空海

劇場公開日:

解説

弘法大師空海の生いたちから入定までの六十一年の生涯を描く。脚本は空海にまつわる膨大な資料をもとに「青春の門 自立篇(1977)」の早坂暁が執筆。監督は「未完の対局」の佐藤純彌、撮影は「日本海大海戦 海ゆかば」の飯村雅彦がそれぞれ担当。

1984年製作/179分/日本
原題または英題:Kukai
配給:東映
劇場公開日:1984年4月14日

ストーリー

伊豫親王に仕える叔父・阿刀大足を頼り大学をめざし奈良の都に出て来ていた佐伯の真魚が突然、姿を消したのは桓武帝による遷都騒ぎのさ中だった。六年後、乞食坊主の姿で故郷の讃岐に現われた彼は、家族の止める間もなく、再び命がけの修業の旅へと向かった。延暦二十一年一月、富士山が大爆発を起こした。近くで修業中だった真魚は、恐怖で逃げまどう村人たちを鍾乳洞に避難させる。同じ頃、京の東宮御所では藤原縄主の妻・薬子が、娘婿にあたる安殿親王と密会を重ねていた。延暦二十三年、桓武帝の命により第十六次遣唐船の派遣が決定。密教の存在を知りその教典を持ち帰ろうとした真魚は、大足と伊豫親王の尽力で遣唐留学生として参加を許された。そして、これを機に名を空海と改める。遣唐使の中には以後空海の生涯のライバルとなる最澄も特別待遇で加わっていた。九州を船出した翌日、大嵐に会い、空海らが乗った船は難破船となるが、三十四日目に福州の海岸に漂着。難行苦行ののち、長安にたどり着いた空海たちは最澄の乗った船も無事で、彼は天台山へ向かったことを知らされた。西明寺に落ち着いた空海は三十四年もこの地にとどまっている永忠に会い、密教の頂点に立つのは恵果阿闍梨だと教えられる。密教の原語である梵語を三ヵ月できわめようと、空海は狂ったように励む。平安京では何百巻の経典をたずさえ帰国した最澄を、桓武帝が迎えていた。最澄を国師に任じた帝は奈良の長老たちを膝下に従えるという念願を叶えた。一方、恵果の死期の間近いことを知った空海は長安青竜寺に彼を訪ね、最後の弟子として密教の潅頂を授けられる。それから三ヵ月、殆ど不眠不休の中、二十年はかかろうかという密教のすべての伝授が行なわれた。日本を離れて二年、帰国した空海は桓武帝の逝去と安殿親王が平城天皇となられ、薬子が帝のお傍に居ることを知った。空海の持ち帰った教典、その他の目録が帝の元に届けられると、伊豫親王や最澄がその価値を強く推奨したためお科め無しとなる。薬子の陰謀によって、伊豫親王が自害して果てるという事件が起きた。疲れ切った平城帝は、弟の神野親王に帝を譲り嵯峨天皇の御代となる。だが、奈良に移った平城帝の独断専行はやまず、空海は国家鎮護の祈祷を行ない、軍団に取り囲まれたために上皇は出家、薬子は自害した。弘仁三年、最澄は空海に密教の授受を願い潅頂を受けたが、密教の最後の潅頂である伝法潅頂に至る前に、高弟の泰範を残し叡山へと去った。後に密教の解釈をめぐり最澄は空海と対立。泰範は空海のもとに残り高弟の一人となる。弟子を伴れて旅に出た空海は疫病にあえぐ人々を救ったり、水害で悩む故郷の満濃池の築堤事業に力を貸したりして身をもってその教えを広めて行く。京に戻った空海は嵯峨帝に国家安寧のための教えを与えると同時に、高野山に寺院を建立する計画に着手。そんな彼のもとに最澄逝去の知らせが届けられた。承和二年三月二十一日、万灯万華会の中、凄絶な断食ののち「秘密曼茶羅十住心論」を授けた高弟たちに見守られ、空海は天へと向かう旅へと立った。

