三本指の男

　金田一耕助シリーズ（片岡千恵蔵版）第１作。

　Amazon Prime Video（東映オンデマンド）で鑑賞。

　原作（本陣殺人事件）は既読です。

　原作そのままのタイトルを使えなかったことや、凶器が日本刀から刺身包丁に変更されたところに時代を感じました。
　変更と言えば、事件の真相が改変されていて驚きました。矛盾も無く、なるほどと思う個所もあって興味深かったです。
　多羅尾伴内よろしく、金田一が変装して事件を掻き回していたことも明かされ、片岡千恵蔵らしい趣向がユニークでした。

　ヨレヨレの袴にお釜帽姿が定着した今となっては背広姿の金田一耕助に違和感を抱きましたが、戦後民主主義が古き因習をぶち壊すと云うテーマが込められていたと知り、なるほどと思いました。そのテーマには背広姿がいちばん相応しい…

[余談]
　原節子、杉村春子、宮口精二と、脇を固める俳優陣がかなり豪華でした。横溝原作映画には贅沢な布陣がよく似合う…

これはこれでそんなに悪くない。しかし、静子さん、親友の死をそんなにあっさり忘れて、ロマンスに胸躍らせるのですか？