蜘蛛男
劇場公開日:1958年6月29日
解説
新映画社が、配給のプレミア映画社と提携しての第一回作品。監督には、戦争中「第五列の恐怖」、戦後は「二死満塁」を作った山本弘之が久々に登場、撮影は「怪奇黒猫組」の古泉勝男。主演は、「明治天皇と日露大戦争」の藤田進、船橋元、ほかに宮城千賀子、岡譲司、八島恵子、河上敬子など。
1958年製作/97分/日本
配給:プレミア映画
劇場公開日:1958年6月29日
ストーリー
美しい少女里見芳枝と、その姉絹枝が相次いで殺されるという事件が起きた。手掛りさえないこの事件に、波越警部は犯罪学の大家畔柳博士の助力を仰いでいた。そこへ、またまた、里見姉妹に似た映画スター、富士洋子が謎の怪人蜘蛛男に誘拐されてしまった。ここに、名探偵明智小五郎が登場、蜘蛛男こそ畔柳博士であると断言した。一方、正体を曝露された蜘蛛男--畔柳博士は、巧みな変装術で捜査陣の裏をかきながら、その目的を達せんとしていた。その目的とは、最愛の妻に裏切られたことから、妻に似た美女を拐って惨殺することなのだ。そして、そのクライマックスに、監禁してある洋子、明智の妹淳子ともう一人の娘とともに、彼がパトロンを装って世話している女のバレー教習所の少女たち二十人を合わせて、明智や波越警部の眼前で死の乱舞をさせようというのだ。彼の計画は、パノラマ館にマネキンを装せたこれら二十三人の娘たちを押込めて、毒ガスで見物人ともども一挙に殺してしまう積りなのだ。パノラマ館開館の日、招待された明智探偵や波越警部の姿に博士は快心の笑みをもらし、毒ガスの栓を開いた。しかし、それも事前に計画を知った明智探偵の手によって無毒のガスにすり換えられて計画は成らなかった。狂乱の博士は迫る追手に高い足場から足を踏み外し、ついにその生命をたった。