侠骨一代
劇場公開日:1967年11月1日
解説
富沢有為男の原作(集団形星刊)を、「兄弟仁義 関東命知らず」の村尾昭、「北海遊侠伝」の松本功、山本英明の三人が共同で脚色し、「昭和残侠伝 血染の唐獅子」のマキノ雅弘が監督した任侠もの。撮影はコンビの星島一郎。
1967年製作/92分/日本
原題または英題:The Chivalrous Life
配給:東映
劇場公開日:1967年11月1日
ストーリー
昭和の初期、兵期を満了した伊吹竜馬は、天涯狐独の身を“この乱世を男らしく生きよ”という呑海和尚の言葉通り、持ち前の怪力を使って芝浦の飯場に入って暮らすことになった。芝浦一帯は宍戸組が牛耳っており、昼は人足のピンハネ、夜はイカサマ博奕で金を絞りあげるというやり方だった。竜馬はこれに真っ向うから対決した。宍戸組から刺客が放たれたがその危機を救ったのは芸者のお藤であった。宍戸組との一件を知って、竜馬の根性を買った坂本組の親方喜之助は、竜馬を坂本組に引き抜いた。喜之助は田町で運送業をやっているカタギの好人物だった。竜馬は喜之助の人物にすっかり惚れこんでしまった。坂本組での初仕事で、竜馬はまたもや宍戸組とケンカとなってしまった。宍戸組が芝浦港独占をいいことに、荷揚料を倍額に吹っかけてきたためだった。二つの組に血の雨が降ろうとした時、月島に縄張りを持つ岩佐組が仲介役を買って出た。岩佐組の代貸小池をみて、竜馬はびっくりした。兵隊時代の親友の小池二等兵だったからだ。二人は再会を喜んだ。これを機会に、坂本組は芝浦進出が認められるようになった。その上、竜馬は芝浦出張所の頭になり、喜之助から、娘の綾を女房にもらってくれと頼まれるようにもなっていた。一年が過ぎた。竜馬の率いる芝浦出張所の仕事は軌道にのり、東京市水道局の鉄管運搬の入札を得て、大きく飛躍しようとしていた。そんな折に、喜之助が何者かに射たれた。入札に落ちた岩佐組の仕業に違いなかったが、証拠がなかった。そのうえ岩佐と宍戸が手を握った。小池は竜馬に鉄管作業から手を引くようにという申し入れを行なった。竜馬の身を案じたからだ。あくどい厭がらせがつづいた。運搬用トレーラーが破壊され、坂本組は行き詰った。資金がなくなった坂本組は、組員全部が持ち金を持ちよって資金を作った。だが、びびたるもので、トレーラーを買うことができなかった。これは、お藤が身を売って金を作った。怒った竜馬は単身岩佐と穴戸に対決した。小池は竜馬をかばって倒れた。竜馬は二人を追いつめるのだった。