「岩下志麻さんの迫力」疑惑 らららさんの映画レビュー(感想・評価)
岩下志麻さんの迫力
1992年にドラマでいしだあゆみさん小林稔侍さん主演の「疑惑」を見たことがあり印象強かったのですが、このほど映画版も初めて見ることができました。
映画だけあり予算もかけられ出演者が豪華で銀幕スター感ある人たちがギリギリまだいた時代なのかなと思わせられ。特に岩下志麻さんは華やかで凛として圧倒されこちらが主役なのかな?と。桃井かおりさんも迫力ありますが、球磨子には名門家の社長が周囲の反対を押し切ってでも妻にしたくなる魅力があるのか疑問。
球磨子のヒモが佐原弁護士に会うのに弁護士事務所じゃなく自宅を訪ね家で一緒に酒飲んでたり、佐原弁護士も中学生を車に乗せて人気のない場所に連れていき証言をするよう圧かけるとか、フィクションだからか当時だからかわからないもののヒヤヒヤ。
佐原が夫の再婚相手からされる仕打ちもよくわからない。「あなたを恨んでない」というからには不倫離婚だったのではと思わされ離婚調停での取り決めもしながら後妻にそんなこと言う権利ある?
いしだあゆみさん版ドラマは確か「わざと自殺するよう追い詰めた完全犯罪」扱いだったけど映画は「計画性はなく結局は財産も保険金もとり損ねた素行が悪いだけの女」で終わりちょっと拍子抜け。女同士のバトルも「クリーニング代請求した方が?」と思えたし、「エリートだけど夫に去られた女と、男をたぶらかし逞しく生きる女」と対比させたかったのかもしれないけど、今の価値観では社会的地位も信用も安定も歴然と差が。
女性は弁護士のようのエリートでもなければ男を利用しないと食べていけない背景に問題あるんじゃ?と悲哀感じる結末にもなっていました。
モデルとなった別府三億円保険金殺人事件は犯人は男で妻と連れ子に保険金をかけ殺した事件らしく現実はずっと胸糞悪いなと。状況証拠のみでもちゃんと?有罪となり死刑判決が。
(余談ながら事件の概要を読み、後に連れ子に高額な生命保険かけ性的虐待し焼き殺した罪で逮捕された男が再審で無罪になって冤罪被害者扱いされてるけど…この別府事件と同じ扱いでよかったんでは?と思い起こしてしまいました。冤罪を扱う作品は多いけどそれは冤罪じゃないだろ事件もあり)