アパートの鍵貸しますのレビュー・感想・評価
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本当の幸せとは
『サンセット大通り』に続き、ビリー・ワイルダー監督の映画ということで鑑賞。
前半はテンポ良くコミカルにストーリーが進む。勤務時間中に、部屋貸しの副業に勤しむバドの姿に笑った。彼はこの副業の結果昇進するが、仕事が関係無い部分で昇進が決まる会社の腐敗っぷりを見ていると、そのうち業績が傾いてそうだ。ストーリー後半は前半と比較すると少し冗長な印象。前半の方が面白い。
バドは昇進したのにもかかわらず最終的に会社を辞めた。それは、今まで喉から手が出るほど欲しかった立場に実際なってみると、思ったほど大したものでは無かったことを悟ったからだろうか。会社での昇進よりも、エレベーターガールのフランと結ばれる幸せの方がはるかに大きいと感じたのかもしれない。人生における本当の幸せについて考えさせられる。
目を覚ませ!、人であれ!
君が荒んだ瞳で強がるのが とても痛い
憎むことでいつまでも あいつに縛られないで
ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ うつむかないで
空と君との間には 今日も 冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる
中島みゆき 「空と君とのあいだに」
やっぱり思うんです。古い映画の、違うなーと思う場面と、変わんないなーと思う場面。実は、違うなーの場面は、今の時代が、それだけ改善したってことだと思います。で、変わんないなーの場面は、先代からの宿題が、未だに解決していない。むしろ、悪化していたり。
離婚を撒き餌にする、恋する殿方が不変なのは、自分のDNAをバラ撒きたがる本能。今後も変わらんでしょう。一方で、簡単に手に入るもの欲しくない、興味ない。その代わり、マスカラが使えない恋に恋い焦がれ、身を焦がす。男と女の間には、今日も冷たい雨が降る。誰もが、みゆき姐さんや、瀬戸内寂聴さん並みの生き仏になれるわけじゃないからね。悟りを拓く前に、目を覚まし、人でありましょう。間違えていいんです。迷い続けていいんです。口先だけの愛は不要。目の前の人を、ちゃんと大切にできるなら。
それにさ、格好いいじゃないですか。好きな人のために泥被るって。好きなヒトの前では、格好つけなくちゃ。報われぬ恋だとしても、見栄を切る切なさ。それが自分を救うことだってある…かも。
観たことないですけど、確か「イエスマン」って映画。人生の選択で、ひたすらイエスと答え続けたら、こうなりました、みたいなお話。どんな結末か知りませんが、アパートの鍵貸したら、何か変わるかもね。ヒトはあまねく、結末の知れぬストーリーの真っ只中にいます。ひとりひとりが、主人公です。脇役には、なれません。次のアクション、始まってますよ。
この前のクリスマスは、如何お過ごしでしたか?。次のクリスマスまで、まだ時間があります。この映画観てから、次のクリスマスを迎えてみては如何?。きっと、何かが…。
私のアパートの鍵、貸しませんけど。
和田誠展に行ったので
映画のイラストが楽しく大満足の展覧会でした。和田誠さんはアパートの鍵貸しますが大好きだったと書かれたコラムとシャーリーマクレーンが笑顔でジャックレモンに花をつけてるイラスト
無性にこの映画が見たくなりました。
(ずっと昔は深夜に昔の映画やってたのに、この頃ないですね)
シャーリーマクレーンは本当にキュートなのは知ってたけど
ジャックレモンって声も素敵で。
「物事は成り行きだからね」
日々を正直に生きてれば、夢みたいな事あるのかなぁ幸せな気分になる映画でした。
【”人間に戻ります!と出世するために手段を選ばなかった男は元上司に決然として言った。”今作は人間の愚かさ、可笑しさ、ヒューマニズムを全て取り入れた脚本とW主演の二人が素晴しき逸品である。】
ー 昨年秋から当方が生まれる前の、世に言われる”名画”を少しづつ夜中に鑑賞している。
私事で恐縮であるが、未だ不惑なのに老眼の為に読書量が激減した事と、配信の技術普及による。
私は、映画は映画館で観るべきという主義であるが、地域によっては映画館がない方も多いだろうし(実際、私の居住県でもここ数年で多くの劇場が閉館になってしまった。)その点については、言及する積りはない。-
■多くの方が粗筋を御存じであろうが、初見の青二才なので簡単に。
