銀河鉄道999のレビュー・感想・評価
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ラストは、映画史の殿堂入り間違いなしの名シーンです。
機械化人間になるために銀河鉄道に乗り込む鉄郎とメーテルの物語。
人気TVアニメの総集編的映画になりますが、まったく違和感がありませんでした。
TV版はアクションもありましたが、鉄郎の人間性に影響を与える小さなドラマが積み上げられていました。そのエピソードの数々をばっさりと切ってしまい、冒険活劇に特化したことは映画としては大成功だったように思います。
鉄郎の年齢設定が10歳から15歳になったことも、「冒険活劇・銀河鉄道999」が成功した要因だと思います。
メーテルと別れるラストシーンは勿論、クレアとのシーンも秀逸で何回観ても涙腺を刺激されます。
ただ、当たり前ですが、人間ドラマを削ったことは物語の深みを損なっているのも事実です。特に「機械化人間になる」という鉄郎の夢は、母親の死が起因しているものですから、その放棄するにはエピソード不足を感じます。また、機械化母星を倒すっていうのも、機械化人間=悪の説明が不足していて、良く考えたら道理に合っていないように感じました。
そんなところを気が気になり、少しだけ私的評価を下げさせてもらいました。
ゴダイゴ
リアルタイムで観たことがない世代ですが…
男前になってしまった星野鉄郎
TVシリーズよりも大人の顔つきで、ちょっとだけ男前になってしまった星野鉄郎の顔だったけど、始まってみると違和感もなく、恋するという設定にも無理がないような気がする。もちろん劇場での鑑賞だったけど、アニメの劇場版としては当時一番良かったと思う。
母親を殺されたことで機械伯爵への復讐といったテーマは薄くなり、メーテルと旅することによって成長する主人公の物語。途中知り合う海賊や、エメラルダス、キャプテン・ハーロック。そしてエメラルダスの恋人トチローの存在がなんとも豪華。トチローなんて存在は作者そのものだろう?などと思われるけど、どことなく西部劇チックだ。
劇場版を初めて観たときに最も驚いたのはもちろん惑星メーテル。TVシリーズも最終目的地へは行ってない頃だったので、この衝撃度はでかかったものです。少年が大人の女性に憧れる多感な時代。男ならば必ず泣けるような・・・そんな映画でした。
タイトルなし(ネタバレ)
少年の壮大な成長物語とは名ばかりで全てがいとも簡単に進むアホみたいに予定調和な子供騙しの冒険物語。対象年齢は10歳以下といったところか。宇宙一の海賊ハーロックにも、誰もが怯える恐怖のエメラルダスにも簡単に会えるだけでなく、なぜか一瞬で絶対的な信頼関係を築く。無法者の山賊やバーテンもいとも簡単に仲間になる。出てくる女性は絶世の美女ばかりでなぜかみんな鉄朗を無条件に愛し、命まで差し出す子もいる。そしてみんながみんなそれだけの関係を築く理由やエピソードの類はほとんどない。
浅すぎるだろ。人間関係の築き方が。人のチケットを盗み、自分の欲望のためには鉄道の中から銃だってぶっ放す、ただのわがまま放題の少年の行為は誰も咎めず、いつのまにか英雄のような扱い。え?なんか大したことしたっけ?死に別れた母が宇宙一の美貌をもっている設定自体、男の母親に対する憧憬にしてはやりすぎなほどのマザコン設定。なにこれ自分の世界しか知らないアホな小学生の男の子が夢見る空想のお話?
とにかく全部が全部、まともにとりあってはバカらしくなるほど稚拙な世界観。こんな映画見て最高だのなんだの言ってるやつは小学生のままおっさんになってしまったあまりにも痛いオタクぐらいなもんだろと憎まれ口も叩きたくなるほどの駄作。作った人間がどれほど無能なのか疑うレベル。こんなクソみたいな映画を名作なんて言うアホとは口も聞きたくない。
と、口汚く罵ってみた後で言うのもなんだけど、これだけ幼稚な世界なのに、抗いがたい魅力があるのも興味深い。もちろんそれはこの映画の成果ではなく、原作の魅力によるんだけど、おそらく聖書や神話のそれと同じような理由なんだと思う。
母親への憧憬、遠い世界への憧れと故郷からの旅立ち。美しいもの、完全なものへの憧れと憎悪。親殺し。年齢を重ね、経験や知識を重ねれば重ねるほど理解が深まる宗教の逆説的な単純性と似て、ドラマの設定やストーリーテリングは恐ろしいほど稚拙なのに、その寓話のもつ記号的な意味を深読みしたくなるような魅力がある。そういう意味では真面目に見て酷評するような見方をしてはいけないのかもしれない。
というか映画用に2時間にまとめたダイジェスト版だからクソなのかも。20時間くらいかけて、鉄朗の純粋さや勇気、心の成長を描き、周囲がそんな鉄朗に心を打たれて関係を築く、そんな物語であればもっと印象は違ったかもしれないし、テレビシリーズがそうだというのであれば、それこそが人気の秘密だろう。どちらにしても評価が高い人はテレビか原作漫画に思い入れがある人だけだと言えそう。
松本零士作品の最高峰
少年の旅立ち・試練そして帰還 秀逸な青春映画
初めての鑑賞は小学校中学年の時に劇場で、その後も何度かテレビ放送やDVDで見て、この度中年になって改めてDVDで見直した。この映画は、何度見ても飽きない。何度見ても面白い。傑作の必須条件である。小学校中学年で初めて見た時は、主人公の鉄郎に自らを重ね合わせて、これから始まるであろう自分の青春に心を馳せた。この物語は、よく神話の主人公が踏襲する旅立ち・試練・帰還で構成されている。それは正に人が青春にさしかかって経験する人生のステップであり、観客は非常に感情移入しやすい。それから物語の舞台は、近未来の遥かなる未知の宇宙で、自ずから観客は主人公同様冒険心を掻き立てられる。作品のテーマも重い。命は有限であるからこそ、人は懸命に生きるし、命は有限であるからこそ、そこに愛惜が生まれ、思いやりや優しさも生まれるという普遍的なメッセージが込められている。内容も心踊る冒険活劇であり、少年時の淡い恋心も描かれていて、秀逸な青春映画に仕上がっている。これからも何度も見たい映画であり、是非多くの若者に見て欲しい映画である。
大冒険活劇!
流転。
ドリパス「銀河鉄道999」
さらば少年の日
遠い昔の映画かも知れませんが、大好きなので書きました。
この映画は、大好きで大好きで、私の中で何回観ても
また観たいと思える映画です。
少年の頃劇場で観た想い出、青年になりVHSビデオで見直した感覚、そしておっちゃんになり(笑)DVDで何度も観て蘇る過去の記憶、どれもが鉄郎と共に居たように思える。
この映画で特筆すべきはエンディングでしょう。
銀河鉄道ともメーテルとも別れる訳ですが
本当に別れを告げるのは、少年の日の自分自身。
その事を悟ったような哲郎の眼と、走り去る後ろ姿には、哀しみよりも
希望があるように思います。
そして忘れてならないのが、このシーンをより一層引き立てる
エンディング曲と、そこへ繋げるナレーション。
私の中では、台詞、間、声、全ての内容において、これ以上の
ナレーションは無いと思っています。
城達也氏。不世出のナレーターでしょう。
私は今のどんなアニメよりも、この時代の作品の方が、全てにおいて
質が良かったと信じています。
このような作品を作ってくれた方々に、感謝の気持ちで一杯です。
そして、もう一度このような作品に出逢いたいです。
無理かなぁ・・・。
名作には欠かせない名曲付き
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