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映画レビュー

4.0空海と最澄はどちらが偉いか? お会いした事が無いので分からない。

2024年2月12日
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When I am 75♥️

3.5この世から逃げてあの世はない

2022年3月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

空に問う、海に聞け、そして未来に燃えよ。 初鑑賞 1984年(昭和59年)公開作品 コアラとエリマキトカゲとチェッカーズがブームになった年 ロサンゼルスオリンピックの年 邦画では伊丹十三初監督作品『お葬式』が公開された年 アニメ映画では『風の谷のナウシカ』『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』など 洋画では『ゴーストバスターズ』『グレムリン』『ポリスアカデミー』『スパルタンX』など 真言宗の開祖空海が入定してから1150年の記念事業 真言宗では空海はまだ生きていると信じられているらしい 空海が今も住んでいるとされる高野山・奥の院には一日二回食事を運ぶ儀式が1200年近く続けられている 人聞きが悪いが映画会社にゴリ押しして作らせた179分の大河作品 真言宗は50年ごとに記念イベントを開催するらしくその一環 真言宗の力で興業的には大成功 監督は『幹線大爆破』『君よ憤怒の河を渉れ』『野性の証明』『敦煌』『北京原人 Who are you?』『男たちの大和』『桜田門外ノ変』の佐藤純彌 脚本は『天国の駅 HEAVEN STATION』『きけ、わだつみの声 Last Friends』『北京原人 Who are you?』『千年の恋 ひかる源氏物語』の早坂暁 空海が少年の頃から始まり留学生として遣唐使に乗り厳しい荒波を渡り唐・長安において密教を学び悟りを開きそれらを日本に持ち帰り高野山にて入定するまでの話 20年の予定で唐に渡り2年で帰国した空海に北大路欣也 唐に渡り特例で一年で帰ってきた最澄に加藤剛 娘を帝の後宮にすることによって権力を握った女官・薬子に小川真由美 空海の母・玉寄に上月左知子 空海と共に唐に渡り帰国した橘逸勢に石橋蓮司 出世街道まっしぐらの遣唐使・藤原葛野磨に成田三樹夫 唐で30数年巻物を写していた日本人僧・永忠に菅貫太郎 空海が初め親しくなる僧・悦々に室田日出男 房女に真行寺君枝 桓武の息子であり平城天皇に中村嘉葎雄 平城天皇の弟でのちの嵯峨天皇に西郷輝彦 空海の父・佐伯田公に西村晃 桓武天皇に丹波哲郎 空海のおじ・阿刀大足に森繁久彌 土木工事には直接参加せず護摩を焚く空海 菊池寛原作『恩讐の彼方に』の主人公である坊さんは先頭になって隧道掘りに勤しんでいたことを思うと複雑な気持ちになる 『天国の駅』でもそうだったけど中村嘉葎雄がまたしても情けない役 帝なのにみっともない 萬屋錦之介の弟なんだけどな 真行寺君枝が若く綺麗だ ラストは現代(1984年頃) 北大路欣也と室田日出男と真行寺君枝が昔ながらの巡礼姿で集団に混じり歩いている 空海が今もなお生きていることを表現したのだろう

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野川新栄

3.5オマケのふた★からみつ★へそして更なるオマケへ!

2021年8月29日
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鑑賞方法:VOD

中国映画をこき下ろした手前、これもまぁあんまり褒められたものではないかなぁ~と思って見始めたが中々スベクタクルで素晴らしい。しかも途中からドンドン面白くなる!終わってみたらしっかりと空海の自伝として成立してる。

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mark108hello

3.0真言密教の中身は伝わりにくいものの

2019年10月27日
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鑑賞方法:VOD

私は真言宗じゃないし、密教がどういうものかもよく知らない。この作品をみても密教とは何なのかを理解するのは正直難しいが、真言のいう大欲をもって少欲を制す、という点は抽象的ながら描かれていたと思う。

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さすまー