ー 大保険会社の平社員・バド(ジャック・レモン)は自身の出世のために、上役たちの部長の逢い引きの場として昼間、自分の部屋を提供していた。
そんな中、人事部長のシェルドレイクは、バドが思いを寄せるエレベーターガールの女性・フラン(シャーリー・マクレーン)を部屋に連れ込んでいた。
その事実を知り、ショックを受けていたバドが、クリスマス・イヴに部屋に帰ると、フランが睡眠薬を過剰摂取し、意識不明になっていた・・。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最初は、バドの事を仕方がない奴だなあ、と見ていたのであるが、それに輪を掛けて愚かしき部長5人の姿が、愚かしくも面白い。
ー 大体さあ、人事部長程度で愛人を囲う場所も持たないシェルドレイク君。器が小さいぞ!しかも妻子持ち・・。更に言えばクリスマス・イヴでのフランとの密会での贈り物がクシャクシャの100ドル札ってどーなのよ!。そりゃあ、フランが自棄を起こすよな!-
・シャーリー・マクレーン扮するフランも可愛いのだが、彼女も部長たちとイロイロ有って・・。そして、彼女が持っていたコンパクトの鏡の割れ目が意味する事。
・けれども、クリスマス・イヴに女連れで帰宅したバドは睡眠薬過剰摂取した意識不明のフランを発見し、隣人の医師を叩き起こし胃洗浄をして貰い、危機一髪で助けるのである。
ー 亭主をカストロに幽閉された一人クリスマスイヴを過ごすマージが少し可哀想だが・・。-
・漸く目を覚ましたフランを懸命に介抱するバド。
ウトウト眠ろうとするフランに対し、一生懸命にカードゲームをするように誘い眠らせない様にする姿や、テニスラケットで茹でたパスタを受け取るシーンや(水を掛けては駄目だよ!)バドの出世第一主義の心が変わって行く過程をホロリとするシーンも含め、面白く描いている。
ー とにかく、ショート・カットのシャーリー・マクレーンが可愛いんだよね。-
■告げ口により、シェルドレイクにより、馘首された元秘書、ミス・オルセンの進言により自分も首になったシェルドレイクに、バドが決然として言った言葉。
”人間に戻ります!”
そして、彼は会社の要職の椅子を蹴って会社を辞めるのである。
<ラストも粋である。
バドはフランに初めて、秘めていた愛を告白する。
そんな彼の真面目な表情を見て、彼が自分を助けるためにカードゲームを勧めてくれた事を思い出したのか、テーブルに在ったトランプを取って、”黙って配って・・。”とフランは微笑みながらバドに言うのである。
もうね、ホント今作のラヴ・コメディのレベルの高さには参りました・・。>
台詞回しと演出が絶妙に上手い舞台喜劇。
内容は、主人公のアパートメントの鍵を会社の上司にラブホテル代わりに貸し出す事で出世しようとする男と男運の悪い道ならぬ恋をする職場のエレベーターガールとの恋話。印象的な台詞は『物事は全て成り行きだね』色んな意味合いの混ざる思い言葉は、甘くて苦い胸打たれる台詞でした。キャストの表情や間合いで表現される場面はみてい観ていて惹きつけられました。印象的な場面では、最後の空白のクリスマスからの年越しのシーンです。上手く観客の心を惹きつけて落とし所を確保する辺りは上手いなあと感心します。毎回様々な伏線が張られており予想できる安易さも丁度よかったですし、狭い舞台で繰り広げられる人間模様は素晴らしいものがあります。印象的なアイテムは、割れたコンパクトで『割れてるね』『知ってるわ。この方がいいの!私の心を写してる様で…』三幕構成の第一幕終わりでの3人の関係性を知る場面には、演出の妙が巧みに繰り広げられ、ビリーワイルダーの真骨頂を魅せられた様な気になりました。個人的には『He's taker(奪う奴)』との第三者の台詞が好きです。会社の重役との不倫に悩んでいた時に聞かされるとは目も覚めます。正しく宮沢賢治『洞熊学校を卒業した三人』が好きな自分は、思わず現実社会でもアルアルだと思いました。なので、この歳になり周りに友達がいない現実に激しく納得しました。この事件後、主役二人の距離と二人の精神的な成長がハッキリとみられ応援したくなります。そして最後にはハッピーエンド。エンターテイメントでお決まりですが、何故幸せな結末が必要か否か理解出来る様に感じました。テンポの良さと映像伏線の素晴らしさと音楽との相性には映画を見ていて良かったなと思える部分が多分にあり何回も見たい凄い作品です。
後半がなぁ。。。
