のコースを聞き出したことはまちがいなかった。桔梗の動きを知った中江は、陽子と財津を別れさせるように工作した。この中江の仕打に怒り桔梗のホテルにやって来た陽子は、中江が古美術愛好者であることを利用して財津に近づくと、当時、財津の秘書をしていた陽子をあてがい、その秘密を財津の義父で憲民党の実力者工藤に話して、三星銀行から大金を融資してもらったのだと話した。重大な証人陽子を味方につけた桔梗は、証拠物品をつくるため、中江に呼び出された陽子に二つのテープレコーダーを持たせた。一方、中江は陽子さえ殺せば敵の証拠はなくなると、陽子を絞殺した。そしてテープをみつけると捨てた。不審に思ってマンションに来た桔梗は、姿のない部屋から一つのテープをみつけたそのテープが陽子を殺した有力な証拠であった。中江に面会を求めた桔梗は、ウソぶく中江にテープを聞かせ、警官を導入した。中江は取り調べに対して、一切の汚職事件の全貌を話した。桔梗は帰途、すれちがう“ひかり”に多くの感慨が湧いた。

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(C)KADOKAWA 1964

映画レビュー

4.0白黒映画だけど

2020年9月7日
iPhoneアプリから投稿

田宮二郎主演サスペンスとのことで、池袋新文芸坐2本立てで見ました。 脚本が面白い。BGMも良かった❗️ 白黒映画でも、とても迫力がありました。 共演の藤さんが綺麗だなぁと。 後で調べたら、田宮さんの奥さんになつてました。。。

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花

3.5公団からクレームはなかったのかしら

2020年3月15日
Androidアプリから投稿

主演田宮二郎・増村保造監督64年。 大映で11本製作された「黒シリーズ」の最終作。高度経済成長期の光と闇を描いた作品群の1つ。 タイトル前の絡み、ここだけですでに面白い。観客の興味をガシッと掴む術を知っている。 その後も速い展開。登場人物のほとんどが悪人だ。ギラギラした欲望を剥き出しにする田宮二郎。関西弁の加東大介の存在感。哀しげなヒロイン。ラストは読めなかった展開だった。 シンプルながらサスペンスの原点を見るような佳作。増村映画はこういうドス黒い作品がやはり面白い。

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散歩男

5.0悪党どもの三竦み

2013年11月20日
PCから投稿

興奮

CSつけたらやっていて、思わず最後まで観てしまった。 田宮二郎の目がニクい。こんな目でみつめられたら惚れてしまう。 藤由紀子の首筋が美しい。野望と諦観が混じった色気に取り込まれてしまう。 そしてなんと言っても加東大介。 小悪党のセコさが怖くもあり哀しくもあり。 悪党どもの三竦み、高度成長期時代を背景にしつつ現代にも通じるサガと欲。 堪能させていただきました。

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小二郎