前半のシチュエーションの面白さと語り口の上手さは もう 天下一品。見事だった。しかし 1時間 終わったところから急にストーリーの展開が止まったように感じた 。やることなすこと全てお決まりで描かなくてもいいシーンをダラダラ 描いてるように見えた。 全ては ラスト へ持っていくための焦らしのようなシーン。 主人公が最後の最後まで受動的で 映画的なドラマ性に欠けると感じた。
ここからは ネタバレです
主人公はお金を儲けたり 出世に役立てるために鍵を貸しているのか、 鍵を貸さなきゃいけないことになっちゃっているのか ?・・やってることが中途半端 。この中途半端な主人公が事の真相を知ったらどんな風に変わってくれるだろう・・というのが一つの期待というか サスペンスになっていて前半は本当に面白かった 。しかし事の真相を知った主人公は何ら変化することなく、 中途半端な奴のままでダラダラと話が続くだけだった。見てる私は飽きて嫌になってきた 。そして、どうにも嫌になってきたところでハッピーエンド 。このタイミングがよくて割とシャンとした映画になった。
実際にはこんな退屈な男のところに こういうタイプの女が自らやってくることは絶対にない。絶対にないというところがモテない男のファンタジーとしてうまくいっていたと感じた。
チャップリンの『モダンタイムス』の様に見えた。
ジジイ目線で終わる寓話。
初見は50年以上前で、我がオジキが好きな映画だった。
ガキだったので、シャーリー・マクレーンを綺麗なお姉さんと見ていた。だから、ファンにはなったが、映画自体は印象に残らなかった。
今回改めて鑑賞して、ジジイ目線で都合良く作られていると感じたが、奥深い所もあるんじゃないかと思った。
摩天楼のシーンから、資本主義経済の犠牲になっている労働者の話のような気がした。まるで、チャップリンの『モダンタイムス』の様に見えた。
ブリシットジョプを60年以上前にこの映画は描いている様に感じる。
具体的に言えば、エレベーターガールなんて、現代では必要のないブリシットジョプだ。また、ここで働く者のほとんどが必要ではない仕事に見える。
そして、アメリカ経済にとって、一番いらないのが、この会社なのではないかと感じた。具体的には、この会社から主な登場人物が去って、この映画は大団円を迎える。
河島英五
よくもまあこんなドロドロとして重苦しいストーリーをユーモアたっぷりに仕上げたものでしょうか。ところどころニンマリしてしまいます。やっぱりビリー・ワイルダーは天才です!
この映画は男のずるさと女の弱さのはざまで展開される物語(やばい、河島英五っぽくなってきた)なんだけどやっぱり男視点の映画と言わざるを得ないのかなって思います。最近、昔の映画を観返していて改めて思うんだけど基本的に映画って男視点?それは監督さんがほとんど男性だから?女性の方々はこのような男視点の映画をどのように楽しめておられるのだろうか?今頃になって疑問がよぎる今日この頃です。
1960年の作品だから今から60年以上前。私が初めて観たのは入社したての30年ほど前。その頃はまだバブルの勢いが残っていてやれ残業だ、出世競争だ、上司へのゴマすりだ、オフィスラブだのがはびこっていた時代だったからこの映画にもとても感情移入したものです。今となっては働き方改革だとかパワハラ撲滅だとかリモートオフィスだとかホワイトカラーの働く環境も大きく変わってしまいました。今の若い人がこの映画観たらどんなふうに感じるんだろう。もし機会があれば、こちらも是非きかせていただきたいです。
ホワイトカラーというのは…
このように本業では差がつかず、何かの裏技を駆使せねば出世できないものなのかのう…。そんな事は無いと断言したいが…ここまで極端でなくとも、上司のお気に入りになって大して仕事もできないのに偉くなっていくというのはよく見る光景ではある。(だいたいどっかで挫折するけどね)。劇中で主人公が「どうせこれからはコンピュータが我々にとって変わる」と自虐的に語るのもほぼ真実。
どんな時も決して感情的にならないジャックレモンが、割りきりと野心と諦めと、でも最後はシャーリー・マクレーンへの愛情を大きな目と微妙な表情で表現している事に本格コメディアンの凄さを感じた。
なんてウエルメイドな・・・
ビリーワイルダー監督の話術の巧みさが堪能できる名作中の名作ですね。一番優れたワイルダー作品では無いかもしれませんが、一番好きなワイルダー作品です。サラリーマンの悲哀とやるせなさ、男心のいじらしさを見事に表現したジャックレモン。表情の変化だけで、その心理の変化を巧みに見せるシャーリーマクレーンの可憐なコメディエンヌぶりは胸をしめつけられるほど魅力的
まぎらわしいシャンパン
ビリー・ワイルダーの傑作喜劇で、ジャック・レモンもシャーリー・マクレーンも素晴らしい。
主人公(ジャック・レモン)は出世のために、自分のアパートをラブホテルのように、上司に貸し出していた。
密かに想いを寄せていたエレベーターガール(シャーリー・マクレーン)が実は・・・。
こんなコメディを観たいものだ。
2人の間に言葉はいらない
などという言い方をするけれど、
この映画に色彩はいらない。
良いものは良いのだ。白黒、だから良い。
自分の見るタイミングによって
みえてくる色が違ってくる気がする。
これさえみとけば
どんな1日も良い日で締め括れるからオススメ。
サラリーマンの悲哀と恋愛を描く
ジャック・レモンが出世のため重役に自分の部屋を貸す
出世はしたものの どこかむなしい気持ちを癒してくれたのが
シャーリー・マクレーン
そんな彼女が自分の部屋を使いその上 自分の上司に深く傷つけられたことを知り
彼はとうとう 今までの生活に決別する決断をする
最後の盛り上げ方は、さすがビリー・ワイルダーだと思った
監督は「昼下りの情事」や「麗しのサブリナ」のビリー・ワイルダーで、やはり最後の盛り上げ方が実にうまい。
コメディタッチの展開でテンポよく進み、それなりに楽しんで見ていたが、結局はジャック・レモンとシャーリー・マクレーンは一緒になるんだろうなと思っていた。ちょっと平凡すぎるがそれも悪くはないと。
ところがラストに二転三転するところがこの映画を名作にした所以ではないかと思う。
部長が妻と離婚して、彼女と一緒になろうとする(一転)。これで終わっても悪くないと思った。ジャック・レモンのほうは寂しく一人アパートを出て行くラストシーンとか。
部長と彼女のクリスマスパーティーのシーンでの会話で、ジャック・レモンが彼女だけはアパートに泊めたくないと断り、それが原因で会社を辞めた事がわかって、彼女はジャック・レモンのほうに恋心が移る(二転)。この展開は時々あるパターン。
ところが、彼女が彼のアパートに行った時に銃声のような音を聞いて、てっきり彼が自殺したのではないかと彼女は思った(私も)。この悲劇のエンディングもある意味面白いかなとも思った(三転)。チャップリンの「ライムライト」のように、喜劇の体裁をして悲劇を描いたのではないかと。
しかし銃ではなく、シャンパンの栓を抜く音だったことがわかり、二人はトランプの続きをやり、本当のハッピーエンドとなる(結果的に四転)。
一転目、三転目で終わっていたとしても、工夫次第で名作になっていたと思う。
あと、私だけの感想かもしれないが、妻と離婚して彼女と(本気で?)結婚しようとした部長は、結局一人ぼっちになってしまってちょっとかわいそう。この映画のラストのように主人公2人の幸せの影に、寂しい思いをする人がいるという映画が時々あり、私はその人のことが気になってしまうのである。例えば、「麗しのサブリナ」のウィリアム・ホールデン、「君に届け」の桐谷美玲、「あと1センチの恋」のべサニーや、「きみに読む物語」でアリーと再会するまでノアの家に通っていた未亡人等。
プライベートを代償にした出世の顛末
ジャックレモン扮するニューヨークの生命保険会社の会社員バドは、公園に近いアパートに住んでいるが好きな時に帰れない。会社の上司のデートに場所提供していたのだ。会社でもアパートの鍵が課長の間を行き交い噂になっていたので、バドはもう貸さないと宣言したけど部長まで貸せと言って来た。しかもバドのお気に入りのシャーリーマクレーン扮するフランだった。しがないサラリーマンの出世のための手段とはいえ、プライベートまで犠牲にするなんてね。
傑作ラブコメディ
ビリー・ワイルダーの代表作といわれるだけあって、やはりとても面白いです。
シャーリー・マクレーンもめちゃキュート♪
よくできた傑作ラブコメディでした!
主人公、最後には出世よりも大切なものを得ることができて良かったです♪
翻弄されるジャック・レモン
エレベーター係の女性フラン( シャーリー・マクレーン )に想いを寄せるお人好しの保険会社社員バクスター( ジャック・レモン )の悲喜こもごも。
ジャック・レモンの台詞や身のこなしが軽妙で楽しめる作品。
シャーリー・マクレーンが初々しい。
社内便で○のやり取りとは 👀
隣人の善良な医師が叫ぶ「 ミルドレッド!」( 妻の名前 )が笑いを誘う。
「君を心から愛してる 」
NHK - BSを録画にて鑑賞
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